心理師 juneberry’s blog

読みたい本が見つかる

2022年9月読書まとめ

今月は26冊読めました。主にオーディブルです。

模倣犯」や「三体」といった長編を読み終え、達成感がありました。ですので、長編出ないと物足りなさを感じてしまっています。

あとは、山口周さんの哲学的な考え方や中野伸子さんの脳科学に関する本も今読み進めているところです。中野さんの本は、言い回しもすごく心地よく、スーッと頭に入ってきます。わかりやすいので大好きになっています。

9月の読書メーター
読んだ本の数:26
読んだページ数:8090
ナイス数:230

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻すビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す感想
内容が抽象的で私には、イメージしにくかったので再読した。今後は、これまでの社会と違ってコンサマトリーな時代がくるだろうとの予測。人間らしい、直感的な文化的に豊かな生活を送りたいと考える人が多くなるという考えには同感だった。戦後からずっと役に立つものを作り続けてきた日本人にとって、価値観が大きく変わるような気もするが、すでに、そういった動きもあると感じている。みんなが言う豊かさではなく、本当に自分がやりたいこと、人は生きている意味をしっかりと考える時代になるのだろうと思った。
読了日:09月03日 著者:山口 周
武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50感想
外国との比較を知って、日本では哲学はあまり使用されていないことを残念に思った。哲学的な考え方を知っているかどうかで、人間の豊かさや深みが変わると感じた。子どもの頃から、哲学に慣れ親しんでいる海外と比べると、現実的な話だけと、最終的にどこか貧相な考え方になるような気がした。この本に記された哲学的な考え方をすぐに応用して使用できるまでにはならないけれど、ビジネスや日常の中にそのような使用方法があると気づけたことは大きい。
読了日:09月03日 著者:山口 周
姑の遺品整理は、迷惑です (双葉文庫)姑の遺品整理は、迷惑です (双葉文庫)感想
読み進めるうちに、ものをたくさん残している義母のへの想いが変化してくる主人公に共感した。遺品には、その人の生き様が出ていて、いい悪いではなく、その人らしさなんだと理解した。実父の遺品整理を3日で終えた時、その量の凄さに、感情を入れずに処分することに徹していたのも、感情を入れると終わらないと思ったから。人が一人逝ってしまうことで、モノを処分する作業が生まれるけれど、それは、その人の生きてきた道を振り返る作業だと感じ、では、以前の遺品整理はあれでよかったのだろうか、とふと思い返した。
読了日:09月04日 著者:垣谷 美雨
外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術感想
読んだことあるかも、と思いながら読んだ。再読だったとは…。人の記憶なんてそんなモノだと思った。この記録がなければ、新鮮に1度目だと思っていたと思う。読書の役に立つ部分を後々検索できるようにということについて、1度目に衝撃を受けたことを思い出してきた。でも、今では読書を続けている中で、読書メーターにその時の私の思いを記録することで事足りていると感じている。たまに、ビジネス本の感想はたまに見返すことがある。ビジネス本のオーディブルの感想は、文字を見返せない分、残念ながら少し物足りなくなってしまう傾向がある。
読了日:09月04日 著者:山口 周
あおい (小学館文庫)あおい (小学館文庫)感想
日常生活の中で素直に思ったことを、素直に書いていて、作品の中では語られていないのだけれど、その包み隠さないところに親しみを感じた。若い人の普通の生活の中で、感じることを普通に感じさせてもらえた。外から見ると、若い人が適当に生きているように見えるけれど、心の中ではすごく大きなものが動いていて、暖かいものがあると感じられた。
読了日:09月06日 著者:西加奈子
決壊(下) (新潮文庫)決壊(下) (新潮文庫)感想
上巻の母親の言葉が心に残り、私はずっと謎を追っていた。殺人犯の息子を信じる母親と、殺人犯でない息子を信じられない母親と。どちらも親子の間で、お互いに本心を伝えられない環境があったのだと感じた。人は思っていることを口を使って伝えないと、伝わらないのだ。見えないものを信じる心と疑う心は、結局、強く思い込みをもつことが原動力になっているところで同じだと感じた。心が痛む作品だったが、まだどこかで裏があるのでは…と世間と同じように感じる私もいた。
読了日:09月10日 著者:平野 啓一郎
腰痛放浪記 椅子がこわい (新潮文庫)腰痛放浪記 椅子がこわい (新潮文庫)感想
夏樹静子さんが腰痛の原因を突き詰めた一冊でした。お金と労力とがすごいだろうなと思ってしまった。でも、ご本人も、なんとかしたいという思いと、原因はなんだろう?と言う思いとがあって、自分では心因性とは最後まで疑いながらだったけれどたどり着いてよかったと感じた。最終的に、断食的な手法だったけれど、その心的なアプローチの壮絶さのようなものと、ケロッとしているところとから、人間の不思議を感じた。面白かった。
読了日:09月10日 著者:夏樹 静子
模倣犯 1模倣犯 1感想
どこまでが偶然で、どこまでが仕組まれたモノなのか疑心暗鬼になってしまう。模倣班という意味が、どこから来ているのか、頭の隅で考えながら読み進めた。登場人物それぞれの性格が、発言だけでなく、細かい描写からも伝わってきた。これから、どんな風に展開していくのか楽しみ。
読了日:09月13日 著者:宮部 みゆき
模倣犯2 (新潮文庫)模倣犯2 (新潮文庫)感想
面白い…。ジワジワと1巻の謎に近づく感じがたまらない。淡々と登場人物の人間性がその仕草などから詳しく表現されていることで、ストーリーにすごく深みが出てくる。ストーリーも興味深いけれど、その表現力も素晴らしいと感じる。いったい全貌はどんな感じだろうか、と次巻が楽しみ。
読了日:09月15日 著者:宮部 みゆき
かたちだけの愛かたちだけの愛感想
すごくありふれた言い振りだが、愛のあり方についていろいろ考えた。何に愛を感じるのかが、人によって違うことと、感じ方が違う人と付き合っていくこと。自分が愛だと思ってるものが、相手にとっては愛ではないことが人が別れる理由にもなっているとは、寂しいとも思った。でも、この作品の中で、日常生活の中での人の思考について、深く考えさせられた。なるほど、と思えた。
読了日:09月16日 著者:平野 啓一郎
模倣犯3 (新潮文庫)模倣犯3 (新潮文庫)感想
読み進めていくと、想像とはまた異なった感覚が芽生えた。それぞれが知覚している世界は違う。同じ物ごとを経験していも、受け止め方には違いがあるという事がよく分かった。それを、友人として一つ一つの出来事について、友だちと知覚を合わせるように語りかける場面には、心を動かされた。こんな友情があったのだと感じた。亡くなった2人がこの2人だったとは…。少し残念な気持ちになった。
読了日:09月17日 著者:宮部 みゆき
模倣犯 4模倣犯 4感想
自分が正しいと思うモノが強くあれば、人は強く生きられるけれど、少し弱っている時に優しくされると、自分が楽な方へ、その考えが変わっていく。本人にとっては、自然な変化と感じられるかもしれないが、周りから見ると違和感を感じる。四巻の途中からは、読み進めながら主人公と同じくモヤモヤを感じた。、
読了日:09月18日 著者:宮部 みゆき
国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
世界の歴史についていろんな側面からの視点があって、面白かったです。全部理解できているかと言われると、ちょっと疑問ですが、私が心を掴まれたところは、緯度と文化の発展は関係ないということ。言い切れないということに納得できました。歴史から国家の成長を学ぶと、時代も変わって形も変わっているけれど、本質は変わっていない、人間のしていることって同じだな、と感じた。
読了日:09月19日 著者:ダロン アセモグル,ジェイムズ A ロビンソン
国家はなぜ衰退するのか(下):権力・繁栄・貧困の起源 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)国家はなぜ衰退するのか(下):権力・繁栄・貧困の起源 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
感想はちょっと難しいけれど、勉強になったなと言う感じ。世界的な視点を普段からもっていないので、上下巻合わせて、時代を超えた世界の動きがこんなにわかっているなんて…と感じた。
読了日:09月19日 著者:ダロン アセモグル,ジェイムズ A ロビンソン
模倣犯(五) (新潮文庫)模倣犯(五) (新潮文庫)感想
最終的には解消されたのだか、4巻から5巻は、犯人が分かっているのに、その犯人がいい人に見られて、本当にいい人が仕打ちを受けるような感覚が続いて、不協和音のようなイヤな気持ちが私の中に充満していた。とても長いストーリーの中に、綿密な伏線があり、全て回収されるこの作品の奥深さに感服。素晴らしいと感じた。ドキドキしながら読み応えのある作品だった。
読了日:09月19日 著者:宮部 みゆき
きれいになりたい気がしてきたきれいになりたい気がしてきた感想
著者は、外国人だと思って読んでいたが、日本人だった。そして、読んでいるうちに同年だだと気づく。初めの想像と違って、とても親近感を持ちながら読み進められた。40代後半辺りからの体調不良や、美魔女、若者への思いなど、とても共感でき、著者に親しみがわいた。
読了日:09月19日 著者:ジェーン・スー
「超」勉強力「超」勉強力感想
東大卒のお2人からのお話。頭のいい人と、一括りにするけれど、彼女たちは自分のことを天才とは思ってないし、その分、試行錯誤しながら努力している事が分かった。本を7回読むことなんかの発想は、努力でしかないと感じた。まず、そういったマネ出来るところはマネすることが必要だと思った。彼女たちに比べると、私はまだまだ努力が足りない。そして、その原動力は知りたい、学びたいという内面からのもの。知的好奇心を満たしたい人たちが、超勉強力をもっているとも感じた。素晴らしい。
読了日:09月19日 著者:中野 信子,山口 真由
僕が親ならこう育てるね僕が親ならこう育てるね感想
ひろゆきさん目線の子育て本。今までのしきたりとか、しがらみとかを取っ払って、いいこと言っていると思った。当たり前のこと、やってほしくない姿は親がしないことや、夫婦の悪口を子どもの前で言わない等、その通り。一番心に響いたのは「根拠のない自信を持たせてあげること。この発想はなかったけれど、それが子どもの強い芯の部分になると感じた。あとは、格闘技をやらせておくといじめられずにいいと言うのは、確かに納得。体裁に動かされず、そのまんまのことを、当たり前にやってみるって大切だと感じた。
読了日:09月19日 著者:ひろゆき
空気を読む脳 (講談社+α新書)空気を読む脳 (講談社+α新書)感想
すごく面白かった。面白いという言葉では薄っぺらい気がするので、興味深い内容だった、という感じだった。題名からは、もっと日本人らしいKYとかそういった抽象的な内容かと思っていたが全く違い、科学的な根拠を持って空気を読んでいる日本人の脳の働きを紐解いてくれた。また、中野さんの語りのような、読み手を労ってくれるような言い回しが、とても優しくて心地いい。科学的に説明するのが難しい空気を読むという内容を、科学的でいて、私たちが納得のいくようにわかりやすく説明してくれてた。
読了日:09月20日 著者:中野 信子
三体Ⅱ 黒暗森林 上三体Ⅱ 黒暗森林 上感想
スケールが壮大すぎて面白い。科学が進化しても、そして三体人は、人の頭の中は除き見れないと言う点で防衛計画を人の頭の中に封じ込めると言う発想。想像の範囲を超えていて不思議な気持ちになった。どこまでが計画でどこまでがフェイクなのか。主人公がどういった生き方をし、これから、人間はどう臨んでいくのかが楽しみ。
読了日:09月23日 著者:劉 慈欣
努力不要論――脳科学が解く! 「がんばってるのに報われない」と思ったら読む本努力不要論――脳科学が解く! 「がんばってるのに報われない」と思ったら読む本感想
努力の方向性や、その大前提に間違いがないかどうかを示され、また、ご自身の大学入試模試を現代の通信型のゲームのように例えられていた。私は模擬試験は苦痛でしかなかったが、上位の人たちにとって、それは日本全国を挙げてのゲーム感覚を持って望むものであったのだと知ると、努力でなく、モチベーションが上がるサイクルに入っていたんだな、と改めて感じた。努力と一口でまとめるには難しいが、努力することが目的とならないように、そして努力ありきではないこと、幸せは人と比較できないことをメッセージとして感じた。
読了日:09月23日 著者:中野信子
三体II 黒暗森林 下三体II 黒暗森林 下感想
宇宙に空きがあるか、善意と悪意、パズルを組み合わせていくと答えが導かれる。そしてこうやって生活している人間の生命体が、実は指数関数的に増えていると言うことが宇宙にとって非常に大きいという発想が面白い。説明されるとシンプルだが、知るまではとても複雑に感じる。面白かった。この後はどうなっていくのか興味深い。
読了日:09月24日 著者:劉 慈欣
三体III 死神永生 上三体III 死神永生 上感想
全巻が終わったときには、一旦落ち着いたような内容だつたこの後どうストーリーが展開するかと思った。でも、話が始まってみると、まだまだ3台は奥深かった。3台によって壮大な宇宙を体験できていたが、逆に宇宙も狭いような気がしてきた。文明とは何なんだろう?と言う感じがしてきた。全く予想のつかない展開や想定が楽しみだ。
読了日:09月26日 著者:劉 慈欣
三体III 死神永生 下三体III 死神永生 下感想
私にとって馴染みのない世界だったので、まずそれがとても面白かった。物理か数学か、理解が難しいところもたくさんあったけれど、そこは事実としてだけ受け止めた感じ。主人公が時代によって変化してくるが、とにかく背景が壮大すぎて、自分の想像を超えた世界へ導いてくれたことが楽しい。時間と空間の概念が、自分でもよくわからなくなるくらいにストーリーが興味深かった。壮大という言葉を何度もつかったけれど、全巻通してこの言葉しか思いつかず、その壮大さは巻を重ねるにつれてさらに壮大な規模になっていった。面白かった。
読了日:09月28日 著者:劉 慈欣
女に生まれてモヤってる!女に生まれてモヤってる!感想
私は女で損をしたとは、あまり考えたことなかったけれど、ちゃんと、はじめっから人として勝負をしてる人は男女の差に気づいていたんだな、と思った。心に響いたところは、絶対的な幸せでなくて相対的な幸せに向かうと言うようなところ。決めつけずにって、本当にそうだと感じた。あと、40歳くらいになったら色んな意味で落ち着くと言うこと。それは臨床の世界でもそう言われていると知ると、自分と重ね合わせてもそのような気がした。若い頃の方が、女は何かとしんどいような…。
読了日:09月29日 著者:中野 信子,ジェーン スー
君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)感想
久々のラノベ。人の死が周りの人の心に与える影響を感じながら、多感な高校生の淡い気持ち恋心が感じられた。きれいなお話で安心して読めた。
読了日:09月29日 著者:佐野 徹夜

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