心理師 juneberry’s blog

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父のこと#17 意外な答え合わせ

お通夜があった。

コロナ禍なので家族葬で、本当の身内だけで行った。

 

コロナ禍ということで

私たち兄弟とその子どもと、だけにしたかったが

父の兄弟とその子ども、あるいは父の兄弟の子どもが

来てくれた。

 

私にとっても、いとことの本当に久しぶりの再開でもあった。

こういう時期なので、本当にお茶も出さず

立ち話で、棺の中の父の顔を見ながら、いろいろ話してくれた。

 

その中で

 

「ボートに乗って池に落ちたことあったよね」

 

と言い出したいとこがいた。

 

私より6歳上のいとこ、いいおじさんになっている。

 

「そうそう、一緒に行ってて、落ちたよね。

その時の服覚えてるよ。」

 

その一つ下の妹が

「私は、あれから、ボートに怖くて乗れなくなって

こないだも、ボートに乗ることがあったけど

『昔、いとこがボートから落ちたのを見て怖いから乗らないねん』

って話してたところ。」

 

と5歳上のお姉さんだけど、とてもきれいで魅力的ないとこが言った。

 

「えっ?一緒に行ってた?」

それから、私は4人で行ってたのか、と根掘り葉掘り聞いていたが

その当時、2、3年生だったいとこも

 

「うーん、なんでそこへ行ったのかは覚えてない…」

 

と言って困っていた。

私が、しつこく尋ねたから不思議に感じたと思う。

 

そうだったんだ…。

 

私の記憶では、父と2人で行ったハイキングだと思っていたが

とりあえずは、4人いたようだ。

父が、いとこも連れてハイキングに行って

ボートにでも乗るか、と考えたのだろう。

 

今となってはわからないことだし、どうでもいい話だが

今になって、答え合わせができたこと、とても嬉しかった。

 

そして

私が池に落ちたことは、少なからず

みんなの気持ちの中に、大きなこととして残っていたんだと思った。

 

人が死んでしまうことは、とても悲しいことだが

お通夜やお葬式で集まることで、記憶をたどる作業は

歳を重ねるごとに重みを増している。

 

父の弟である叔父は

認知症が入ってきていたが、昔話をすると記憶がどんどん蘇るようだった。

「昔の記憶が出てきてるね」と叔母が驚いていた。

 

お通夜やお葬式で久しぶりの人に会えると

「おじさんが会わせてくれたんやね」とよく話してはいたが

 

今回は特に、コロナでお断りしているにもかかわらず

参列してくれて

その上、父を中心とした話が盛り上がり

長い長い立ち話をしてくれたことで

昔に、本当に子どもの頃にタイムスリップしたような気持ちになった。

 

今日は、父のお陰で

鮮やかな子どもの頃の映像が、話しながら目に浮かんだことが

とても嬉しかった。

 

 そして、「父のこと#2 冬のハイキング」の内容は

私の中で修正された。

 

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