2022年6月読書まとめ

6月もリベンジの試験勉強をしながらの読書だったので、一定読書を制限していました。その中で26冊読めたことは以外でした。最近はオーディブルを利用しています。今月は小説が主ですが、とても面白いものばかりでした。次の本が読みたくて、ちょっとした感想を書くことを面倒に思ってしまうところもありました。読書楽しいです。ただ、オーディブルになると読書というイメージからどんどん離れているようですが…。

6月の読書メーター
読んだ本の数:26
読んだページ数:7963
ナイス数:231

奇跡奇跡感想
本当に実名の話だったんだ…という衝撃があった。誰のために書いた小説だったんだろうか、と思いました。
読了日:06月01日 著者:林 真理子
ディア・ペイシェント 絆のカルテ (幻冬舎文庫)ディア・ペイシェント 絆のカルテ (幻冬舎文庫)感想
病院の業務をサービス業と捉えている病院のお話。患者はお客様?そう思う自分もいたが、やっぱりお客様ではなく、患者だと思った。モンスターはどこにでもいて、その存在を認めないけれど、医者は患者と正面から向き合い治療をするのが仕事だと感じた。機嫌をとって成果を上げる世界とは違うと思った。
読了日:06月02日 著者:南杏子
デジ・ボウイデジ・ボウイ感想
少し寂しい内容だった。主人公の少年が思うこともわかるが、多様性を受け止めてほしかったな、と感じた。字面通り理解する、見えたものをそのまましか理解できない、その心は?ということがわからない人は多くいる。従兄弟が生きる意味を見出せなかったことを悲しく思った。変なところはあるが、全てを受け止めてくれる存在を感じてほしかったと思った。
読了日:06月04日 著者:乃南 アサ
具体と抽象具体と抽象感想
なるほどーと、一番納得できたところは、理学と工学の違い。具体から抽象が理学、抽象から具体が工学であるというところ。学問によって正反対なんだと実感した。私たちは、日常の中で、具体と抽象をきちんと線引きすることなく、扱っているために無駄な労力を使っていることが多いと感じた。具体と抽象は、私たちのコミュニケーションの中で非常に大きな部分となっていると感じた。面白かった。
読了日:06月04日 著者:細谷 功
ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)感想
非行少年たちの背景に、生育歴の他に知的障害をはじめとする多くの障害が見えてきているという現場からの話。そういった背景に学校の先生がいち早く気づき、必要な教育や福祉につなげることができれば、犯罪を犯して少年院へ行く少年が減ってくると思った。両親の受け止めの難しさについても少し理解できるようなところもあるが、少しでも早く、特別支援教育等の適切な教育へ繋げてほしいと感じた。
読了日:06月04日 著者:宮口幸治
ルパンの娘 (講談社文庫)ルパンの娘 (講談社文庫)感想
安心して読めて、ストーリーは華やかで面白かった。伝説のスリ師の孫のその技にも興味深いところがあったし、家族全ての鮮やかな犯行もドキドキすることなく安心感があった。
読了日:06月04日 著者:横関大
ミカエルの鼓動 (文春e-book)ミカエルの鼓動 (文春e-book)感想
心臓手術から、その機器の不具合に目を瞑り、未来の心臓手術を発展させていくのか、それとも、その患者を守るのか。ラストには人が生きようとする力に、感動してしまった。 言葉ではうまく説明できないけれど、前半部分の前半部分とは一見すると無関係のようだが、全てが積み上げられ、ラストの設定になっていたのかとも感じストーリーの奥深さを感じた。
読了日:06月05日 著者:柚月 裕子
スモールワールズスモールワールズ感想
日常に感じられる感覚がたくさん詰まった作品だった。人の気持ちの奥にあるものを普通に表現してくれている感じだった。人を好きになることや好きという感覚には、世間一般や体裁ということは関係ないということがわかった気がした。
読了日:06月12日 著者:一穂ミチ
ブラックボックスブラックボックス感想
主人公の日常から見える世界を感じた。何が普通かはわからないけれど、そういった世界があるということを知った。どこかに爆弾を抱えていると、自分でも感じながら生きてきている主人公。ある意味まっすぐな生き方だが、現代の社会での適応が難しいことが寂しいと感じた。
読了日:06月12日 著者:砂川文次
サラバ! 上 (小学館文庫)サラバ! 上 (小学館文庫)感想
家族の中で、周りに気を遣いながら自分の意見に蓋をする主人公の子供時代。皮肉にも、エジプトカイロで言葉の通じない友だちとの心のつながりを持ち、そこに温かい気持ちを持つことができ「サラバ」が生まれる。家族に頼れず、心の中に何かを抱えている子どもにとっては、言葉ではなく、心のつながりが必要だったのだと感じた。この後、どんな展開になるのか楽しみ。
読了日:06月12日 著者:西加奈子
サラバ! 中 (小学館文庫)サラバ! 中 (小学館文庫)感想
自由な家族の中で育った主人公が大学生になり、社会人になり、家族でそうしていたように、自分の意見を言わないままやり過ごしていくということは、歳を重ねるとともに社会で大人としての関係を築いていくには、足りないものがありすぎたと感じた。
読了日:06月12日 著者:西加奈子
サラバ! 下 (小学館文庫)サラバ! 下 (小学館文庫)感想
全巻とおしての感想は、初めにまったくイメージしなかった内容だった。人として、人を受け止める、受け入れるというテーマがあったように感じた。人との関係をどう結んでいくのか、自分の信じるものを持つこと。外国ではそれが宗教であったりもするが、宗教が形骸化してしまっている日本人には、特に必要なものだと感じた。「あなたが信じるものを誰かに決めさせてはいけない」大切にして生きることが強く生きていけることのように感じられた。
読了日:06月12日 著者:西加奈子
【合本版】アキラとあきら(上下巻) (集英社文庫)【合本版】アキラとあきら(上下巻) (集英社文庫)感想
子供の頃からの大人になるまでのそれぞれの人生を背景にしながらバンカー(銀行マン)のあり方をしている。 経済的な内容が中心だが、素人の私が読んでもわかる入門的な内容を背景にストーリーが進んでいくので、緊迫感を持ちながら面白く読めた。実際の銀行の営業や会社の経営には、汚い部分もあるかも知れないけれど、この作品のように本当に人のことを考えて社会が回っていたらいいな、と思った。
読了日:06月19日 著者:池井戸潤
七つの会議 (日本経済新聞出版)七つの会議 (日本経済新聞出版)感想
アキラとあきらに続いての作品。前作とは真逆で、会社のダーティーかも知れない部分がストーリーになっている。でも、共通しているのは出世や人の思い、人間らしいところが中心だと感じた。 初めは営業マンの話かと思っていたが、話が進むにつれて違った視点からの謎が少しずつ解き明かされ、最後には、とても大きな話だったところが面白かった。いつの間にか、会社に魂を売ってしまう人が、やっぱり多いのだろうかと感じた。
読了日:06月19日 著者:池井戸潤
ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)感想
クロニクル1巻はよくわからない感じだったが、2部は少しずつ、奥が深さが感じられてきた。全体像はまだまだ見えないが少しずつわかってくることや不思議なことをつなげて想像するのも面白い。オーディブルで聞いているが、藤木直人さんの朗読が、思いの外、滑舌が良く非常に聞きやすい。
読了日:06月19日 著者:村上春樹
線は、僕を描く (講談社文庫)線は、僕を描く (講談社文庫)感想
水墨画をまったく知らない私が、文章で表現される世界で水墨画の魅力を知ることができた気がした。水墨画は絵だけれど、音楽のような、その瞬間に完結する芸術のように感じられた。そして水墨画を通し何かを表現することは、単純に描くということだけでなく、自分の内面を表現することの方が大きいと教わった気がした。芸術に携わる人たちの心の動きをとてもうまく言葉で表現されていると感じた。
読了日:06月19日 著者:砥上裕將
コーヒーが冷めないうちにコーヒーが冷めないうちに感想
不思議な内容だったが、最後にはいろいろなことがつながって、心温まる話だった。結局、人って、言葉にして相手に伝えないと、伝わらないんだな…と思った。日常にもたくさん伝えていないことがあるような。
読了日:06月19日 著者:川口俊和
ジェイソン流お金の増やし方ジェイソン流お金の増やし方感想
わかりやすい文体で書かれていた。ドルコスト平均法を使ったインデックス型のオープン投資を中心にと、お金を貯めるために一番大切なこと、無駄に使わないことが丁寧に説明されていた。わかりやすかった。
読了日:06月19日 著者:厚切りジェイソン
GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 三笠書房 電子書籍GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 三笠書房 電子書籍感想
ギバーの凄さがよくわかりました。ギブすることが成功につながることではあるが、テイカーに利用されないようには気をつけないといけない。一番私の心に響いたところは、ゆるいコミュニケーションの大切さだった。ゆるいコミュニケーションは相手に警戒させることなく、心を開いてもらえる。心を開かせるというよりも、相手が自分から心を開くという違いが大きなあった。結果的には、質問を使いながら相手の心に入っていく…とてもいいと思った。
読了日:06月19日 著者:アダム・グラント
ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)感想
2部を読んで、感想を書いておこうと思った。1部だけでは、よくわからなかったというのが、正直な感想。不思議な世界への入り口を感じた…そんなところ。
読了日:06月19日 著者:村上 春樹
トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA)トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA)感想
国税と言うだけで、マルサのイメージしかないけれど、いろいろな仕事があるんだな、とまず思った。税金を滞納することはダメだけれど、それをどう徴収するのか、ただ単に取り立てるだけでなく、滞納者が納得して納税するか、そして、もう二度と滞納や税金を納めない犯罪をさせない、と言うところまでが一つの仕事だと感じた。実際はなかなか難しいのかも知れないけど、考え方として、すごく腑に落ちた。 そして、このコンビのキャラクターによって、スゴく面白く人間味ある内容になっていた。
読了日:06月26日 著者:高殿 円
高校入試 (角川文庫)高校入試 (角川文庫)感想
湊さんの作品なので、必要以上にドキドキしながら読みました。ひとこと一言にきっと色々なヒントがあるのかな、とか、どんどん交錯していく内容を関係図に思い浮かべるように、ホントにドキドキしながら読みました。 でも、私の推理の想像の外に結末があって、でも、心が痛むものでなく、よかったです。 湊さんのイメージが映画からくるものかも知れないですが、終始緊張していました。
読了日:06月26日 著者:湊 かなえ
八日目の蝉 (中公文庫)八日目の蝉 (中公文庫)感想
映画を以前見ていたので、答えを知っていた分、新鮮味はなかったけれど、映画の印象と違う感想をもちました。やっぱり本の方が、自分の想像の世界が広がるなぁ、と改めて感じました。主人公が小さな子どもを連れて逃亡する様子は、生活している事実としてサラッと描かれていて、その後に、週刊誌などで解釈がつけられているところなどは、読み手の感じ方の幅が広がった気がしました。それほど映画をしっかりと覚えてないですが、印象が違うな…と感じました。
読了日:06月26日 著者:角田 光代
神様のカルテ神様のカルテ感想
医療系の内容と、夏目漱石調の語りがなぜかマッチしていて、心地よかったです。医師の世界、医学の世界って、とても範囲が広いんだと実感しました。先端医療や、大学病院、医局という世界と、実際の終末期を迎える緩和ケアが必要な患者さんの世界。両方ともが医療の範疇だけど、相反する部分が感じられました。これが、現代の課題なんだろうな、と深く考えました。 また、周りの登場人物たちもキャラが濃くて面白いところと、重いところがいい具合だと思いました。
読了日:06月26日 著者:夏川 草介
往復書簡 (幻冬舎文庫)往復書簡 (幻冬舎文庫)感想
やっぱり湊さんの作品は、ドキドキして読みました。でも、これも映画の宣伝のせいかも…と、自分の中のブレインロックを感じました。 作品の中身は、手紙を中心に進むので、一言一句大切に、その中にいろんなヒントがあるかと思って読みました。手紙を通じて、ストーリーの全体像を見せていくので、少しずつ解明されていく様子にミステリーの面白さがありました。
読了日:06月26日 著者:湊 かなえ
犯罪者 上 (角川文庫)犯罪者 上 (角川文庫)感想
すごく面白い。追っ手が迫ってる感覚がずっとありながら、全容に近づいていく感じの緊張感に息を詰めて読んでいました。主人公たちが全容を知る辺りで、上が終了。早く次を読みたい。
読了日:06月28日 著者:太田 愛

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