「サイレント・ブレス 看取りのカルテ 」幻冬舎文庫 南杏子
私が、Kindle本を耳読した本の感想を、ご紹介しています。 本選びの参考になれば、と思っています。
読み終えるまでの平均的な時間(4時間56分)
感想…
この作品から、今までの感覚とは違う考え方をもらえた。
患者もゴールがわかれば、そこからどう生きたいかを考えられる。そして、終末期に必要なのはセオリーどおりの治療ではない。救うことだけを考える医療には限界がある。死は負けじゃない安らかに看取れないことこそ負けだという言葉たち。
私にとっても新鮮な感覚であったが、大学病院で死と戦ってきた主人公の医師にとっては、180度ひっくり返る葛藤を感じながらストーリーが進んでいく。
常識だったものが変わって行こうとしている現在、考えさせられる物語だった。そして、これは人間が望んでいることのように感じられた。
とてもいい作品だった。
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内容(「BOOK」データベースより)
大学病院から、在宅で最期を迎える患者専門の訪問クリニックへの“左遷”を命じられた三十七歳の倫子は、慣れない在宅医療にとまどう。けれども、乳癌、筋ジストロフィー、膵臓癌などを患う、様々な患者の死に秘められた切なすぎる謎を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けする医療の大切さに気づく。感涙の医療ミステリ。 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
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