2021年の読書まとめ
2021年も、Kindleを中心にたくさん本を読みました。
3月中ごろから9月中ごろまでは、読んでいない寂しい時期があったのですが、こうやって見るとたくさん読んでいますね。
2021年の読書メーター
読んだ本の数:176
読んだページ数:43092
ナイス数:632
毒親生まれ、毒親そだち: 「毒親そだち」でも幸せになれる。の感想
毒親という言葉が浸透する前の話。毒親の理不尽な扱いを受けてきた4人の著者が、それぞれの境遇と、親の分析や自分の取った行動、周りの人との関わりなどを赤裸々に語っている。あとがきで著者は、ライトな毒親が一番タチが悪いと記している。私たち一人一人がそれぞれ違うように、毒親も環境もそれぞれ違っていて、また、幼少期からの環境に疑いを持つことは、当人自身がとても判断できることではない。この本を必要とする人の手に届くことを願う。
読了日:01月01日 著者:毒親カフェ
コミュ障でも5分で増やせる超人脈術の感想
DaiGoさんの本はいつも題名からもらうイメージよりもとても奥が深く感じる。人脈をつくっていく時に大切な、人として大切にする基本が多く書かれていた。人を選ばずに自分が5分で行えることをギブする5分ルールや、カリスマ性については、共感力や傾聴スキルが重要としながらも、他人から何を思われても気にしない態度が取れることを求めているところなどがあげられていた。また、近づいてはいけない人として、マキャベリスト、ナルシスト、サイコパス、サディストが「荒らし」であるとされていて、気をつけたいと感じた。
読了日:01月04日 著者:メンタリストDaiGo
会社は頭から腐るの感想
一言で語れないくらい、当たり前のことをズバッと切ってくれていて内容はとても良かった。大企業と呼ばれる会社が、前年度踏襲でやってきているところをしっかりと見直す必要があることを示している。一流業のガチンコは所詮「ごっこ」に過ぎないと。社長人事について、何年待ったからとか、50歳でちょうどいいからとかそんなことは経営の論理が何もないと。本当にそうだと感じた。本質が飛んでいる。リーダーとなるマネジメント人材層の厚みを中心に、再生していくことが会社を腐らせないカギだった。
読了日:01月05日 著者:冨山 和彦
人気ブログの作り方: 5ヶ月で月45万PVを突破したブログ運営術の感想
ブログを書くにあたって大切なことを伝えてくれている本。発信する内容も大切だが、続けることが一番大事だと言うこと。そして、記事は自分なりのフィルターを通して読む人に伝えること。情報だけの記事でなく、紹介する対象物を通して自分の経験や考え、感情を語っていかないと読む価値のあるオリジナルなコンテンンツにならないと言うことだった。ブログを資産として信用を蓄積していきたいと感じた。
読了日:01月06日 著者:かん吉
ウシジマくんvs.ホリエモン カネに洗脳されるな! (小学館文庫)の感想
ホリエモンのおカネに対する考え方がよくわかる本だった。歯に絹着せぬ物言いで、またそれが的を射ていることが気持ちいい。結局、人は思い込みが多いんだと感じた。退職してはいけない、現状維持が良い、離婚してはいけない。真面目というキーワードもよく出てきた。お互い裏切ることもあるが、そう見えるだけで、それぞれに言い分があり、お互いに有効に利用する。でも、ホリエモンは金儲けを目的にしているのではなくて、やりたいことのために金を稼いでいると言うところを何度も説いている。お金本質を覚えておきたいと感じられた。
読了日:01月07日 著者:堀江貴文
わが家は祇園の拝み屋さん6 花の知らせと小鈴の落雁 (角川文庫)の感想
ミステリー研究会へ、いろいろな力を持った仲間が集まり始め、京都での不思議な出来事に関わり出す。小春の誕生日に現れた若宮から、未来へのメッセージや小春、澪人はアドバイスをもらい、さらに自分自身に向き合っていく。小春は和人からの告白を受け、それにハッキリと答える…ところで次巻へ。とても気になる。
読了日:01月08日 著者:望月 麻衣
科学的な適職の感想
転職についてサイエンスライターの鈴木祐さんが書かれた本。仕事選びの基本的な内容は、幸福度が上がるものは、職場の環境を考える、自分のバイアスに気づく、そして、やりがいという視点を中心に、それぞれを意味付ける研究結果や分析法やテスト、手法等が紹介されている。科学的な根拠とされるものを示されているので、ある意味、とても納得できた。私が個人的に一番印象的だったのは「友人が3人いれば仕事のモチベーションは700%上がる」というところ。社内に良い友人がいるだけでも人生が幸福になるのが確実だというところだった。
読了日:01月08日 著者:鈴木祐
カッコいい男の子に育てる10のヒント: 男の子の子育てライフを楽しんじゃおう! (ぴっかぶー文庫)の感想
私も2人の息子を育てましたが、特に長男にはダメ出しの連続だった。「男の子脳」理解できなかった。根拠のない自信を幼少期の息子に与えられていたらと思うことがある。この本には、具体的な言葉かけについても書かれていて、これから男の子を子育てするママたちへ、ぜひ読んでほしいと思った。
読了日:01月11日 著者:たけだじゅんこ
休日にできる国際貢献: 空いた時間に楽しく取り組んでみよう!の感想
国際協力に興味がある人のためのガイドブック的な本。寄付の仕方や色々な視点からのボランティアや、国際貢献の仕方について書かれている。その合間に、手助けを必要とする国の様子が語られ、どこの国でも、結局、弱い立場の者へシワ寄せがいくことを実感させられ心が痛んだ。最後に、国際理解教育におすすめのスポットやイベントを紹介されているのだが、内容が充実していると感じた。この本を読んで、日本が豊かで恵まれた国であると改めて感じた。この国の豊かさをありがたいと思えるように、子どもたちには色々な世界を知ってほしいと思った。
読了日:01月12日 著者:鈴木里美
WELL (Ripika novel)の感想
とても難しいと感じた。うろ覚えだが「野火」もこういう感じのような気がした。ある日無法地帯になった時に、人はどうなっていくのか。もし、結果が同じだとして、人が人を食すという意味は、その状況によっても、大きく異なると感じた。「仲間のために、死んだら食べてほしい」と思う気持ちがある一方で、人を餌としか見ずに食べているような者もいるということ。そして、1番強いのは、何か守るものがある者、だということ。俯瞰して見たときに、何が一番大切か、それを見極める力が、そこにはあると感じた。
読了日:01月13日 著者:木原音瀬
MaaS戦記 伊豆に未来の街を創るの感想
伊豆を中心にMaaSの導入に向けて動いてきたプロジェクトが小説風に書かれた本だった。初めは小説なのかノンフィクションの記録なのかが、わからなくなった。違和感があった。どのようにMaaSが日本に入ってきたのか、どういった失敗があったのか、そして、その時の作者の気持ちがどうだったのかということが描かれていることが、この本が他のこのような本と違うところではないかと感じた。コロナ自粛期に入り、話は終わっている。今後の伊豆の様子を気に留めておきたいと感じている。
読了日:01月14日 著者:森田創
情報系女子またたびさんの事件ログ (TO文庫)の感想
推理小説のジャンルがたくさんあると言うのは気づいていたが、情報理系女子の視点からの推理初めてでとても面白かった。そして、またたびさんの頭の切れ具合と人間関係の難しさ、そのギャップが味わいとなっている。推理ネタが、情報系というところがとても新鮮に感じた。面白かった。
読了日:01月15日 著者:日野イズム
破天荒フェニックス オンデーズ再生物語 (幻冬舎文庫)の感想
私はだいたい先入観を持たずに選ぶので、普通の小説だと読み始めた。背景として出てくる内容が、だんだんと聴き慣れた企業や金融機関の名前や世界情勢等が気になり出し疑問を持ちながらも、急展開にドキドキする内容がとても面白く、どんどんと読み進められた。サラリーマンの私にとって、社長が何をしているのかはまったくわからなかったが、ガンガン働く社長はこういった視点で物事を見て、こんな世界で働いているのだと思うと、そのストレスの半端なさを感じた。企業は「人」そのものだという言葉はよく聞く話だが、この小説でよくわかった。
読了日:01月16日 著者:田中修治
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)の感想
とてもいい人ばかりが出てくる話だった。読んでいて安心感があった。人に優しさをストレートに表すことのできる人と、形がなければ、優しさを感じることのできない少女との、人間関係に心が暖まった。人の優しさをストレートに受けることのできる関係というのは、それまでの経験によってとても難しくもあるのだと感じた。結局、内容はわからないがと少女と、若いおじさんの関係が、女と男ではなく、無償の愛のようなものに包まれた、保護者的な愛情であるということがとても暖かかった。
読了日:01月17日 著者:しめさば,ぶーた
人生の勝算 (幻冬舎文庫)の感想
小学生の頃から、お金と生きていくことを意識して育った筆者だと思うと、一言一言に重みを感じた。大切なものは、絆、努力、そして後悔する時のオンパスを持つこと。 心に残った言葉は、ビジネスという団体競技をやっているのだから、とにかく人から好かれなければならない。人に好かれなさいということ。確かに、団体競技だなと納得。 この本は、ビジネス本でありながら、心に染み込むようなところがある。とにかく、自分自身のブレないコンパスを持つことが一番大切で、そうすることでどこからともなく、仲間は集まってくるということを感じた。
読了日:01月19日 著者:前田裕二
うまくいっている人の考え方 完全版 (ディスカヴァー携書)の感想
とてもいい内容だった。自己肯定感が大切ということを中心に書かれていたと感じた。うまくいっている人の考え方は、自分をしっかりと持つことだと感じた。そしてあるがままの自分を受け入れると。自分の中での解釈でほとんどのことが解決するように感じた。
読了日:01月20日 著者:ジェリー・ミンチントン
メモの魔力 -The Magic of Memos- (NewsPicks Book)の感想
以前途中でやめて再読。当時はあまり心に響かなかったようなイメージ。なぜあの時に響かなかったのだろうか?と自問した。強く感じたことは、抽象化ということをしっかりと書かれているということ。とてもわかりやすい。時期が違えば、こうも感じ方が異なるのか…と感じた。あと、ビジネス本を読んでいると、抽象化されていないと、応用ができないというような内容に、いくつか当たった。物ごとを抽象化して捉えることは、キーになることだと感じている。
読了日:01月21日 著者:前田裕二
外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術の感想
衝撃的な内容が多かった。本の効果は2割によって生み出されているということなので、読み飛ばしても良いということだった。また、読書は自分の時間とお金を投資することで人生における豊かさを回収する投資だということ。そう思うと途中で読むことをやめることもありだと感じた。あと読書で知った情報を、自分のいけすで泳がすという発想。確かにそれで気が楽になる。重荷がなくなるということはやはり自分のワーキングメモリーを使っているということなのだと感じた。
読了日:01月22日 著者:山口 周
すぐわかる!保護ねこ活動: ごはんをあげてもいいですか? 保護ねこ活動応援団 (かまど文庫)の感想
私の周りでも保護ねこに関わりたいと言う人が増えてきたと感じている中、この本は保護ねこの背景やねこをめぐる問題まで、初心者にわかりやすく解説している。中でも驚いたことは、虐待目的の人がいると言うことと、ねこの居場所がわかる投稿が良くないと言うことだった。私が小さい頃に比べると、野良猫と呼ばれる猫は減ったように、個人的には感じていたが、まだまだ深刻な問題があると認識した。
読了日:01月23日 著者:井上 ミキ
大きな嘘の木の下で ~僕がOWNDAYSを経営しながら考えていた10のウソ。~ (NewsPicks Book)の感想
著者はお金を紙と考え交換するものと捉え、お金があることが幸せなのではない、と言うところを押さえておきたいと言う気持ちが伝わってきた。お金と幸せと豊かさと言うところにきちんと線引きをしていた。心に残ったのは「いざと言う時に、自分を助けてくれるのはお金ではなく信頼」また歳をとると変化を嫌う。毎日歳を重ねていくと心が固まってしまう。どんどん行動を変えていくことが必要だということ。リスクを取るとは、今まで作り上げた自分の規則性を壊さなければならないと言うこと。私には突き刺さる言葉でしたが、本当にその通り。
読了日:01月24日 著者:田中修治
伸びる会社は「これ」をやらない!の感想
あるあるの上司像、組織像が面白かった。ぶった斬ってくれていて、気持ちよかった。管理職になる人、なった人に読んでもらいたいと思った。表面的な優しさでなく、厳しさと同居する優しさが管理職や社長には必要だと思った。人材育成、組織の構造、管理職の仕事前を共通理解していないと、頑張っている感は出ているが、伸びない会社になると感じた。
読了日:01月25日 著者:安藤 広大
動物農場 (角川文庫)の感想
物語の背景を知らずに読み始め、途中でその背景を知った。その時代を風刺した物語を描いた勇気がまず素晴らしい。そして、環境が変わっていくにつれて、善悪も変わっていくこと。客観的に見ていると、おかしいと感じるが、その中にいると日々少しずつ変化していくことに、気づかずに過ごしてしまい、いつの間にかとんでもないことになっている事にも気づかないと言うことなのだろう。何を信用するのかと言う事を自分の中にしっかりと持っていないと、噂が全てで操られ、最終的には恐怖政治となる。
読了日:01月26日 著者:ジョージ・オーウェル,高畠 文夫
明日、今日の君に逢えなくても (MF文庫J)の感想
多重人格障害のようなシノニムと言う病気を持った少女が主人公だった。それぞれの人格がお互いのことを思いやりながら、その中でも自分の人生を全うしようと言う姿が心に残った。 その中での兄の存在がとても大きく、保護者みたいな立場でもあり、1人の少年として、兄としての振る舞いに心があたたまった。
読了日:01月27日 著者:弥生志郎
中古(?)の水守さんと付き合ってみたら、やけに俺に構ってくる 【電子特典付き】 (講談社ラノベ文庫)の感想
ビッチな噂のある音少女と隠者な少年が主人公。その2人が付き合いだす。傷つきやすい少年の心を、 一途な優しい少女の気持ちが、少しずつ少年の心を溶かしていくのが私は嬉しかった。 所々で少女が少年をからかう様子が面白い。 ボーイ・ミーツ・ガール。
読了日:01月27日 著者:弥生志郎
Q.もしかして、異世界を救った英雄さんですか? A.違います、ただのパシリです。【電子特典付き】 (MF文庫J)の感想
陰キャでぼっちな主人公かと思っていたら、まさかの英雄だった。図らずも、異世界の雰囲気を交えた学校生活が始まる。主人公の立場が少しずつ変化していく中で、自分にとって何が大切なのかを主人公が知る。 登場人物のやりとりの面白さの中にも、人や自分のことを思う気持ちの大切さが伝わってきた。
読了日:01月27日 著者:弥生志郎
世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッドの感想
気軽に読んだ本だったが、意外と重く考えさせられた。 やりたいことを探すときに大切なこととして好きなこと得意なこと大事な事を考えているが、意外と得意なことを使っていないと言う所への指摘が多く自分のことも振り返りながら読んだ。 自分の得意な事は普段普通にやって退けていると言うことで自分では気がつきにくいと言うこと。 結局この本を3回以上は読み考えることになった。 著者の熱意が強く自分もしっかりと考える機会となった。
読了日:01月31日 著者:八木 仁平
夏美のホタル (角川文庫)の感想
読書をして涙を流す事はあまりないが、自分のツボにはまったようで涙が出てしまった。温かい人間関係と、 親が子供を思う強い思い、 それは世代を超えて同じものなんだと感じた。「生まれてきてくれてありがとう」今まで、いろんな場面で聞いた言葉ではあったがこの物語の中で本当に心に染みた。また職人の「神は細部に宿る。だから、爪の先ほどでも妥協はするな」この言葉も心に刺さった。忘れないようにしたい。
読了日:02月01日 著者:森沢 明夫
理系出身じいじのホットクックでらくらく離乳食: 【離乳食完了期向け】冷凍保存できる20メニューの感想
美味しい離乳食が簡単にできそうに感じた。 ホットクックに興味があったので読んでみた。じいじが離乳食のメニューを考えたかと思うと、とても温かい気持ちになった。メニュー自体は余分なものを含まず、塩分量を調整し、離乳食にとって最適だと感じた。何より、理系出身の著者の凄いところはExcelでの表計算を作っているところだ。これが1番驚いたのだが、他の料理にも応用できる。私もホットクック検討中だが、レシピ自体がよいので、ホットクックでなくても応用もできるかと感じた。
読了日:02月03日 著者:こうちゃん
ウォーレスの人魚 (角川文庫)の感想
人魚の存在を生物学的な視点からも迫っているので、とても興味深く読み進められた。人魚を理解するという事は、人間の理解の中に人魚を置くということであって、理解できないものであるということを知ることは重要だと感じた。イルカやクジラは言葉をもてなかったのではなくて、持つ必要がなかったと考えると、人間は小さな世界に閉じこもっているようにも感じられた。不思議な感覚のする物語で読み応えがあった。(7h21)
読了日:02月03日 著者:岩井 俊二
RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴の感想
前知識なしで読んだが、ファンタジーの世界が神秘的に感じた。陰陽師や例会等に通じるものがチームになって戦う学園物語。どの作品が元なのかわからないが、他の周りの作品も読んでみたい。
読了日:02月04日 著者:荻原 規子
わたしの幸せな結婚 (富士見L文庫)の感想
痛快な一冊。婚約者となる人が冷たい人だと言うことだったが、そこでの生活の中では、酷い仕打ちを実家で与えられていたので安堵を感じている主人公に幸せになってほしいと思うようになった。異能ではなく、人として向き合ってくれた、素晴らしい婚約者に偶然から出会え、人生が変わっていく主人公がシンデレラのようだった。
読了日:02月05日 著者:顎木 あくみ
神酒クリニックで乾杯を (角川文庫)の感想
人並外れた才能を持った医師たちがチームとなって、どうするのかと思えば、事件を解決していく。推理も面白かった。いろいろなヒントが散りばめられながら、真相へと繋がっていく。こんな秀でた人ばかりのチームがあったら安心できると思うが、それぞれの人物にとって、普通の社会生活は難しいということにも納得。奥行きのあるストーリーだと感じた。
読了日:02月06日 著者:知念 実希人
神さまのいる書店 冬を越えて咲く花 (角川文庫)の感想
本に人格があるまほろ本が存在し、それぞれにドラマがあって、不思議な話に引き込まれた。私は、昔読んだ本をずっと置いていないが、感動した本は覚えている。本は記憶の中に残っている。素晴らしいと思う。2巻とは知らずに読み終えてしまった。あとがきで2冊目と知った。307
読了日:02月07日 著者:三萩 せんや
あなたも保育士試験合格: 社会人がフルタイムで働きながら合格できた話の感想
保育士になりたいと思っている人だけでなくて、保育士に興味のある人にも役立つ本だった。保育士受験に向けてに関わる、いろいろな体験をもとに書かれているので間違いなく役立つと感じた。また、実技試験では緊張するので、事前に、実技試験のイメージを持てることで、試験に集中できる。実技試験の様子は、本当に参考になる。受験をされる方には必読かと感じた。108
読了日:02月08日 著者:FP得子(なりこ)
RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと (角川文庫)の感想
レッドデータガールが続きものとは知らず読み始め、Kindle unlimitedであった6巻を1巻に続き読んだ。話は進んでいるが根底に流れるものは変わっておらず、異世界とつながる才能のある優秀な高校生たちの、それぞれの力が興味深い。物語の中に恋愛的な要素は出てくるが、それをメインにしていないところがこの物語の本筋をぶれさせないところだと感じ、そこにもこの本の魅力を感じる。
読了日:02月10日 著者:荻原 規子
ヘブンメイカー スタープレイヤー (角川文庫)の感想
人間が何でも叶えられるとわかった時に人間の欲望と言うものが醜いものだと感じ、主人公の卑怯さばかりが見え、人間の身勝手さが嫌になった。でも事実を受け止め、新しい人生を歩み出した時、叶えて欲しいと思うことは、人の役に立とうというところへ行き着いた。そこまで行き着くには多くの時間がかかり、また、醜かった部分がなければ、そこへはたどり着けず、人間は経験しなければ学べないと教えられたようだった。これを異世界系のカテゴリーに入れるにはとても深く、とても読み応えがある物語だった。
読了日:02月10日 著者:恒川 光太郎
俺か、俺以外か。 ローランドという生き方の感想
実は、ローランドさんの事は知らなかったが、とても突き抜けた人だと感じた。社会の本質や人間の本質を言語化できると言う資質を持っている人だと感じる。彼が言い当てていることが、多くの人の心にストンと落ちるんだと思った。自分のことが好きだと言っているが、それだけではなく、とても強い人だと感じた。周りの目を気にせずに、自分の思いのまま突き進むパワーすばらしいと思う。114
読了日:02月11日 著者:ROLAND
Q.もしかして、異世界を救った英雄さんですか? 2 A.それは、ずっと昔の話です。 (MF文庫J)の感想
続編と言うことで学園生活が続くのかと思ったが、舞台は日本であるが異世界の話が中心。異世界を救った英雄である訳が、痛みを感じて死ぬがまた生き返る。死んでも何度も生き返っていたと言う事。終わりのない戦いをし続ければなければならないという辛さを知っていたので、異世界には戻りたくなかったと言う事はよくわかった。それを知ると心が痛んだ。それも含めて受け止めてくれる仲間とのつながりの中で主人公が望んでいた青春が実現されていて救われた。415
読了日:02月11日 著者:弥生志郎
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)の感想
内容に深みがあってとても面白かった。穏という今の世の中から隔離されている村での価値観と今の世の中での価値観は異なるが、人の心は違わないと感じた。中で出てくる風わいわいや獣にも同じ心があり、命に関しての価値観は同じであると感じた。人は何か力を持ってしまうと、傲慢なことをしてしまうものなのだろうか。でも、いつかはそれも正されるとで、この物語は終わってくれているところが救いだった。
読了日:02月13日 著者:恒川 光太郎
きみのために青く光る (角川文庫)の感想
青く光ると能力が発動するという不思議な話。ある大学の助教授が研究をしており、本人の心理的な不安などからくる病気だと言うこと。自分が不安に思っている事がクローズアップされてしまうという事は現実にもよくある。人が気にしているものとは、それぞれ全く違うのだった。そして人の不安はその人の心の奥底に眠っていてわからない。これは日常生活の中でもあるように感じた。
読了日:02月14日 著者:似鳥 鶏
秋の牢獄 (角川ホラー文庫)の感想
素晴らしいと感じた。秋の牢獄と言う言葉からはとても抽象的で何の話だろうかと言う思いがあったが、それぞれ3つの話は全く違った視点からではあったが、それぞれの牢獄を感じさせられた。テーマに合った作品を、全く違ったテイストで書けると言うところが素晴らしく、作者の世界観の豊かさを感じられた作品だった。読み心地が心地よかった。秋の牢獄と言う題名から思い浮かぶ短編。236
読了日:02月17日 著者:恒川 光太郎
雪冤 (角川文庫)の感想
死刑制度についての是非が大きなテーマとなっている重い作品ではあったが、そのテンポの良さと謎解きが絡み合って非常に面白かった。被害者遺族の気持ちと加害者遺族の気持ちとその担当弁護士の気持ちは、それぞれ異なるが、遺族同士がいがみあう事はやはり悲しいと感じた。 亡くなった人を思う気持ちをパワーにして、遺族にとっては生きていく源となっている。妙な共通点を感じながらも物語の展開の心地よさがよかった。もし私が遺族になったときに、綺麗事を言っていられるのだろうかと考えさせられた。
読了日:02月18日 著者:大門 剛明
新しい自己紹介 コロナ時代の人脈構築術 (impress QuickBooks)の感想
自己紹介と言うと一般的なのは、会社名や肩書を話すような内容から始まる。しかし、会社で挙げた組織内で挙げた成果や役職などは、仕事以外のコミュニティーへ出たときにそれはあまり関係がないと言うことだ。そんなことよりも、この人とまた会ってみたい、と思われるような自己紹介が必要な時代だと言うことだった。ゆるくつながる時代になってきた今、自己紹介の基本も変わりつつあると感じた。104
読了日:02月22日 著者:高嶋 大介
自分らしく生きてたら、何だか人生うまくいく。 (夢叶創出版)の感想
優等生タイプだった著者が、自分のしたいことをに目を向けて生きていくうちに、人生がうまくいくようになったことを中心に、生き方について語る。 一番心に響いた言葉は、決断と言う言葉の中には、何かやることを決めると言う意味もあるが、やらないことを決めると言う意味もあるとのことで、諦めるということは、何かを手放すことで、とても楽にな李、何よりも新しいことが入ってくる。
読了日:02月22日 著者:田山 夢人
光と影の誘惑の感想
短編の推理小説。共通点は、日常生活の中で知らなければ済んでしまうことを、知ってしまったがために、その人生が大きく変わってしまうストーリーだった。 「知らぬが仏」という言葉は、本当によく言ったもので、たまたま偶然、頭をよぎった事がきっかけとなって、人生の大きな分かれ目となる。真実や本音が幸せなのか、それに目をつむ目をつむって、生きていることが幸せだったのだろうか。心のもやもやとした感じが残る作品たちばかりだった。502
読了日:02月22日 著者:貫井 徳郎
忘れ雪 (角川文庫)の感想
小学生と高校生の長い純愛物語。まったくそのことを覚えていない高校生だった青年に対して思い出してもらうための奔走する場が、難しい。少女にとっては、今の自分を受け入れてもらうことだけでは何の意味もなく、小学生の時の自分も高校生であった主人公が体験したことを思い出してもらうこと自体に意味があった。思い出してもらえない寂しさがあった。子供の辛かった時、助けてもらった事というのは、大人のそれとは、まったく比べ物にならない位の力を持っているようだ。その思い出を支えに生きてきた少女心の強さを感じた。917
読了日:02月22日 著者:新堂 冬樹
もっとフリマアプリを楽しむ方法: メルカリは知っている。ラクマ・PayPayフリマってどうなの? (大隈文庫)の感想
あまりフリマアプリを利用したことがありませんでした。使用感のあるものなどをフリマアプリで出品することには、クレームが来たらどうしようと言う不安から、とても抵抗がありました。壊れて動かなくなったiPhoneや毎日使っていたオーブントースターなど売れた具体的な例を見て、それなりのニーズがあることに、驚きフリマアプリの利用方法が広がったように感じています。毎日YouTubeを配信されている著者とのことで、最新の情報も充実していてフリマアプリの全体像がわかる一冊となっていました。
読了日:02月22日 著者:中野 有紀子
仕事ができる人は「声」が違う!の感想
聞き取りやすい声と言うものがあるが、最終的には相手に合わすこと相手のテンポに合わせる声の音の高さを相手に合わせると言うことが大切になる。また、録音して聞いてみることや新聞を音読することなどで自分の声を客観的に判断することも有効とのことだった。電話の声は難しくワントーンを上げることや、憧れる人をまねる、喉のケアをすること、滑舌を良くするための早口言葉やレッスン方法なども示されていた。知っていることも多かったが、コミュニケーション上での声を意識するいい機会となった。
読了日:02月26日 著者:牛窪 万里子
笹の舟で海をわたるの感想
昭和の時代をひもといていくような物語だった。疎開であったいじめも、許されることではないが、その時代背景や子どもたちの心境を考えると、やはり仕方がなかったことと言う言葉は使わざるを得ないんだろうか。あの疎開先でいじめられた小さな子どもは、自分の人生に復讐をしたかった。好きなように生きられなかった小さい子どもにとって、自分の人生を自分の好きに生きると言うことが人生の復讐となった。 それと対象的に、主人公は自分の価値観を信じ、変わることへの拒否感を持ち、自分を正当化する人生を送っているように感じた。
読了日:02月27日 著者:角田 光代
アマテラスの暗号 〈歴史ミステリー小説〉の感想
とても長い話だった。内容が史実にもとづいているためか、とても難解な部分が多かったが、Kindleを読み上げて聞いているため、活字を読むよりもわかりやすかった。いろいろな根拠や出典が示されているために、ストーリーに真実味があり非常に面白く感じた。日本の神道と言うものはどこから来たのかと考えると、本当にどこのものだろうかと今は思ってしまう。そんなことも踏まえた日本人であると言うこと。単一民族と言うキーワードもどこか納得できるものがあった。歴史に対して日本の歴史に対して、興味を持つことがができた本だった。
読了日:02月27日 著者:伊勢谷 武
《増補改訂版2020》本好きのためのAmazon Kindle 読書術: 電子書籍の特性を活かして可処分時間を増やそう!の感想
Kindleの便利な利用方法を多く紹介している。いろいろ便利な方法はあったが、1番驚いた事はハイライトしそれをアウトプットすることができると言うことであった。ハイライトをつけた部分をTwitterなどでつぶやくことができる。今まで利用していたが全く気づかなかった。 また音声活用の方法としてスマートフォンの読み上げ機能やアマゾンファイアなどのタブレットによるアレクサの読み上げ等も詳しく書かれている。Kindle本を読んでいる人必読。知らない機能がたくさんあると思う。
読了日:03月01日 著者:和田稔
幸福な遊戯 (角川文庫)の感想
短編小説三篇だった。共通するテーマは家族を求める心だと感じた。家族に対し憧れを持つ主人公それぞれが自分の憧れる家族を夢見ている。そして憧れが大きいあまりに周りの人をコントロールしようとしてしまう。家族はどうしても自分1人では作れないもの。その家族ごっこの相手が必要になる。自分が子供の頃に育った家族というのが普通かどうかはわからないが、誰もが家族に対して報われなかった想いをどこか持っているだろうと感じた。
読了日:03月03日 著者:角田 光代
習慣が10割の感想
1番印象的だったのは、言葉を変換することで不快を入れ替えると言うことだった。例えばケーキを不快なケーキを「脂肪の塊」とすることで「今からケーキを食べる」と言う言葉を「今から脂肪の塊を食べる」と置き換えてみる。そうするだけで食べる気がなくなってしまう。実感した。脳の構造をうまく利用ししている。そういったことで習慣を変えていくと言う方法もある。言葉を変えていけば脳は素直に騙されてくれるというところが興味深かった。
読了日:03月03日 著者:吉井 雅之
Think Simple アップルを生みだす熱狂的哲学の感想
スティーブ・ジョブズの考え方をまとめた本。マーケティングの話が中心だが、それ以外も考え方として、何にでも応用ができる内容。シンプルに考えると言うことは、自分が何をするべきかと言うことを、しっかりと理解していると言うこと。複雑な目の前の関係に惑わされずに、本質を見抜いていると言うこと。自分がどんな理由で、何をすべきかと言う心構えがわかっている。シンプルさは概念物の見方である。シンプルにしておく事は、懸命に努力して思考を明瞭にしておかなければいけないことがよくわかった。
読了日:03月04日 著者:ケン・シーガル
ゴルディアスの結び目 (角川文庫)の感想
私にとって空想することが難しい分、非常に分かりにくい内容だった。主に精神世界と宇宙とがテーマのストーリーだだが、残念ながら、精神世界のイメージ、宇宙のイメージが乏しい私にとってそこを膨らませることができなかったと感じた。445
読了日:03月04日 著者:小松 左京
最後の晩ごはん 師匠と弟子のオムライス (角川文庫)の感想
思わぬ突然の死に、死にきれなく思い残すことがあった師匠が幽霊幽霊となってぼんやりと存在した。自分の店を閉店させ常連さんにお礼を言いたかった思いと、弟子の独り立ちを見送りたかったと言う師匠の強い思いがあった。師匠と弟子と孫で嫉妬の温かい物語だった。307
読了日:03月04日 著者:椹野 道流
ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)の感想
小学生から成人女性になるまでの話。小学生女子の嫌な感じをうまく出していて驚いた。読み終わって思ったことは、隼子の精神年齢について。14歳の頃から、もっと前の小学生の頃から、精神的に自立していた、それが寂しく感じられたが、とても格好良かった。 人の恋心や嫉妬心のいやらしさを真正面から表現してる、恋愛小説だと思う。723
読了日:03月06日 著者:姫野 カオルコ
さよなら私 (角川文庫)の感想
初めて、みうらじゅんさんの本を読んだ。その発想がどこから出てくるのだろうか?と新鮮で面白かった。アルものと、全く違うものを掛け合わせるような発想で、例えようのないみうらじゅんの世界へと引き摺り込まれる感じ。私も少しは頭が柔らかくなったと思っていたが、もっともっと、頭が柔らかくて、しなやかなんだろうな、と感じた。
読了日:03月06日 著者:みうら じゅん
夜市 (角川ホラー文庫)の感想
短編2作品が入っていた。両作品とも不思議な世界へ迷い込むが、そこには共通して、愛する人の生の思いが共通していた。愛する相手が生き返るために、自分は何ができるのか。何ができないのか。切ない思いがありました。恒川光太郎さんらしい、いい感じの作品でした。230
読了日:03月06日 著者:恒川 光太郎
超ネット社会の成功術の感想
超ネット社会でもやっぱり臨場感は大切で、VRがいくら進化しても、人間の脳の中に作り上げられる臨場感には追いつけない部分がある。いつも引き合いに出される例えだが、電車の中で読書をしている少女が流す涙には勝てない。活字を読んでいるだけであるが、脳の中ではその状況が臨場感を持って体験できていて、少女が涙を流すまでになると。どんな時代になっても、臨場感って人を動かす原動力なんだと感じた。217
読了日:03月06日 著者:苫米地英人
外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニックの感想
とても良かった。山口周さんの本はいつも、わかりやすくなるほどと納得できる。スライドを見ていて、わかりにくいものの特徴が理解でき、自分がシンプルに情報を伝えることをやっていきたいと感じた。テクニックとして知っておくことは大きいと思った。正確に簡潔に伝えることの基本を粘り強くやっていきたいと思いました。スライド作成技術は後転的につけられる力だと言うこと。204
読了日:03月06日 著者:山口 周
その悩み、哲学者がすでに答えを出していますの感想
昔の人、哲学者はもう人間について考え尽くしているだと感じた。時代は変わっても、その本質は誰かはすでに考えたことなんだと言うことがよくわかった。私は「家族が憎い」がなかなか響いた。まったく同じ話ではないが、根本は同じで結果もわかっていることになる。読み終わって思ったことは、答えがわかってもそれが自分の心の中に落ちるのかどうかと言うところが問題なんだと。いい勉強になった。
読了日:03月06日 著者:小林昌平
アラジンの感想
サクッとしていて面白かった。お互いの手の込んだ騙し合いにドキドキしながらも、正義が勝つようなところが気持ちよかった。614
読了日:03月06日 著者:小倉銀時
不協和音 京都、刑事と検事の事件手帳 (PHP文芸文庫)の感想
警察官の兄と検事の弟の物語。自白に対する考え方に若干の違いがある。推理小説だが、表面的な推理ではなくすべてもう一段深いところでの推理が必要になる構造。その答えを導き方は2人とも異なるが、弟の方がいつも少し先が見えている。実の父親の無実をどこかで信じている弟の姿が最後に回間見れたような気がし、2人が本当にいいコンビだと感じた。
読了日:03月06日 著者:大門 剛明
罪火 (角川文庫)の感想
犯罪者と犯罪被害者等、そして犯罪被害者と加害者を結ぶ立場の仲介者のメディエーター。それぞれの立場の人間が、立場を入れ替えながら、共有しながら登場しているところがに、どういった気持ちなのかを推し量ろうとすると、頭がついていかなかった。犯罪者が本当に構成しているかどうか、謝罪しているかどうか、なんて本当に誰にもわからないと感じた。物語の中での言葉の使い方が上手く、最後のネタばらしで納得できた。
読了日:03月07日 著者:大門 剛明
メンタルの強化書の感想
気持ちよく仕事ができるためにはどうすればいいのかと言うところに答えがあり、いかに合わない上司であったとしても組織の中での上司は後ろ盾がついているものには叶いませんですのでそこでどううまくやっていくかと言うところしなやかに生きていく技だと言うことでした。 全体を通してメンタルを強くするためのお話ではありながら、人間として何を大切にして生きていくかと言うとても大切なことを教えてもらえました。
読了日:03月07日 著者:佐藤優
マイ・ハウスの感想
自分の城を持ちたいと思うのが、女の夢かなと思った。男の人が名義人になることが多いが、実際に家にいる時間が長いのは、主婦の方である。女性の中での、実質的に自分の家の占める割合の大きさは男性よりも大きいのかも知れないと感じられた。登場人物、それぞれの家に対する思い、立派な家があれば、きっと家族が良くなると言う思いは、どこかわかるような気がした。
読了日:03月12日 著者:小倉銀時
いつも旅のなか (角川文庫)の感想
小説の続きで、この本へたどり着いた。小説のイメージとは180度違った角田さんのキャラクターが、滲み出た文章。とても面白かった。今まで、エッセイを読んでこなかったこと、残念に思った。心がつかまれた。角田さんの文章の面白さ、その発想や比喩、表現が興味深く、情景が目に浮かぶ。そして、ふっと笑えるような。とても気にいった。あのジメジメした内容の作家さんは、こんなにもあっけらかんとした人間性なんだ…と言う驚きと、尊敬。魅力的で大ファンになった。
読了日:03月13日 著者:角田 光代
嘘の感想
色々な嘘を想像をしながら読んだ。親子はどうしても意地を張ってしまい、どんどん凝り固まっていくところ理解できた。許せない思いを、第三者を交えながら偏った視点なく見てみると、普通に見えたり。父親が認知症であったことも、少し距離を置いて考えられる環境になったかも知れないと感じた。また、父親が仏を掘っていると言うこと自体が意味するもの。許して欲しいと言う気持ちと人を許して、自分も許したいという思いだったんだろう。認知症になって、まだ掘り続けた、その仏の多さに、許しへの思いの深さを感じた。
読了日:03月13日 著者:北國浩二
麻酔の感想
学生時代は渡辺淳一さんの本をよく読んでいたので、懐かしく選んだ。医学のお話が面白かった記憶が残っている。部分麻酔での手術だったはずが、脳にまで麻酔が回ってしまった話。医療過誤の疑いがある中、主治医の本心がどこにあるのか、本当は真実はどうなのか。考え方によって見え方が変わってくるところに面白さがある。結局、どんなに科学が進んでも、ふとした些細な人間の不注意から事故が起こることがなくならない。最終的に機械を操る判断をするのは人間で、その医師の慣れすぎた自分を責めている姿勢から、そうでなければならないと感じた。
読了日:03月13日 著者:渡辺淳一
リバース (PHP文芸文庫)の感想
主人公が殺人事件を匂わすヒントのような、超常現象を見るところから始まる。主人公自体の以前の怪我から、もしかしたら認知にも、歪みがあるのではないかという疑いと、犯人だと思っている思い込んでいる人物への疑いと、動機がわからないこと。周りの人が怪しく見えてしまう状況。終始誰が犯人だろうか、とすべての人を疑える要素が、ちりばめられていて、その不安定な感じが、なんとも心地悪く面白かった。
読了日:03月13日 著者:北國 浩二
見仏記 (角川文庫)の感想
いとうさんが30代の頃に「見仏記」が出版されている。今まで仏を見る機会もなく、この本を読んだが、この2人の仏を見る視点に衝撃を受けた。どういう思いで見てもいいのだが、一見ふざけたように見えながら、どこまでも真面目に見仏していて、面白い。仏を見る時に、昔の歴史だけをなぞり、納得するのが、たぶん一般的であるが、今の時代と結びつけて身近に感じることですんなりとイメージできた。ちょっとふざけているように見えるが、あくまでも真剣に仏に向き合う姿に、すごく昔から、こんな面白い本があったんだ…と感じた。
読了日:03月14日 著者:いとう せいこう,みうら じゅん
見仏記2 仏友篇 (角川文庫)の感想
あまりにも面白くて2冊目。いとうさんの思考とみうらさんの思考は、若干の違いを持ちながらも、その理論をぶつけて、お互いを理解し合いながら納得する。見仏記よりも、各地に仏が渡来した当時を思い浮かべ、その土地の文化的な内容に触れながら、2人の推測(妄想)がすすめられる。面白くて、内容がとても興味深い。いつも今の時代だったらと言うような例えがあるが、それは面白く思えて、ちょっと不謹慎のように感じるところもあるが、実際、その当時はそう言うものも含めてみんな仏のファンだったように感じられるようになってきた。
読了日:03月14日 著者:いとう せいこう,みうら じゅん
月の裏に望むの感想
一つ一つの話が短編なのかと思って読んでいたら、少しずつ、つながりのある人物の話だった。少しずつリンクしながら、違った視点でストーリーを見る。考えている事は口に出さないとやはり伝わっていないんだなぁと思う。人は全て知ることが必ずしも幸せでないし、自分が行きたい方向へ行ったけれど、それが結果的に違うような気がする場合もあるだろうが、自分がどうしたいかと言うところをはっきりと持つこと持つ大切さ、その先にしか、自分の幸せはないと感じた。幸せに思う事を大人が察する事は、なかなか難しいものかと感じた。
読了日:03月16日 著者:ことわ荒太
レアケース (PHP文芸文庫)の感想
生活保護受給について、甘えと支援についての違いにを考えさせられた。ねずみ小僧のしていることは善か悪か。不正な生活保護費が受給されていることや貧困ビジネス、本当に困っている人にお金がいかずに、悪い人が儲けてしまっている現状をみると、どこで制度が歪んできたのだろうかと考えさせられた。ここに出てくる後継者のねずみ小僧は、現金を支給するのではなく、その人に足りていない物品を配っている。では、制度もお金でなく物品にすれば良いのだろうか。
読了日:03月16日 著者:大門 剛明
いつか、虹の向こうへ (角川文庫)の感想
私にとってすべてのバランスが心地良い作品だった。推理小説であってストーリーが良く少しダークな部分もあり最後には報われるような、そして登場人物たちはそれぞれの闇を抱えている。良い読み心地が良かった。登場人物は、人とのつながりを求めていて、現代の社会では、利害関係が存在する人間関係が、ほとんどだが、人はどこかでそういうことが全く関係のない、無償の愛を与えたい、差し出したいと思っている部分があるような気がした。それはある意味、自己満足かもしれないが、相手も同じ感覚だったときに奇跡的に良い関係が生まれると感じた。
読了日:03月16日 著者:伊岡 瞬
さいはての彼女 (角川文庫)の感想
その土地が教えてくれることと、出会った人がかけてくれる言葉、その両方が相乗効果となって人の心に響いている。 そういえば、自分もそういった経験がある。 旅に出て些細な事に心を動かされると言うことは、日常生活では、心の隙間がないと言うことなんだろうか。知らない人からの言葉が温かく心に染みいると言うことは、日ごろの生活ではしがらみが多くてそちらにばかり気がいっているのだろうかと少し寂しくなった。私も遠くに旅に行きたい気持ちがした。
読了日:03月23日 著者:原田 マハ
代償 (角川文庫)の感想
この「嫌ミス」と言うカテゴリーは、なかなか人の心に響くというか、えぐられるような感じで心の中にぐっと入っててくる。また、それを心地よいとは感じてはいないが、心を揺さぶられる感じが心地よく?やはり、読書で心を動かされる感覚というのは、読書の中での真骨頂で、読者が求めているものだと感じた。この作品で言うと、達也の小学生でありながら、そこまでの世渡り術、大人の弱みを把握しそれを手のひらで転がすような行動や、振る舞いをできてしまうところが、彼の中での生育歴から来るものだと思うと、少し寂しいものを感じた。
読了日:03月23日 著者:伊岡 瞬
ボーイミーツガールの極端なものの感想
恋についての短編だけど、それぞれが少しずつ絡んでいる。 こういった短編が、初めてだったので、前半を読み終える頃に、なんとなくの全体像が見えて、それぞれの共通点が見えてきた。共通点は、その人の想い、恋。 年齢、性別関係なく、人に対する想い、その人を大切に想うということが中心。その対象は人でないかもしれない、と言う。大切に思うこと、それを描いている。 読み終わったときに、うっすらと共感できる部分があった。
読了日:03月23日 著者:山崎ナオコーラ
仕事が速い人はどんなメールを書いているのかの感想
本当にためになった。仕事が速い人は確実にメールの返信が速い。それは実感している。優先順位をつける前に取り掛かっているというところも理解できた。見やすく、わかりやすくということが、伝達手段として一番重要なことだと感じた。しばらく手元に置いておきたい。
読了日:03月23日 著者:平野友朗
死んだら生きれない: 50円玉2つからの波瀾万丈復活逆転人生劇場!の感想
Twitterでたまたま流れてきて、ふと読む。同じ感覚を持っている部分があり、とても共感。親に対しての感覚が同じだった。具体的な環境は違うが、結局小さい頃から「かわいそうなお話」が好き、そこに、両親のせい、と都合よく利用しての「かわいそう劇場」。私の痛いところをグッと突かれた。 アルバム見たくないところも、両親への怒りがあるのに小さい頃の私が楽しそうに笑っていると、見たくない。自分がかわいそうじゃなくなるから。あまりにも言い当てられすぎて…。表現もうまくて面白かった。
読了日:09月02日 著者:幸坂ゆうあ
結婚願望 (角川文庫)の感想
山本文緒さんの小説は何冊か読んだことがあったが初めてエッセイを読んだ。面白い。若い人が読んでどう感じるのかはわからないが、飾らない赤裸々な結婚への思いというより、結婚という仕組みへの思いかなと。 結婚が女性へもたらす思いを中心に、いろいろな視点から突き詰められている。私は結婚しているがそこまで結婚って深く考えてなかったし、結婚が失敗だったと言うことではないが、なんとなく世間に流されているところもあるな、と感じた。 結婚から友人、知人、男友達、ボーイフレンドの関係を整理して見ることができた気がする。
読了日:09月20日 著者:山本 文緒
メゾン・ド・ポリス 退職刑事のシェアハウス (角川文庫)の感想
退職した刑事のすぐシェアハウスのお話。 そこで新米刑事がアドバイスをもらい一緒に事件を解決していく。爽やかで軽い感触の推理?小説。続編がたくさんあるようで、シェアハウスのメンバー、一人一人のキャラクターがこれからますます面白くなるのかな、と思った。安心して読める推理小説。
読了日:09月22日 著者:加藤 実秋
「一人で生きる」が当たり前になる社会の感想
SNSでの「友達が多い人が勝ち」のような風潮があるなか孤独を感じている人もいる、それは本質的なジャッジをする軸がないからだと。自分が充実しているのかどうかが、わからない人が寂しくなると言うこと。なんかよくわかると思った。一番衝撃的だったのは「男性は恋愛」「女性は仕事」が自己肯定感を上げる判断基準になっていると言うところだった。その他、色々な切り口でのソロ社会のお話、面白かった。
読了日:09月23日 著者:荒川和久,中野信子
反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」の感想
何の気なしに読み始めた本だったけれど、すごく奥深い本。 ブッダの考え方を原始仏教に学ぶ、ということだが、とても噛み砕いて書かれているので、現代人の悩みにもピタッ合うようになっていた。まず自分に満たされない思いがある未解決の問題があること自覚する。そして自分の心を正しく理解する、これが、簡単そうで、なかなか難しい。ブッダの教えは「反応する前に理解せよ」ということ。私は、まだまだ起こったできごとに反応してしまう。一応理解するけれど、その前に反応してモヤモヤしたまま理解したフリみたいになっているな…と感じた。
読了日:09月23日 著者:草薙龍瞬
夫の嘘: 信じてくれ 俺浮気してるの感想
夫は嘘をつく。そこにはすごく同意できた。本当にどっちなんだろう?男の人はかまって欲しい生き物なんだろうか?と思った。でも、やっぱり甘えてる…。面白い内容だったけれど、実際、自分がこの主婦の立場だったら残念ながら同じように、面倒だなとしか思わないだろう。日常生活での、夫と妻のちょっとあるあるな内容を、もう少し読んでみたかったと言う思い。短編だからちょっと寂しかった。
読了日:09月23日 著者:石井和子
インディペンデンス・デイの感想
女性の独立について、境遇や人間関係がそれぞれ異なった、いろいろな視点からの短編集です。原田さんの作品は2冊目かなと思いますが、とても心にグッとくる感じ、突き刺さる感じがスゴい。作品のすべてがそうではないが、私にグッとくるものでは、本当に読み手の心を動かす表現のうまさに圧倒された。これが才能って言うのかな。さりげなくピンポイントで突かれる感じがとても心地よかった。テーマは違うけれど「人の心の温かさ」が共通している。疎遠になりがちな現代社会の中でも、人の温かさを感じさせてもらえた作品。
読了日:09月23日 著者:原田マハ
声のサイエンス―あの人の声は、なぜ心を揺さぶるのか (NHK出版新書 548)の感想
声はその人自身を表現する。講演会やイベントの司会者に違和感を感じることがある。内容は知れているのに、そう感じてしまうことあるな、と感じた。本物の声が持つ真実性、声に真実性があれば心を開かざるを得ない、いくらできる人みたいな声を出しても、そこには真実性とかけ離れていたら、聴き手の心に届かないと言うこと。感覚的に理解できるように思った。 現代では、政治家や歌手がキャラクターとして声を活用しているけれど、確かに内容がしっかりとしていれば、最終的には、声が大きな分岐点になってくるんだろうと感じた。
読了日:09月23日 著者:山﨑 広子
株式会社タイムカプセル社 十年前からやってきた使者の感想
人生をしっかりと正面から見ることって、日常生活の中では流されてしまい、いつの間にか避けていたり、仕方なかったと思い込もうとしていたりで、自分にちょっと嘘をついていること、私も思い当たるような気がした。純粋だった頃の自分からの手紙を大人の自分が受け取ること。周りの誰かにアドバイスされるよりも一番心に響いたり、とても心に突き刺さって辛く感じたりするが、自分からのメッセージはそれぞれの心の奥に染み込んでいくと感じた。
読了日:09月25日 著者:喜多川泰
人生を変えるサウナ術 なぜ、一流の経営者はサウナに行くのか?の感想
私はすぐのぼせてしまうのでとても興味深くこの本を読み、サウナの魅力とサウナへの愛が伝わってきた。魅力的で経験したい。そして何より水風呂に入りその後外気浴をして副交感神経が高まる体験「整える」をぜひやってみたいと感じた。テレビで、昔、サウナで気持ちよさそうなおじさんを見て「きっと気持ちがいいんだろうな」と思ってはいたが、この本を読んで理解できた。
読了日:09月25日 著者:
わが家 (竹書房文庫)の感想
母、妹、父それぞれが家族を思気持ちを感じた。少年の頃に捨てられた思いが消化されていない主人公が、成人になり、父を前に乗り越えていく様子があった。人は乗り越えられていないものがあると、そこに留まっていて、そこから進めないように感じた。「あとがき」から知ったがこの本はドラマから始まっているということだと。普通の小説だと思って読んでいたので、小説ができるきっかけってそういう方面からもあるんだと驚いた。
読了日:09月25日 著者:井沢満
護られなかった者たちへの感想
この小説を読んで、社会的弱者を救うこととその弱者を決める線引きをすることが隣り合わせとなっていることを実感した。また、国の生活保護受給者への予算が変われば、現実問題、切り捨てなければならない部分も出てくるということ。 この本では生活保護を中心に置き立場や見る角度によってそれぞれの思いが全く異なってしまうというところと、国や地方のために働き税金をもらう同じ公務員であっても、それぞれの立場が違うと、当たり前だが、良いとされることは全く異なり、簡単には、ひとくくりにはできないところも印象的があった。
読了日:09月25日 著者:中山 七里
教室に雨は降らない (角川文庫)の感想
全体は軽いタッチのものでしたが、教員の事情ではブラックな一面も知ることができた。子どもたちの抱えている問題の重さや、学校も一つの組織であるということ、保護者を含めて少し寂しい社会にいつの間にかなっていたことに気づいた。私も含めて大人は、小学生は子どもだと思っているが、大人を思っているよりも大人びたことを考えるところもある。そういった子どもとの駆け引きややり取りが新鮮ながら、今までなかった感じの小説だった。
読了日:09月25日 著者:伊岡 瞬
総理にされた男の感想
政治の中枢の話が、主人公を通してとてもわかりやすく入ってきた。あまり政治に詳しくない私にとって、被災地復興や与党と野党ととのやり取りがとても面白かった。国民の幸せを思って初めは政治家を目指した人たちが、いつの間にか職業として政治家をやっている日常に影武者の主人公が入り、子どものような理想を掲げていく。それが、とても新鮮で周りの政治家やひいては国民を動かしていくのだが、とても爽快だった。現実では、そういったことがないと思っている自分がいるのも寂しいことだと感じた。
読了日:09月26日 著者:中山 七里
僕が殺しました×7の感想
自己嫌悪と言うものはたくさんの人を不幸にすると感じた。 「自分が嫌いだ」と言う気持ち、日常生活ではさほど大きなことではなく自己肯定感が低い位にしか捉えられない。そして、それが周りの人に嫌な思いを多かれ少なかれ与えていると言うのはどこか思い当たる気がする。ありがちな「あなたのためを思って」と言う考え方と、謙遜?みたいな捉え方… それを誇大化していくと、この小説のようになると感じた。 人の思いの滑稽に思えるところ、日常生活の中でもどこか見たことがあるような光景のような気がして面白かった。
読了日:10月02日 著者:二宮敦人
みんなが書き手になる時代の あたらしい文章入門 (スマート新書)の感想
まず、文章の目的は「読者を動かすこと」というところで、当たり前のことだけど忘れていたように感じた。なるほど…。あと印象的だったのは、ただひとりの読者を喜ばせるように書く、なければかつての自分に向けて書けばいい…これも響いた。少し意識して書いてみようと思った。
読了日:10月02日 著者:古賀 史健
刑事に向かない女 違反捜査 (角川文庫)の感想
刑事に魅力を感じていない、若い女性刑事の話。 事件に向かい合いながら、幼い頃に失くした記憶も蘇りつつ、真相へと迫っていく。叔母の毎日の占いもなかなか意味深で面白かった。事件の真相と自分の過去がクロスすることをどこかで感じながら、主人公の、違和感からくる勘が冴えていくあたりは、どんどん進んでストーリの中に入り込めた。久しぶりにオーソドックスな小説を読んだ気がした。
読了日:10月02日 著者:山邑 圭
白衣の嘘 (角川文庫)の感想
医師と警察とは近い存在なんだなと感じながら、展開がとても興味深かった。表面的に大造りな小説ではないけれど、繊細な人の心の動きをそのままに表現している中で色々な出来事が起こっていく様子や、その仕組まれた?背景に惹きつけられた。人の心にある罪悪感って、表面的には見えないけれど、いつまでも重く残っている。誰にでもありそうな感覚が面白かった。
読了日:10月02日 著者:長岡 弘樹
予断捜査 (文芸社文庫)の感想
表面的にはとても幸せそうな家族の裏側。読み終わって、人の成長に必要なものは、やっぱり愛情なのかな、と感じた。 親の愛情を受けられなかった子どもと、罪悪感を持った元親の歪んだ愛情と、とても深いテーマだなと感じた。面白かった。
読了日:10月02日 著者:麻野 涼
養老孟司の人生論の感想
面白かった。こういう風に物ごとを捉えているのか…という驚きが多かった。両極を考えて初めて中庸が成り立つ、両極を見切れば中央がわかる、当たり前のことが本質的なこと…この辺りが私には響いた。養老先生が、世間と自分との折り合いの中で色々と考えを巡らさせているところ、とても意外な感じがした。物ごとを深く考えることの一端を見ることができた。
読了日:10月03日 著者:養老 孟司
パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか (PHP新書)の感想
少し難しいかなと思って読み始めたが、具体的な事例や様子がたくさん記されてい他ので、パーソナリティ障害が身近に感じられた。言葉にすると、そういえばそういう人見たことがある…と思ことがいくつかあった。すごく遠い話でもない、というところが意外だった。また、親の影響の大きさを感じた。それぞれのパーソナリティ障害は、一つ一つ異なるのだけれど、子どもの頃の体験や、傷つきが大きく影響しているとも感じた。最後にDSMーⅣに準拠した「パーソナリティ自己診断シート」が付録としてついていて具体的な行動と診断との様子が見える。
読了日:10月10日 著者:岡田 尊司
また、同じ夢を見ていた (双葉文庫)の感想
初めこそ子ども視点からのストーリー展開に違和感を持ったが、傷つきやすかった子どもの頃の気持ちを、新鮮に思い出した。子どもの頃のまっすぐな心に涙が出た。ウソがなく、わかって欲しいと思う気持ち。あの頃は、心が動くことが、日常的だった気がする。私にとっては、懐かしい雰囲気を持った本だった。
読了日:10月10日 著者:住野 よる
「51歳の左遷」からすべては始まった 大逆転のリーダーシップ論 PHP新書の感想
私が51歳なので興味があって読み始めた。だから初めはサラリーマンの本と思って読んでいた。「ああ、チェアマンの」サッカーだけをやってこられたわけでないところに驚いた。企業で体育会系が強い、と私たちの時代にはよく言われたが結果を出すことを第一優先にやってきた人の強さを感じた。何を優先して仕事をしているのか、例年通りではなく助言を理論的に取り入れる、本質的に大事なことだと感じている。 目標を達成したいのか、いいひとに思われたいのか、自分が何をしたいのかを考える。本当に、今の私にたくさん響いた言葉があった。
読了日:10月10日 著者:川淵 三郎
<自己愛>と<依存>の精神分析 コフート心理学入門 (PHP新書)の感想
ちょうど、心理学の勉強をしていたので面白かった。コフートは聞いたことのない名前だったが著者の言うとおり、日本人にはしっくりとくる考え方だと感じた。そして、自己愛についても具体的な表現がたくさんあるので、とてもわかりやすかった。内容に興味が湧いて、2回、3回と読んだ。精神分析という言葉は聞いて知っているつもりだったが、その言葉の意味を納得できる本だった。
読了日:10月10日 著者:和田 秀樹
はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」の感想
フィードバックとは、耳の痛いことを含めて、部下の仕事の様子・状況をしっかりと伝え、彼らの成長を立て直すこと。部下にとってとても有用なことだと感じますが、なかなか伝えにくく感じてしまうことが多い。覚えておこうと思ったところは、「面談の目的を最初にストレートに述べてしまう」「鏡のように伝える」起きている事実を起きている通りにということ。上司と部下であっても、最終的には人間関係が大切。それを保ちながらも、私が響いた部分は活用していきたいと思った。
読了日:10月10日 著者:中原 淳
神様の定食屋 (双葉文庫)の感想
この世に思いを残した人に身体を貸す、フュージョンし料理を振る舞うこと通してやり残したことをする。やっぱり、口に出して伝えないと伝わらないんだな、という思いが強くなった。人が死ぬ時、ほとんどが急に亡くなったり、闘病中だと言っていなかったり、わかっていても恥ずかしかったり。後悔のないように、大切なことを伝えたいと感じた。
読了日:10月10日 著者:中村颯希
美容常識の9割はウソの感想
「肌の奥まで染み込む」ってすごく魅力的な言葉でしたが、化粧品では肌の奥までは染み込まない、染み込ませてはいけない…とのこと。まぁ、全部本当だとは思っていなかったんですが、気休めというか、なんというか、歳に逆らうことは、そんなに簡単なことではないと。大きくは騙されないように、しっかりと勉強しないと、効果がないだけならまだいいけれど、肌に悪いことを何年も何年もしていた…なんてなると悔やんでも悔やみきれないので、気をつけたいと思った。
読了日:10月10日 著者:落合 博子
望遠ニッポン見聞録 (幻冬舎文庫)の感想
海外で生活されている日本人目線から、日本がどう思われているのか、日本の良いところや世界の面白いところを、知ることができた。もう、海外に行くこともないし…と思っていたけれど、行くとか行かないとかではなく、そんな世界があるということを知ることで、私の世界が広がった。海外の歳をとった女性が、装いに依存しないシンプルな美しさを演出しているというところ、その人から出るオーラ、わかるけれど難しいな、でも、とても憧れた。
読了日:10月10日 著者:ヤマザキマリ
准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき (角川文庫)の感想
民俗学をベースにした推理小説。登場人物のそれぞれ性格も細かく描かれていて面白かった。幼少期の不思議な体験から、不思議な力を持ってしまったことから、不思議な世界へと近づくことになる。得意な能力でありながら、人と違うことの生きにくさをもつという点では、現代でもそのような人もいるように感じた。自分の由来を知りたいと思う気持ちを強く持っている高槻先生と、これから色々な奇怪な事件を調査していくのかと思うと、この先がまた楽しみ。
読了日:10月10日 著者:澤村 御影
みっともない女 PHP新書の感想
50過ぎの私にとっては、耳の痛い話だった。もし、若い女性がこの本を読んで、時代が違うと言っても、それはそれとしてアリだと思うが、50過ぎでは、この本に書かれたみっともなさがあるようでは、ダメかなと感じました。女としてというだけでなく、人として、というところも含めて、相手のことを考えてきちんとすることが大切だと感じた。
読了日:10月11日 著者:川北 義則
准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る (角川文庫)の感想
読んでいて楽しいと思った。いろいろな推理小説ってあるが、民俗学をベースにし、時代も色々あって奥深くなるなぁ、と感じた。私たちが日常感じる不思議な出来事の中にも、本当のこととそうでないことがあるんだろうなと思いながら、楽しく読めた。
読了日:10月11日 著者:澤村 御影
憧れの作家は人間じゃありませんでした (角川文庫)の感想
気軽に読めるミステリーだった。作家が人間ではないと言う設定にはちょっと驚きだったが、登場する座敷童や等々の妖怪(って言うのかな)は、現れるにはそれだけの意味がある…と言うところも感じられた。そして吸血鬼も自分が死なないことへの孤独感や生きている意味(死んでいるんだけど)を考えると、なかなか不快な…と感じた。終わりがないって、すごく不安というか、私たちのような人生の目的がなくなるなぁと思った。
読了日:10月17日 著者:澤村 御影
プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる (幻冬舎単行本)の感想
インターネットとの関係が世代によって異なるために、感じ方やネットとの距離感が違う。アウトサイド・インとインサイド・アウト、生きていく上で必須ではないけれど、より人生を豊かにしてくれるものに人は魅力を感じるようになってきていると言うところや心(Why)哲学が人の心に伝わる、だから、主体を観客にしないこと、自分は何のためにするのか、と言うことを大切にしていきたいと思った。プロセス目的的であることは、人の役に立つことにもつながり心に留めておきたいと思った。どこまで行っても自分をしっかりと持っていきたい。
読了日:10月17日 著者:尾原和啓
月曜日が、死んだ。 (文芸社文庫NEO)の感想
作品中、至るところに散りばめられている比喩表現が面白く、私はハマってしまいまった。その感性に魅力を感じた。全体的には文語っぽい表現をもちながら、今風の比喩が絶妙で…。ストーリー的にも月曜日が擬人化されていて、不思議な感じがよかった。あと何冊かこの作家さんの本を読んでみたいと思った。
読了日:10月17日 著者:新馬場 新
20代からはじめる社会貢献: 400社が支援した「社会起業」とは (PHP新書)の感想
社会貢献というイメージが日本では抽象的だなと感じた。諸外国に比べて、社会貢献や寄付という感覚が薄い日本の中で日常生活の中でできる社会貢献を教えてくれた。また、社会貢献とビジネスという、日本人の感覚からは相容れない分野の詳しい話がありイメージが変わった。これから日本がどのように社会貢献を受け止めていくのかはわからないが、世界的には標準でありこれからは国レベルだけでなく人レベルでも理解が進んでいくだろうと感じた。また巻末に著者が推薦する本とその理由が載っているので、興味深い本が何冊かあった。
読了日:10月17日 著者:小暮真久
群青の夜の羽毛布 (角川文庫)の感想
久しぶりに山本文緒さんの本を読んだ。山本文緒さんの世界観があって、ちょっと重くてそして深い、女性のしがらみのようなものに、とても心が揺さぶられた。設定もなかなかのもので…。心を動かすのがとても上手いと感じる。ラノベも好きだが、こういう心が動く小説もとても好き。
読了日:10月20日 著者:山本 文緒
THE TEAM 5つの法則 (NewsPicks Book)の感想
チームをスポーツに置き換える考え方、駅伝型、柔道の団体戦型、野球型、サッカー型があげられていて、とてもわかりやすかった。チームの意思決定についてもメリット、デメリットを考えながら複数の意思決定方法を組み合わせていくことが良いのかも知れないと思った。エンゲージメントを高めていかないといずれは、実績が落ち込んでいってしまう。これからの時代のチームは金銭報酬や地位報酬だけでなく、仕事に対しての感情報酬を重視していかなければならないというところも自分がスルーしていた部分だな、と感じながら読んだ。
読了日:10月20日 著者:麻野耕司
陽明学 生き方の極意の感想
陽明学の成り立ちから非常に詳しく丁寧に書かれていて分かりやすかった。一番印象的だったのは、王陽明のお話から考えて、近ごろの教育は知識の習得に重きを置き過ぎていることや、肝心の人格や道徳性についてなおざりにされて来ているとの記述。王陽明も、自分を磨くという教育の根本が見失われてしまっていることを示し、現代もなんのために勉強するのか、その根本を自覚した人が一人でも増えれば世の中の悪しき風潮を変えていく力となるかも知れないと、していて、とても納得できた。
読了日:10月20日 著者:守屋 洋
配達あかずきん 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)の感想
成風堂書店へ来店するお客さんの声から、推理して紐解いていく。書籍の知識がいるな、と感じた。書籍という共通点はありますが「ビブリア古書堂の事件手帖」とはまた違った観点からのアプローチで、強いて言えば現代風という感じ、少し大きな一般のお店でもあるあるの出来事から始まるというところに、ちょっと親近感を持った。主人公の感の鋭さから、解決していく様子が爽快だった。
読了日:10月20日 著者:大崎 梢
クジラアタマの王様の感想
面白かったです。久々にどうなるのだろう?とワクワクして読めた。伊坂さんの作品は何冊目かだと思いますが、想像力豊かで、そこに非日常的な感覚があるので新鮮。何気なく入り込んでいるちょっとした内容が、物語の最後に、回収されていく展開も興味深かった。伊坂さんの世界観に久々にどっぷりハマった。
読了日:10月23日 著者:伊坂 幸太郎
シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング―の感想
重要だけど緊急ではないことや、普段話題には上がらないような抽象的なテーマについて、短期的な結果が出ないような話を中心にしていくのは、とても大切だと感じた。そして、褒めることがやっぱり大切。今、将来やりたいことがあることが大事なことではなく、現在を充実して生きて行くことが大事。「今の積み重ねが将来をつくる」とてもわかりやすかった。「逆ホウレンソウ」を上司が行うこと。これは初めて聞いた。部下たちに惜しみなく情報を分け与えると言うことだった。巻末の事例集は、いろいろな場面で役に立つと感じた。
読了日:10月23日 著者:世古詞一
こうすれば必ず人は動くの感想
私の勝手なアメリカのイメージは、成果主義で人の心を推し量るようなことはしない…と言う感じだった。だから、この本を読んで、とても驚いた。著者のカーネギーはとても相手への気遣いがあり、人の心を大切に考えている。過ちがあれば謝ることや、相手の人に認められたい気持ちを大切にして接すること、議論に勝つことが正解ではないこと。相手が間違っていることを言ってはいけない…などなど本当に、心にスッと入ってくる内容ばかりだった。道徳的なことを教えてくれた本。
読了日:10月30日 著者:デール・カーネギー
ぜんぶ、すてればの感想
著者の(?)中野さんを存じ上げていなかったが、非常に行動力のある、そして、直感力、ポジティブな思考の持ち主、かっこいいと感じた。社長の役割1は、秒でも早くジャッジする、そして任せ切ること。人格と役職はまったく違う、全く自慢にならない、言える経営者はなかなかいないと思った。変われることがポイントで「何も変えることができなければ、交代する意味はない」とても納得できた。変化の大きな今の時代ではなく、その前からそのことに気がついていたところなどは、素晴らしく、だからセンスのある経営者なんだろうと感じた。
読了日:10月30日 著者:中野善壽
血の記憶 (文芸社文庫)の感想
社会派推理小説とても面白かった。外国人労働者を巡って、日本がとってきた政策。そしてその政策に翻弄される人たちが時代を超えて絡み合っていた。麻野さんの作品は、とても勉強になりながらも、展開やドキドキ感がたまらなくて面白い。やっぱり歴史に基づいていて、本当にあったのかも知れない…あたりにリアリティを持って読めるからなのかと感じている。
読了日:10月30日 著者:麻野 涼
あしたはうんと遠くへいこう (角川文庫)の感想
物語の中に、少女の頃から恋愛を重ねながら、成長して行く?様子が綴られていた。そして、その中にあるどうしようもできない気持ちを共感できるところもあって、心をちょっと突かれたような気がした。「だれかを好きだという気持ちの出所はいったいどこだ。嫌な点や食い違っている点を幾つあげても嫌いになれないのはなぜだ。私じゃない、だれか、たとえば神様みたいな人が、そう仕向けているに違いない。」 嫌な点が見えるのに、好きでいることってある。好きな気持ちの出所はどこか、本当に不思議に感じた。
読了日:10月30日 著者:角田 光代
カウントダウン (角川文庫)の感想
山本さんの初期の頃の作品とのことで、あとがきにこの作品を改めて世に送り出すことになった経緯や、時代背景等の調整についても書かれてあった。何より、私は女性の恋愛をメインに描かれている山本さんのイメージしかなかったので、同一作家の作品とは思えないくらいの新鮮さ、そしてそこにある若さも感じられた。あとがきにそう言った思いも書かれていたので、それも含めて興味深く読ませてもらえた。
読了日:10月30日 著者:山本 文緒
ファースト・プライオリティー (角川文庫)の感想
大人になって、大切にしていることってなんだろう?それぞれのファースト・プライオリティーについてが31歳を絡めながら、短編の中で紹介されている。一つ一つの物語はあっという間に終わるが、たくさんお話がありすぎて、お腹がいっぱいになった。
読了日:10月30日 著者:山本 文緒
壊れた心をどう治すか コフート心理学入門Ⅱ (PHP新書)の感想
コフート心理学入門Ⅰを読んだときにも共感したのだが、心理学をかじったものにとっては、非常に分かりやすい内容だった。境界性パーソナリティや自己愛についての記述は、何度も読みたくなり、Kindle Unlimitedではなく購入したくなった。2度読みましたが、わかりやすいのでもう少し深めてみたくなっている。コフートの心理学は、本当に日本人向けだと感じている。
読了日:10月31日 著者:和田 秀樹
再婚生活 私のうつ闘病日記 (角川文庫)の感想
小説ではなくご本人のお話ということで、とても身近に感じながら読むことができた。読みやすいように内容を精査しておられるとは思うので、これがうつ闘病のすべてではないとは思うが、それでもしんどさを、抽象的に感じることができた。また、山本さんの葛藤ポイントが、私から見て意外なところに感じられた。そして、いつも周りの人の温かさに守られているようなところも、羨ましく、可愛い人だな、と思うところがたくさんあった。
読了日:11月05日 著者:山本 文緒
ヒカルの卵 (徳間文庫)の感想
重い作品の次に読んだので、はじめは頼りなさを感じた。でも、どんどんと物語に引き込まれていき、途中ではウルウルした。以前に森沢さんの作品を読んだ時にも涙がでましたが、心がキュンとする感じで、見返りを求めない人の温かさを感じた。森澤さんの作品には心をつかまれる言葉が出てくる。今回は「財産を失うのは小さな痛手だが、勇気を失うのは人生を失うのと同じ」この言葉にいたく共感した。歳を経るごとに忘れつつあったことをたくさん感じた。
読了日:11月05日 著者:森沢明夫
もしも俺たちが天使なら (幻冬舎文庫)の感想
そう言えば、こんな詐欺師の話って今まで読んだことなかったような…と改めて思った。最後の最後まで、誰が嘘をついているのかわからずでしたが、最終的にスッキリとした。歳をとると、人を見た時にだいたい胡散臭いのか、本物なのかが分かるようになってきたが、その上をいく詐欺師がいると言うことも覚えておこうと、読み終わってから思った。
読了日:11月08日 著者:伊岡瞬
北からの使者 (文芸社文庫)の感想
事実がもとになりながらの小説であるところと、その背景がリアルで目を覆いたくなる内容があって、私が知らない世界がたくさんあるんだと実感した。よく北朝鮮を題材にしたドキュメンタリー番組なんかで流れている内容が、よりリアルに小説で表現されている感じで、心が痛くなった。国が違うだけで、この時代にこれほど生活環境が変わるとは、そのトップに立つものの責任を大きく感じた。
読了日:11月08日 著者:麻野 涼
死刑台の微笑 (文芸社文庫)の感想
裁判の様子やその供述内容の部分あたりは、ドキュメンタリーを読んでいるような気持ちで読んでいてとてもしんどくなった。中盤あたりから小説であると言う雰囲気を私が感じられるようになりドキドキできるレベルになった。面白かった。少年法に守られている少年たちが、更生してくれればいいが、そうでないと本当に被害者はやってられない気持ちになる。更生する少年もいるとは思うが、更生できない少年はその育ちを含めて気の毒だとも感じた。だからと言って守られているのもどうかと考えさせられた。
読了日:11月08日 著者:麻野 涼
死の刻 (文芸社文庫)の感想
列車事故をもとにしたストーリーだった。私は、登場人物と同年代だったため、元となった?事故が印象に残っていたこともあり、とても興味深く読み進められた。当時、高校生だったと考えるとその多感な時期に遭った大事故、親友の死は人生に大きな影響を与えることが想像できた。大人になってからなら、大したことではなく他の方法を考えられることも高校生の登場人物たちにとっては、自分たちに選択肢のないどうしようもないことの中で大人たちの汚い部分を見てしまった…という、心が死んでしまった状態になったと思えた。面白かったです。
読了日:11月08日 著者:麻野 涼
脳科学捜査官 真田夏希 (角川文庫)の感想
ちょうど公認心理師の勉強後だったので、心理に関わる内容がたくさん出てきて、興味深く面白かったです。犯人の心理を考えながら爆発事件を追うのですが、些細なヒントからその人物像を導き出す、心の捉え方にもなるほど…と関心しました。ストーリーとしては上手くいきすぎなところもあるけれど、一緒に考えながら安心して読める本でした。
読了日:11月14日 著者:鳴神 響一
あなたへ (幻冬舎文庫)の感想
「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」この言葉は以前から好きで、いろいろな場面で助けられていました。最近もその言葉を聞き、この本でも取り上げられていて、また縁を感じました。森沢さんの作品は、いつも人の本質を感じさせられます。人の心の奥にあるけれど、普段は忘れてしまっているいい部分を思い出させてもらっていて、それでいいんだ、と背中を優しく背中を押してもらうような感覚があります。よかったです。
読了日:11月14日 著者:森沢明夫
孤独こそ最高の老後 (SB新書)の感想
孤独「こそ」とまでは思わないけれど、孤独が悪いものだとも私も思わないです。老いてから孤独を楽しむと言う感覚を持つことが大切だと感じました。 遺言については、意外だったのですが、残ったものがいいようにしてしまうことがあると。 確かに、いくら葬儀はいらないと言われても体裁を考えて残された家族がやったり、一応良かれと思って…なんて言うことは想像できたので、本当にやってほしいことを伝えておくこと、そして誰にやってもらうかと言うことも決めておくことは大事だと教えてもらえました。
読了日:11月14日 著者:松原 惇子
amazonのすごい会議―ジェフ・ベゾスが生んだマネジメントの技法の感想
良い会議資料について 会議の趣旨、目的が明確である 少ない労力、少ない時間で読むことができる いつ誰が読んでも確実に伝わる その通りだと思いました。とにかく、いつ誰が読んでも伝わるような資料でなくてはならないのは、当たり前ですが、意外とできていないことだと感じました。文章力の大切さを感じました。 コロナで随分、無駄な会議が見直されつつありますが、これからは必要だという本質を見極めてコロナ以前には、戻らないようにしたいです。
読了日:11月14日 著者:佐藤 将之
【文庫】 暴走弁護士 (文芸社文庫)の感想
事件シーンと裁判シーンが多く、事実関係から考えられる展開がどうなっていくのか、面白かったです。 ただ、弁護士が元暴走族ということで、途中弁護士の若い頃の話と、いわゆる不良だった被害者、加害者の息子との話の内容が似通っていて、私には区別がつきにくく感じられたところがありました。 そして「償い」って、お金ではなくてやっぱり人の心だな、と感じました。修復的司法はいい方法だと感じますが、人の心の奥までは見抜けないので、裏切られた時の落胆は倍以上になるだろうと想像しました。
読了日:11月14日 著者:麻野 涼
死の臓器 (文芸社文庫)の感想
レストア・キッドニ(修復腎) と言う言葉も知らなかったのですが、移植を求めている家族にとってはレストア・キッドニでも移植してもらえることが救いになる。一般的に体裁としては、ガンが発症した時のことを考えて…と言うけれど、家族がその立場なら、レストア・キッドニでも喜んで受け入れると言うこと。ドナーの善意とお金との問題。考えさせられました。 患者に視点を置いてそのために働く人はその人の考えがあり法整備をする人にはその考えがあり、患者にはその考えがあり…と立場によっての意見の違いを興味深く学べました。
読了日:11月23日 著者:麻野 涼
ニュー・ワールズ・エンド (文芸社文庫 か 2-3)の感想
とてもSFチックでしたが、世界情勢が面白く興味深く読めました。地球規模の話にドキドキしながら吸い込まれていきました。現実世界の中でも、資本主義社会の中で操られている私たちは、その構造をあまり深く考えずに幸せを感じたりもしています。何が幸せかは人それぞれですが、日常生活ではなく、非日常のちょっと大きな目で世界を見てみると、普段の日常生活の捉え方も変わってくるように感じました。
読了日:11月23日 著者:川口 祐海
裏切りの感想
話し言葉や、生活の中に出てくるものなどから、ちょっと昔の作品なのかな…と感じました。 でも、それが逆に面白くて、私は目につきました。 誰が裏切るのか、ずっと考えながら読んでいましたが私はノーマークの人物でした。面白かったです。
読了日:11月23日 著者:広山義慶
見仏記6 ぶらり旅篇 (角川文庫)の感想
やっぱり、面白い。 みうらさんの行動も謎めいていて面白いけれど、それを見ているいとうさんの観察力と、そこからの分析、そして文章力がすごい。その情景が手にとるように伝わってきました。 この空気感が羨ましいというか、その中に入れてもらいたい感じをもらいます。 この本を耳読しながら、実際に仏に会いに行くのもいいな、と思いました。
読了日:11月23日 著者:いとう せいこう,みうら じゅん
空白の絆 暴走弁護士 (文芸社文庫)の感想
暴走弁護士の続編なので、内容も似通ったものかと思っていたが、まったくテイストが違っていた。会社の後継者争いを発端に、戦後の広島を舞台にした謎解きでした。 認知症の症状がまだらに出てくる老人の記憶を丁寧に紐解いていくあたり、スリルではないドキドキ感がありました。
読了日:11月23日 著者:麻野 涼
シュガーレス・ラヴ (角川文庫)の感想
現代の女性の抱える精神的なストレスをテーマになった短編集。短編ではあるけれど、すべてがとても奥深く感じるのは、私が女性だからだろうか。年齢も、格好も境遇も病歴もそれぞれだけれど、女性ならちょっとずつその感覚をかじっていると思った。その人間観察からくる物語が、確信には触れないのだけれど面白い。
読了日:11月26日 著者:山本 文緒
純喫茶トルンカ (徳間文庫)の感想
ほわっとした恋愛が描かれているのだけれど、私には珍しく嫌な感じはしなかった。心暖まるような体裁ではあるけれど、その裏にある悲しみや寂しさ、孤独が見え隠れしているところが、心暖まるだけのストーリーではなかったのだと感じました。
読了日:11月26日 著者:八木沢里志
自分の「怒り」タイプを知ってコントロールする はじめての「アンガーマネジメント」実践ブックの感想
たまたま見つけて読んでみました。何も考えていなかったけれど、母との関係を心理的にどうこうしようと言う思考ではなく「怒り」をコントロールする思考へもっていってもいいのでは…?と考えさせられました。チェックリストを活用してみると、私は怒りの持続性が高い、言い換えると根に持つタイプだと言うことがよくわかりました。それがわかっただけでもちょっと進んだかも。
読了日:11月26日 著者:安藤 俊介
地平線を追いかけて満員電車を降りてみた 自分と向き合う物語の感想
自分の一番弱い部分は、自分が一番わかっていないようで薄々気づいているようで、とても奥深いと感じた。自分の嫌なところから目を背けずにしっかりと向き合えた人が、自分の道を進んでいけるのだとわかった。主人公たちのクリエイティブな言い訳は、どこかで聞いたことがある言い回しで、自分も昔に言ったことのある言葉でもあって、聞いているのが少し嫌だった。人の弱い部分を曝け出して克服してくのにはピッタリの本だと思った。
読了日:11月26日 著者:紀里谷和明
純喫茶トルンカ しあわせの香り (徳間文庫)の感想
人の心の中にあるモノってわかっていると思い込んでいることも混じっていて、自分で体験しないと本当にはわからない…自分の言葉で紡げるようになると人の奥深さがでてくると感じた。心に詰め込んで蓋をした気持ちもふとしたことをきっかけに溢れてきたり、思い出したりして人は体験して学んでいくんだな、と教えてもらった。
読了日:11月30日 著者:八木沢里志
優しき共犯者 (角川文庫)の感想
一緒に働いていた仲間との絆、いい人を助けたいと言う周りの人の思いが殺人事件の裏側にあるのか、残された遺産を巡るモノなのか。とにかく連帯保証人を助けようとする周りの人の気持ちが、次から次へと出てくるところ、人間として魅力的な人の周りには助けてくれる人が出てくるというような展開。救われる気がした。
読了日:11月30日 著者:大門 剛明
密室の鎮魂歌 (創元推理文庫)の感想
久しぶりにトリックがしっかりとした推理小説を読みました。こういう雰囲気の小説は少年探偵団シリーズからよく読んでいたな…と懐かしくなりました。トリックと人間関係と発想と、色々な要素がしっかりと入っていて面白かったです。新鮮な気持ちになりました。
読了日:11月30日 著者:岸田 るり子
世界史とつなげて学べ 超日本史 日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史の感想
日本史はそれほど興味がある方ではなかったけれど、面白かった。いくつか印象深かったことや初耳だったことがあった。それは、DNAの判定から今まで日本は侵略されたことがなかったということや、キリシタン大名がいた頃日本人が奴隷とされていた日本人奴隷貿易というものがあったということ。そして、東インド会社の頃に日本人傭兵が海外で戦わされていたこと。世界史と合わせながら、日本を見ることはとても興味深く面白かった。ある意味、今の世界の状況と大差なく感じられました。
読了日:11月30日 著者:茂木 誠
薄闇シルエット (角川文庫)の感想
女性の生き方について、物語を通じていろいろ考えました。 誰の人生も正解があるわけではないし「その人はその人になっていくしかない」この言葉が突き刺さった。女性って子どもを産むことや子育てすること、対等に仕事を考えないといけないようなところがあるような気がして…私の母親が専業主婦だったから、働いていることへの後ろめたさが私あったことを、改めて思った。 どう生きても、後ろめたさはないはずなんだけれど、心の奥に何かしこりがあるようなことを思い出しました。
読了日:12月04日 著者:角田 光代
三叉路ゲーム (文芸社文庫 あ 3-14)の感想
事件の全体像がわかるまでのドキドキ感と、ふとした時に、今までの点と点がつながる瞬間や、展開、テンポの良さが面白かったです。このゲームの裏にある人の醜い部分や、組織内にある忖度… 麻野さんの作品からは、小説なんだけれど、そう言うことがあるんだろうな、という思いで読んでしまいます。面白かったです。
読了日:12月04日 著者:麻野 涼
東京タワーが消えるまで (徳間文庫)の感想
ちょうど体調を崩しているときに読んだので、仕事で疲れている登場人物を俯瞰しながら、私は、働き方についても考えていました。仕事が楽しくて、一人で会社を設立したアラサー女子のパワフルさを見ながら、働き方って何がいいとは一概に言えないかな、という考えに、私は至りました。そして、支えてくれる人がいて働けるんだと強く感じました。
読了日:12月04日 著者:森沢明夫
壊れた人々の感想
単純だけど面白いストーリーだった。小説通りの殺人事件が起こる展開だが、その中にも勘違いもあり…。
読了日:12月04日 著者:林麗子
癒し屋キリコの約束 (幻冬舎文庫)の感想
人の心の奥にある、幸せと不幸の違いや、ふつうに生きることが人生の正解か、無駄なエネルギーを使わずに生きることが正解か、等々…50代の私にも、心に響く言葉がたくさんありました。短所で人は愛される…なんかわかるような気がしました。確かに短所を隠している人は、小さく見えます。 そして、相手に「ありがとう」を言えたら、過去を受け入れました。という感情が芽生える。芽生えるから言えることでもあるけれど、奥深い…。 キリコの包容力とその生き方とがとても魅力的でした。
読了日:12月05日 著者:森沢 明夫
チェリーブラッサム (角川文庫)の感想
山本文緒さんの作品を、いろいろ読んでいます。昔に少女小説を書かれていたとは、衝撃的でした。ご本人からのあとがきで、復刻させた経緯等も書かれていて、以前読んだ「カウントダウン」でも同様の気持ちになったけれど、なるほどな…と納得しました。小説家が成長していく過程を見られたように感じました。
読了日:12月05日 著者:山本 文緒
キラーシード“魔の種” (徳間文庫)の感想
遺伝子組み換え作物をめぐるミステリーでした。 問題が起こってしまった時の企業の隠蔽体質が恐ろしく感じました。食べ物に関して何かが起こった時、昭和の時代にはそれを隠蔽し子どもが障害を持つようなことがあったけれど、もう、今の時代にはそんなことは起こってほしくないと思ったことと、未知の世界には、色々な可能性があるので少し怖い気がしました。
読了日:12月12日 著者:麻野涼
おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)の感想
大人が読んで、とてもわかりやすいお金の本でした。 銀行家についての説明も辛口でわかりやすかった。面白い。 あと、必要悪、玄人と素人、裏稼業について、現実と理想とを考えながら、中学生に説明してちょっと納得できる内容になっていた。私も正解はわからないけれど、一つの答えを出してくれていた。 あとはピケティの不等式についてもわかりやすい。子どもたちにも読ませてあげたいと思った。 ちゃんと、今の内容が反映されているおカネの本でした。
読了日:12月12日 著者:高井浩章
確信犯 (角川文庫)の感想
登場人物に裁判官が多い物語。誰が確信犯なのか、最後まで考えながら読んだ。 憲法第七十六条三項が、何度も登場するのだが 「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、憲法及び法律にのみ拘束される」何度か読んでいると心に重く響いた。 裁判官が、揺れながらもその正義を貫く姿が見られた。
読了日:12月12日 著者:大門 剛明
時間は存在しないの感想
理論を読んでいると、わかりやすく書いてくれているので意味はわかるが、イメージすることは難しい。物理学者の頭の中はどうなっているのだろうか、と感じた。 あって当たり前と思っている時間の概念がないと言われると納得は難しいけれど、読んでいる時、その文章の中では、結構納得できる内容になっているのが不思議な感じがします。 (でも、説明はできません…)知らない分野でしたが、新鮮で面白かったです。
読了日:12月12日 著者:カルロ・ロヴェッリ
パッとしない子 (Kindle Single)の感想
痛快だった。私もどこかで、学校の先生に対して同様のことを感じたことがあるのかも知れないな… 一軍の子供たちと仲良くする先生がどうこうではないが、大人しい子の意見に重きを置かない先生は見たことがある。特に小さい頃、幼稚園ではそうだった。 大人になって、その気持ちもわからなくはないが、とにかく痛快だった。
読了日:12月16日 著者:辻村 深月
なるへそ (Kindle Single)の感想
面白かった。先入観なく読んだので、短いことにも驚いたが、池井戸さんの作品だということにも驚いた。落語から来た話なんだろうな…なんて思いながら読んでいた。 池井戸さんの作品は読んだことがなかったが、色々なメディアでの作品は見ていたので、この作品が意外に感じられた。
読了日:12月16日 著者:池井戸 潤
眠れるラプンツェル (角川文庫)の感想
山本文緒さんは、すごいと思った。 何がって、女性が感じる感覚、夫に、他の男の人に、周りの女性に… 悶々とした気持ちを、主人公に表現させてくれていて、私は共感するところが多かった。 すごいと言うか、山本文緒さんの作品と相性がいいと言うことかな。
読了日:12月16日 著者:山本 文緒
白昼の死角 (光文社文庫)の感想
どこまでが物語だろうか…と考えながら読み進めた。戦後の話だから、話し方も、常識もちょっと昔感覚ではあるが、半分は本当の話だということでとても興味深かった。 少し昔の時代は、知能犯にも人間味があるように感じられた。そう考えると、現代は人間味がない時代なのかも知れないとも感じる。とにかく人間関係も変わってきていると。 とにかく読みごたえはあった。
読了日:12月16日 著者:高木 彬光
サイレント・ブレス 看取りのカルテ (幻冬舎文庫)の感想
今までの感覚とは違う考え方をもらえた。患者もゴールがわかれば、そこからどう生きたいかを考えられる。そして終末期に必要なのはセオリーどおりの治療ではない。救うことだけを考える医療には限界がある。死は負けじゃない安らかに看取れないことこそ負けだと言う言葉。私たちにとっても新鮮な感覚であったが、死と戦う医師にとっては180度ひっくり返るような葛藤を感じながらストーリーが進んでいく。常識だったものが変わって行こうとしている現在、考えさせられる物語、そして、これは人間が望んでいることのように感じた。456
読了日:12月25日 著者:南杏子
キッド (幻冬舎文庫)の感想
面白かった。とにかくドキドキする感じでテンポがいい。読んでいるとどんどん映像が浮かんでくるような感じだった。公安と警察、街中の監視カメラ、今の時代、プライベートはあるんだろうか?とちょっと不安になった。内容は大人向けであるが、どこか安心して読める本だった。
読了日:12月25日 著者:相場英雄
天国までの49日間 (スターツ出版文庫)の感想
いじめについて結構掘り下げられている作品だと感じた。いじめをやめようと言うキレイごとだけでなく、やめられない理由やその背景にあるものを若い視点で描かれていた。ストーリー的には一応丸く収まる感じだが、いじめの根深さを感じた。445
読了日:12月25日 著者:櫻井千姫
双子の悪魔 (幻冬舎文庫)の感想
推理していく感覚が楽しかった。表面的には差別意識を表していない人であっても、心の中でそういった意識を持っていると、それはその人たちに伝わっていると言うこと。それが全てのきっかけであるこのストーリーは、小説として見ればインパクトには欠けるが、実際の生活の中ではよくあることのように感じられた。そして、ラストは今までのヒントを合わせて読者が考える…と言う感じではあるが、犯人の意図が、まったく犯人の口から語られないところにちょっとモヤっとしたが、それも作品の一つのあり方と考えると、印象深い作品になった。 315
読了日:12月25日 著者:相場 英雄
魔女は甦るの感想
話の本筋ではないけれど、主人公の警官が部下に対して感じること、他人に対する知識欲や人間そのものに対する好奇心は教えるものではない。これは共感できた。推理していくことと、意外な犯人。思ってもみなかったことから、そこからの展開が長く感じた。559
読了日:12月25日 著者:中山七里
全然大丈夫じゃない: 誰もわかってくれない (文庫)の感想
全然大丈夫じゃない。 私なら離婚している… 夫婦の中で嫌なことを伝えられないのは、ツラい。全然大丈夫じゃない。夫婦のことは誰にもわかってもらえないから、自分でなんとかするしかないと思う。 面白かった。
読了日:12月26日 著者:石井和子
プラハからの道化たち (講談社文庫)の感想
推理の中にスパイが入ってくるので、とても複雑に入り組んだ内容だった。少し昔の社会情勢なので、ピンとこない部分があったのが、自分自身で残念だった。 要人を生かすために囮となって死んでいく人たちを見て犬死ではなく「外国の圧力にも屈せず祖国の独立と自由のための闘いに生命を捧げた男や女がいたという事実をわれわれの子孫が後世胸を張って世界の人に告げ得るかどうか」といった言葉に、当時東欧の国の国民が自由を望む力を強く感じた。
読了日:12月26日 著者:高柳芳夫
死の壁(新潮新書) 「壁」シリーズの感想
養老先生の本を読むとそういう考え方もあるんだ…といつも納得できる。 現代は、常に変わらない自分がいると思い込んでいる人が多い。中世文学の「平家物語」「方丈記」では移り変わっていたと、そう言われると、私にはわかりやすかった。 解剖をされてた先生は、死体はモノではない、死体も人と考えるとのことだった。 とにかく、人は死を考えたくないと思うかも知れないけれど、その結果は変わらないと。本当にそうだと思った。
読了日:12月26日 著者:養老孟司
落花流水 (角川文庫)の感想
山本文緒さんらしい女性視点から、そして物語の構成が面白かった。 親子3代にわたDNAを感じられる物語だった。人が家庭に求めるもの、家族に求めるものって何なんだろうかと感じる。女性中心にストーリーが展開されているところもよかった。他の登場人物がどう考えているのかはわからないけれど、自分を生きる3人の女性が描かれていた。
読了日:12月26日 著者:山本 文緒
カジュアル起業 “好き”を究めて自分らしく稼ぐ (マイナビ新書)の感想
好きなことで起業され成功している人たちの経験談。自分の好きなことで起業できるなんて本当に羨ましく感じた。マーケティングだけから入る企業ではなく、自分の好きなものから入る起業は自分の中にも楽しい気持ち、その商品を愛する気持ちがあって自分のモチベーションも上がるということがよく伝わってきた。
読了日:12月26日 著者:箱田 高樹
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