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律することと孤独とを感じた本「喪失記」姫野カオルコ

 

喪失記 (角川文庫)

喪失記 (角川文庫)

 

 

毎日、片道1時間以上の通勤時間を利用してKindle本を耳読しています。

Kindle Unlimitedを利用しています。

 

 

読み終えるまでの平均的な時間(3時間)

 

 

感想は…

知らない間に小さい頃から、自信を失い自分を律してきた主人公。

幼少時に諭され続けてきた心は、素直にそれにしたがっていただけでした。

女性としての存在を許されるという事を教えてくれる誰かに、上手く出会えなかったということともあるのでしょうが、自分を律する心が一番自分にブレーキをかけていたということなのだろうと思いました。

大西という心が繋がれる男友だちができたこととで、自分の中の女を知り、これから見える世界が広がっていくだろうと感じました。

 

色々な環境から自分というものが出来上がってはいくけれど、最後に自分を変えることができるのは、自分だけなのだということを感じた本でした。

 

五年間、一度も友人と食事をしたことがない。他人と話をするのは、月二度程度という静寂だけの日々。――理津子は男に飢えていた。カトリック神父のもとで育った彼女は、恐ろしいほど規律正しい厳格な生活が、骨の髄まで染みついている。他人に、自分に嘘がつけない。誤ちには厳しい戒めもいとわない。そんな理津子の前に、本能の赴くままに生きる男・大西が現れて……。子供から大人へ――。精神と肉体の変化、個人と社会との関わりを残酷なまでに孤独な女性を通して描ききる。

Amazonより

姫野/カオルコ

姫野嘉兵衛。1958滋賀県出身。97年『受難』(文春文庫)が第一一七回直木賞候補、04年『ツ、イ、ラ、ク』(角川文庫)が第一三〇回直木賞候補、06年『ハルカ・エイティ』(文春文庫)が第一三四回直木賞候補、10年『リアル・シンデレラ』(光文社文庫)が第一四三回直木賞候補になった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

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