2022年10月読書まとめ
投稿が遅くなりましたが、記録として10月のまとめをします。36冊とは結構読んでいると思った。10月は伸び伸びと本が読めた気がします。
見返してみると10月の初めが、すごく昔に思えてしまう。いろいろ読みながら、刑事もの面白いといろいろ読んだり、吉田修一さんを知り読みあさっている感じです。また、「窓際のとっとちゃん」を40年ぶりに読んでみて、やっぱり感動するという年代を超えて感動させてもらえる作品だと実感した。
10月の読書メーター
読んだ本の数:36
読んだページ数:12907
ナイス数:351
ブラックマーケティング 賢い人でも、脳は簡単にだまされるの感想
マーケティングと言うと、良いマーケティングばかりが紹介されている。今回この本では、詐欺などの悪いマーケティングについても解説されている。マーケティングは、人の脳をどのように動かすかと言うところが主な視点になっていて、本書で書かれている中にも私がマーケティングに踊らされていると感じた部分が雲が多くあった。脳の働きは個体差があって、全てが一定のレベルではないが、マーケティングと言う名を借りて、そういった人たちが痛い目に合わないようなことが考えられたらいいと思った。
読了日:10月01日 著者:中野 信子,鳥山 正博
俺ではない炎上の感想
SNSの乗っ取られ?から終わりの未来へとなる。臨場感があって、前半部分はドキドキしっぱなしだった。後半になるにつれて、この小説の構造がわかってきて、なるほどと最後の最後にやっと理解できた。面白かった。
読了日:10月01日 著者:浅倉 秋成
ハヤブサ消防団の感想
池井戸潤さんの作品なので、勧善懲悪だろうと安心して読み進めていたけれど途中では、誰が裏切っているのか疑心暗鬼になってドキドキした。安心して読めた作品。
読了日:10月02日 著者:池井戸 潤
ひとまず上出来の感想
中野伸子さんとの本から、ジェーンスーさんに興味がわいた。歯に絹着せぬ物言いが面白い。女性が歳を重ねていくことを実生活からも斜に構えて見ていて、同年代女性なら一度は思うだろうことを上手く紐解いてる。共感でした。40過ぎての化粧についてが、そうだったんだと一番納得できた。
読了日:10月02日 著者:ジェーン・スー
星の子 (朝日文庫)の感想
新興宗教を侵攻している両親を客観的に見ている娘が主人公。外から見ていると違和感があることも、家族全体がその環境で完結していて、家族円満なら、内にいる限りは問題はないのだとよくわかった。家族内の視点から、両方の良さがわかって、少女の揺れる気持ちがうまく描かれていた不思議な世界観をもった作品だった。
読了日:10月03日 著者:今村夏子
貴様いつまで女子でいるつもりだ問題の感想
全て、共感できる訳ではないけれど、女子の心の中に一度はよぎったことに触れてくれていた。発想が面白いので、気楽にサラッと読ませてもらった。女子の心の中にある傷ついた心って、(男子でもあるかも知れないけれど)辛いけどそれを紐解いて行くと、辛い現実があるんだな、とかんじた。あまり女子に不満はなかったけれど、男子に生まれていたら、それは性が違うだけだけど、全く違う性格も出て来たかもしれないな、とも思った。
読了日:10月04日 著者:ジェーン・スー
ユダヤの商法(新装版)の感想
すごく昔の本だけど、全く色褪せていない。ユダヤの本は読んだことはあるが、これほどシビアに書かれていなかった。この本に載っていることをしていれば、儲かるのもわかる気がする。日本とは魔反対というか、シビアに数字を追求し、約束を必ず守り、それがどんなに情に流されそうな場面でも、ルールとして割り切れるような感覚を持っていると感じた。基本的には、ユダヤ人は人を信用しないということが書かれていた。今では、ユダヤ人は国家を持たないというわけではないが、世界各国で活躍する根本が見えた気がした。
読了日:10月04日 著者:藤田 田
三体X 観想之宙の感想
三部作とは作者が異なると知り、それでも続編が読めることにワクワクして読みはじめた。今までのたね明かしのような部分は、本当に作者が違うのか?と思うくらい、しっくりとくる内容になっていた。その後の展開は、さらにSFチックになっていって、ついていくのが難しく感じられた。まだ先が続くのかどうかはわからないが、この壮大なストーリーを読むと、日常や数十年単位くらいの普通の人生が小さく感じる。
読了日:10月08日 著者:宝樹
サイコパス (文春新書)の感想
サイコパスの考え方を、脳科学の観点から紐解いている。勝ち組サイコパスと負け組サイコパスとが存在することも驚きだったが、納得もできた。サイコパスが絶滅せずに、存在することを考えると、一定の職業では非常に大切な才能とも言えるように感じた。ただ、自分の身近にいることを考えると困るので、関わらないようにしたい気持ちには変わらない。性格として理解すると言うよりも、別モノとして認識するといいと思った。
読了日:10月08日 著者:中野 信子
ラストライン (文春文庫)の感想
久々の刑事もの。私は結構、刑事ものが好きだと気づいた。いつの間にか今までの小説の中から、特捜や相棒などの仕組みも学んでいて、そうそうと思いながら読んだ。残虐な部分もなく、推理しながら、そして、まだ明かされていない部分にも興味があり、今後が楽しみに感じた。
読了日:10月09日 著者:堂場 瞬一
土葬の村 (講談社現代新書)の感想
まだ最近まで、土葬やそれに関する儀式が行われている地域があったとは、そこに驚いた。それは、すごく昔(明治くらい)のことだと思い込んでいた。そして、少し前までは、村の人たちでそれを担っていたことに驚いた。でも、お棺割りも村々で行わないとその後の村にも影響がしてきてしまう。本当に少し前までは、私たちの生活の中に人の死があったのだと感じる。私が子供の頃は、自宅での葬儀だったが、40年ほど経ってすっかり会館での葬儀が主となっている。良し悪しは別として、今は死者が自宅に帰ることも無く、時代の移り変わりは本当に早い。
読了日:10月09日 著者:高橋 繁行
起業のすすめ さよなら、サラリーマンの感想
気楽な起業のイメージで読み始めたが、本気の企業の書籍だった。自分を知り信頼できるパートナーを探す。これが一番難しく感じた。その分パートナーを探せれば心強く進められる。私はここまで大それた起業を考えていなかったが、記述されていることは王道だと感じた。今後は起業家の時代で、上の時代と下の時代と繋がりながら、企てる起業家が必要だと言うことだった。
読了日:10月09日 著者:佐々木 紀彦
「一人で生きる」が当たり前になる社会 (ディスカヴァー携書)の感想
何かで読んだともうけれど、女は「仕事」男は「恋愛」で自己肯定感が決まってくることは、再度納得できた。2040年にはソロの方が多くなり、既婚の方がマイノリティになると。これは衝撃的。その社会に入れないとダメと言う思いが強く、同調圧力がアメリカの方が強いと言うのもすごく意外だった。階級的な考え方が強いのか、社会の方が優先される欧米とは思ってもいなかった。日本は昔からソロ文化があったのだと改めて感じる。
読了日:10月09日 著者:荒川 和久,中野 信子
拳の先 (文春文庫)の感想
勝つこと、負けること、逃げること、居場所を探すこと、強いこと、弱いこと、それぞれの解釈をしながら、それぞれ自分自身の問題と向き合っていく様子があった。外から見て、どう見えているかではなくて、自分がどう感じるか。ボクシングをとおして、正面から受け止められるかのような、生き方を考えさせられた。ボクシングは、人間の本能の部分をあからさまにしながら、自分の不安や恐怖と闘っていた。メンタル面で強くないと務まらないな、と思った。
読了日:10月10日 著者:角田 光代
窓ぎわのトットちゃん (講談社青い鳥文庫)の感想
小学生の頃に母が読んでいたので私も読んだ。もう40年前。当時「トモエが焼けた」の章で涙が出たことをだけは覚えていた。こんな話だったのか、そんな気もする…年月を超えても、やっぱり感動した。お友達が亡くなったところも思い出した。障害のある子どもたちへの校長先生の温かい気持ちと、戦争についてが書かれていたことは、小学生の頃にはあまり気づいていなかった。年代を超えて心を動かされるお話。素晴らしいです。
読了日:10月11日 著者:黒柳 徹子
割れた誇り ラストライン 2 (文春文庫)の感想
本って読むタイミングによっても、いろいろ感想が変わると思うけれど、このシリーズは、少し推理があって、それほど残忍な殺人もなく、私の今の状態にちょうどいい感じのストーリー。主人公の謎の部分がまだあるので、それにも少し期待がある。気持ちよく読めた。
読了日:10月12日 著者:堂場 瞬一
無敵の読解力 (文春新書 1341)の感想
いろいろな世界の出来事を、違う視点から教えてもらえて、私の常識としてもっていた世界情勢や思想をある意味覆してくれたと思う。どんな本を読んでいるのかで、その人の思考がわかるというのは、理解できるが、政治家が小説ばかりを並べていて、親近感持てる…なんて思っていたらダメなんだな。菅さんのラインナップに対する解釈もすごいし、私は政治家じゃないからいいんだけど、そこまでの読書はできてないな、と思った。あまり考えたことのない分野を、いろいろ考えさせられた本だった。
読了日:10月12日 著者:池上 彰,佐藤 優
在宅ひとり死のススメ (文春新書 1295)の感想
おひとりさまシリーズの…と聞いても知らなった。同居人数が2人が一番ストレスを感じるという調査結果に、驚きと納得を感じた。皮肉な感じがする。確かに、一人で最期を迎えることがダメみたいに、一方的に捉えられていることもメンタルブロックだな、と感じた。体裁ではなく、自分がどういう死を迎えたいのかを考えることが大切だと思った。
読了日:10月13日 著者:上野 千鶴子
迷路の始まり ラストライン 3 (文春文庫)の感想
シリーズ3冊目。何かが違うと感じていたことがやっとわかった。刑事ものだが、事件自体の推理よりも、主人公周りの人間関係の推理の割合が大きい。事件の詳細を知るという感じではない。そこが、また今の私にピッタリだったんだろうと思った。タイトルの迷路の始まりとは、ここから始まるということだろうか、結構長い作品になっていくのだな、と思った。
読了日:10月14日 著者:堂場 瞬一
潜入捜査 〈新装版〉 (実業之日本社文庫)の感想
刑事ものだけど、また一味違ったテイストだった。出向先での潜入捜査で忍者のような技が次から次へと繰り広げられ、安心感をもって読んでいられた。謎の部分も多いが、大化の改新からのつながりを感じながら、今の時代に手裏剣やパチンコ玉が通用してしまうことを受け入れられてしまうくらい、説得力のあるところが面白かった。
読了日:10月15日 著者:今野 敏
マル暴甘糟 (実業之日本社文庫)の感想
最近、刑事ものを続けて読んでいるけれど、温かいキャラの主人公だった。暴力団と警察官の間にある共通点を感じながら、主人公が日々の捜査の中で人間関係を作り、周りの人の心が動かされていく。キャラは濃いがそれぞれのよき先輩の姿を追いかけながら、ゆるいキャラではあるが、警察官としての線引きはしっかりとできていて、終始その人間性に安心させられた。
読了日:10月15日 著者:今野 敏
クライマーズ・ハイ (文春文庫)の感想
山登りの本かと思って、軽い気持ちで読み始めたらすごい作品だった。あの日航ジャンボ機墜落事故と新聞社事情と、山と、それぞれの親子関係とが、絶妙な割合でミックスされていた。昭和の時代の話だけれど、当時の会社組織はこんな感じだったのだろうか。確実な裏取を待つのか、スクープを狙うのか、また、投稿内容の判断など、何気ない紙面にもいろいろな思惑があるのだな、とも思った。
読了日:10月16日 著者:横山 秀夫
スマホ人生戦略 お金・教養・フォロワー35の行動スキル
読了日:10月16日 著者:堀江貴文
熱源の感想
面白かった。樺太アイヌについていろんな側面から語られていて、実存の人物も登場しその世界にのめりこめた。文明の波がやってきた時に、アイヌの人たちが考えたこと。倭人たちはすんなりと文明を受け入れられたのだろうか、と思った。アイヌの生き方がもともと自由だったからか、自然の中で生きてきたからか、すこし見えたその生き方、考え方に憧れも感じた。読み終わって、また初めを読むと話が繋がった。答え合わせみたいに感じた。
読了日:10月21日 著者:川越 宗一
怒り(上) (中公文庫)の感想
下巻へ続くところまでで、すべてがまだ点とてんのまま。この後、どれがどうつながって展開していくのかが楽しみ。脇役まで合わせて登場人物それそれが、魅力的な人間性をもっていてそれも興味深く感じられた。それぞれの事件とそれぞれの日常生活がどう結びつくのだろうか、という感じで下巻へ。
読了日:10月21日 著者:吉田 修一
怒り(下) (中公文庫)の感想
下巻、すごく深い内容だった。そして、人を信じることが、すごく難しいということをこの作品から感じた。最後には、自分の弱さから自分を守りたい思いから、人を信じきれない気持ちがある。信じることの反対は、裏切りになるのか。形ないものを信じ続けることの難しさを、たくさんの人の視点から見せられた。登場人物の人間性が魅力的なこととそれぞれの内省が深められる様子が、読んでいて面白かった。
読了日:10月22日 著者:吉田 修一
侠飯 (文春文庫)の感想
面白かった。初めは任侠モノかなと思いながら読んでいると、料理がとても美味しそうで、どんな事件に巻き込まれるのだろうかとドキドキしていましたが…
面白くて、とってもいいお話でした。
読了日:10月24日 著者:福澤 徹三
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)の感想
今ごろですが、村上さんの本2作目。独特の世界にどっぷりと入り込まされるパワーがすごい。言い切られてる感覚に圧倒される感じだった。細かいところまで疑う余地のない世界に入って、わからないままにも、私もその中で思考する。まだ、繋がらない謎が点となって存在している。下巻でこれがどう繋がっていくのかが楽しみ。
読了日:10月24日 著者:村上 春樹
打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)の感想
いろんな視点から見た、打ちのめされるようなすごい本を紹介されている。すべて読みたい!と思ってしまう。その解釈がまた興味深く、多くの本を読んだ作者だからこそ、それぞれのほんの良さを感じられるのだと思った。打ちのめされると言うくらいだから、オススメのパワーがホントに違う。
読了日:10月24日 著者:米原 万里
海辺のカフカ (下) (新潮文庫)の感想
ねじまき鳥を読んだ時には、わかりにくかったけれど、この作品はわかった気がした。どちらにしても抽象度の高いストーリーなので、読み手の想像の部分がすごく多くて、でもそれが今回は面白く感じられた。迷い込む世界にそれぞれの意味があるような、そして視点を変えると世界が広がることを教えてくれる部分もあり、ちゃんと読み取れているのかはわからないけれどすごく面白かった。これは本でしか味わえない世界だと思った。
読了日:10月28日 著者:村上 春樹
骨を追え ラストライン4 (文春文庫 と 24-18)の感想
誰が主人公なのか途中でわからなくなったが、これも面白かった。1つの物ごとに向かって、こうあって欲しいという希望からの流れでみんなが動き出した時に冷静に待ったをかける人が、どこでも必要だとも思う。
読了日:10月28日 著者:堂場 瞬一
だれもわかってくれない: 傷つかないための心理学 (ハヤカワ文庫NF)の感想
もっと軽い本だと思って読み始めるが、すごくしっかりとした本だった。普段の生活の中から愛着に関することまで、人が人のことをどう感じているのか、が具体的に記されていた。わかっているようで、人のことなんてほぼほぼわかっていないと感じる。人のタイプによって、アドバイス声掛けの違いが一番印象的だった。使ってみようと思う。
読了日:10月28日 著者:ハイディ・グラント・ハルヴァーソン
「空気」の研究 (文春文庫)の感想
日本では非常に大切にされている空気について、歴史的にも様々な視点から書かれている。見えないものだけれど、わたしたち日本人を支配している空気は、ひと言では言えないものであるが、それを無意識のうちに上手く使いこなしているのも日本人だと感じる。空気を味方につけて、空気のせいにする巧妙な手法もあるのだろうと思えた。それがいいことだとは思わないけれど、日本という国でそれを上手く操れたら楽に生きられるのだろうと思った。
読了日:10月28日 著者:山本 七平
県警VS暴力団 刑事が見たヤクザの真実 (文春新書)の感想
初めは小説のように変わらずに読んでいたが、それが真実となると、やっぱり読んでいて重く感じられてきた。小説のようであるが、それが実際だと思うと感じられることは違うんだと思った。また、どこまでのことが書けているのかわからないけれど、捜査上など、書けることと書けないこととがあるのではないかと思った。何度も書くが、聞いたような話でも真実というのはやっぱり重いというのが、感想だ。
読了日:10月29日 著者:藪 正孝
横道世之介 (文春文庫)の感想
すごく不思議な感覚。ふわっとした暖かさを感じました。核心には触れられていないけれど、核心を知ったような感じです。今まで思い描いていたようなストーリーではなく、いつの間にかストーリーが終わってしまっていた感じで、その余韻がまたいいです。とってもピュアな人だなと思っています。
読了日:10月31日 著者:吉田 修一
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)の感想
初めはとてもドロドロした感じだけど、そうでなく…。とぼけたような人たちが、実はとても暖かく、安心して読めました。
読了日:10月31日 著者:道尾 秀介
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