本のご紹介「対岸の彼女 」文春文庫 角田光代
感想
女子の心を、とても上手く表現した作品だなと感じた。
葵は少女の気持ちが純粋なまま、大人になったように感じた。経営者になっても、手放せない少女の頃の思いや、その仲間の感覚を社員に社員たちに求めた…それだけだったけれど立場が違うとなかなか通じない。
中高生の頃は、後から思えばとても多感な感受性豊かな時代で、相手のために無償で尽くし、無償で尽くせる気持ちがあっただろう。そのまま、その気持ちを持ち続けている葵に私は魅力を感じた。
内容(「BOOK」データベースより)
専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、それだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。多様化した現代を生きる女性の、友情と亀裂を描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
角田/光代
1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。90年『幸福な遊戯』で第9回海燕新人文学賞、96年『まどろむ夜のUFO』で第18回野間文芸新人賞、98年『ぼくはきみのおにいさん』で第13回坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で99年第46回産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年第22回路傍の石文学賞を受賞。03年『空中庭園』で第3回婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で第132回直木賞、06年「ロック母」で第32回川端康成文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。