心理師 juneberry’s blog

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外から俯瞰して見る

おとといの帰り道。

勤務先の近くに、駐車場があるので
駐車場までの道を、歩いていました。

細い道の住宅街で、あまり人通りもないところです。
もう、6時半くらいだったので真っ暗でした。
たまに、犬の散歩をされている方がおられるくらいです。

その道で、おばあさんらしき人が声をかけてきました。
街灯がない場所だったので、お顔が見えないまま

「〇〇駅の方って、こっちですかね?」と。

「いいえ、あっちですよ。」
と、少し明るいところまで移動して指差しました。

〇〇駅とは最寄りの駅ではなく、隣の駅でした。
(私鉄沿線なので、隣の駅は近いですが)

私も、突然のことで何のことかわからず
初めは、全体像がわからないままお話をしていました。

とりあえず、聞いていると
どうも、家に帰る道がわからなくなった…と言うおばあさんでした。

ただ、電車で出かけていたような
普段着ではない、子綺麗な格好しておられたように感じました。

そして「考え事をしていて…」「なんでわからなくなったんやろ?」
と何度もおっしゃっていました。

私は、失礼のないように
「住んでいらっしゃるおうちですか」
と尋ねると「はい」と言うことでした。

もしかしたら
娘さんのお家に来られて、帰り道がわからなくなってしまったとか
そういうイレギュラーなことかな、とも思ったのですが
そうでもないようでした。

個人情報のことも気になりましたが
とにかく、お家を探そうと住所をお聞きすると
住所をおっしゃったので
それをGoogle マップで見てみると
少し離れたマンションで確かめてもらいました。

車を使うほどでもなかったので
一緒に歩いて行こうと思って、歩いていると
大きな通りに出て

「あーここわかります。なんでわからなくなったんやろ?
ほんとに認知症みたいよね」とおっしゃって

「大丈夫です」と言うことだったので
そこで別れました。

帰宅して、その話を夫にすると
(夫は老人介護をやっています。そして私も携わっていました…)
「それは認知症の始まりかもね」と言いました。

私も、もう少し引いてみていれば
確かに認知症の始まりのように感じることができたと思えました。

そう思うと
その後、まっすぐの道だったけど、マンションまで帰れたのかなと
心配にもなりました。

私の学生時代に
徘徊がひどかった同居の祖母も、知らない土地まで歩いて行って
歩き疲れて誰かに助けてもらうことがありました。
それを思い出すと
これは、交番まで一緒に行ってもよかったのかな、とか
家族の人が、道に迷っているその状況を知らないかもしれないな…とか
いろいろ思いました。

私も初めお話しした時に、認知症という言葉はよぎりましたが
決めつけることは失礼だし
お話を聞いて、その通りに対応しましたが
失礼のないようにという思いが強く
認知症ということを、強く排除していました。

通りすがりのものとしては
今回できることをした、とは思います。

でも、初めからもう少し、全体を俯瞰して見られていたら
何か対応が変わっていたかも知れないな、と思っていました。