本のご紹介「夏物語」川上未映子
とても面白かったです。
日常会話を中心としながら、主人公の考えが巡らされている。
ストーリーは、日々の出来事は些細なことに紛れているんだけど、その中に引き込まれて
一緒に時を過ごしている感じになっていた。
そして、それぞれの人が持っている悩みやこだわりについて、深く掘り下げられていることから、いろんな視点から物ごとを観ることができた。
また、何よりテンポのいい関西弁の応酬と、普段、思考中の言葉の切り替わりにメリハリがあり、読んでいて気持ちよかった。
内容(「BOOK」データベースより)
大阪の下町に生まれ育ち、東京で小説家として生きる38歳の夏子には「自分の子どもに会いたい」という願いが芽生えつつあった。パートナーなしの出産の方法を探るうち、精子提供で生まれ、本当の父を捜す逢沢潤と出会い、心を寄せていく。いっぽう彼の恋人である善百合子は、出産は親たちの「身勝手な賭け」だと言い、子どもを願うことの残酷さを夏子に対して問いかける。この世界は、生まれてくるのに値するのだろうか―。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
川上/未映子
1976年大阪府生まれ。2007年『わたくし率イン歯ー、または世界』『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』で早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞、08年『乳と卵』で芥川賞、09年詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で中原中也賞、10年『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞、13年詩集『水瓶』で高見順賞、『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞、16年『マリーの愛の証明』でGRANTA Best of Young Japanese Novelists、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞を受賞。17年には「早稲田文学増刊 女性号」で責任編集を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)