心理師 juneberry’s blog

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懐かしく思って読みました「麻酔」渡辺淳一

 

麻酔

麻酔

 

 私が、Kindle本を耳読した本の感想を、ご紹介しています。 本選びの参考になれば、と思っています。

 

読み終えるまでの平均的な時間(5時間53分)

 

感想…

 

学生時代や独身時代は、渡辺淳一さんの本をよく読んでいたので、懐かしく思って選びました。

医師だっただけあり、医学のお話が面白かったと言う記憶だけが残っていました。今読んだら、どんな感じを受けるんだろうか、と少し楽しみに思って読みました。

 

部分麻酔での手術だったはずが、脳にまで麻酔が回ってしまった話。

医療過誤の疑いがある中、主治医の本心がどこにあるのか、本当は真実はどうなのか。考え方によって見え方が変わってくるところに面白さがあった。

結局、どんなに科学が進んでも、ふとした些細な人間の不注意から事故が起こることがなくならない。最終的に機械を操る判断をするのは人間で、その医師の慣れすぎた自分を責めている姿勢から、そうでなければならないと感じました。

家族の人間模様には、少し前の懐かしい雰囲気を感じるところがありましたが、科学を決して過信することなくというメッセージは、今の方が心に響くように思えました。

 

内容(「BOOK」データベースより)

子宮筋腫の手術を受けた妻邦子は、麻酔のミスで意識不明のまま眠り続ける。福士高伸は妻の意識が戻るよう、夜の病床で妻を密かに愛撫さえしたが、いっこうに目醒める気配もない。母のいなくなった家庭は次第に虚ろなものになっていくが、高伸は仕事に没頭していく。医療過誤と家族の絆を描く感動の長編。
1933年北海道生まれ。医学博士。58年札幌医科大学医学部卒業後、母校の整形外科講師をつとめるかたわら小説を執筆。作品は初期の医学を題材としたものから、歴史、伝記的小説、男と女の本質に迫る恋愛小説と多彩で、医学的な人間認識をもとに、華麗な現代ロマンを描く作家として、常に文壇の第一線で活躍している。70年『光と影』で直木賞受賞。80年に『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。菊池寛賞受賞など。公式ブログ「渡辺淳一 楽屋日記」も(ほぼ)毎日更新中!