心理師 juneberry’s blog

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2023年3月 読書感想まとめ

 


3月は資格試験がありました。

勉強時間確保のために、年始から2ヶ月間、本を読んでいなかったので

久しぶりですごく楽しく読めました。

疲れた時には、小説を読んで癒される…

違う世界に連れて行ってくれてリフレッシュできる…

という感覚が強い1ヶ月でした。

 


70歳が老化の分かれ道 (詩想社新書)70歳が老化の分かれ道 (詩想社新書)感想
70歳と言うと、まだ先のことに思えたが、内容は常識を覆すような内容ばかり。少し痩せ気味がいいだと言うのは欧米をもとに考えられたもので、がんの罹患率の高い日本人にとっては免疫力が高まるぽっちゃりの方がいいと。納得の内容。人生100年時代は、若くして100まで生きられると勝手に思っていたが、体力が衰えてくる70歳からの30年間をどう生きていくのかを考えていかなければならない時代だと感じた。
読了日:03月06日 著者:和田 秀樹
汝、星のごとく汝、星のごとく感想
幼少期から親に振り回されている主人公たち。ヤングケアラーの彼らの優しさを感じながら心が痛む。誰かに依存しなくていいように、自立できるように、いつでもどこにでも飛び立てるように準備しておくことは大切で、自分の足で立てることは、自分を守るためであり、また自分の弱さを誰かに肩代わりさせないということ…いざという時には、誰に罵られようと切り捨てるそうしないと人生が複雑になってくる…すごく心に響いた言葉がたくさん。一人で生きていく覚悟、誰にでも必要だと感じた。
読了日:03月07日 著者:凪良 ゆう
非常識な成功法則【新装版】非常識な成功法則【新装版】感想
再読だけど、感想を書いたかどうかは覚えていない。でも、感覚的にはすごく新鮮で、こんな内容だったっけ?という感じ。1回目読んだ時と、響くところがまた違うのか…?今回は、不思議ととてもドロドロとした神田さんの一面を見た気がした。成功するまでは泥臭くガツガツいく「悪の感情」が頑張れるモチベーションになるのはとても共感できた。そして、成功した人の言葉と、その中途の言葉とは若干ニュアンスが変わってくるところにも納得がいった。最終的には幸せとお金とは関係のないことも何となくわかった。
読了日:03月08日 著者:神田昌典
フェミニズムってなんですか? (文春新書 1361)フェミニズムってなんですか? (文春新書 1361)感想
フェミニズムっていう言葉、わかっているつもりだったけれど、表面的にしかわかっていなかった。フェミニズムって思っていたよりも深いし、範囲も広い。私たち女性自身も差別だと思っていないような無意識のところまで入り込んでいて、どこから考えていいのかわからなくなった。理系の女子が少ない要因とフェミニズムについて、とても関係していると感じたけれど、それのどこから考えればいいのか。私たちの生活の土台の部分から大きく揺るがされると感じ、自分自身もそういった考えをよしとしてきたとわかり、複雑な気持ちがした。
読了日:03月08日 著者:清水 晶子
最高のオバハン (中島ハルコの恋愛相談室)最高のオバハン (中島ハルコの恋愛相談室)感想
とっても通快。パルコさんのあつかましさとハッタリに押されながらも、全体にどこか下品ではなく、すごく納得できるところに吸い込まれていく。お金は持っているけど、使いたくないようで、ケチな感じは受けないけど、財布の紐を固く結んでいるところも、親近感?がわく。ハッキリと言われることがなかなかない世の中で求められる人なのかも知れないと思った。
読了日:03月10日 著者:林 真理子
あなたの人生、片づけますあなたの人生、片づけます感想
片付けられない人や捨てられない人。その心の奥底にあるものをしつかりと紐解き解決していく。片付けることは、物ごとが、その人の中で消化できていないとできないことなんだと実感できた。自分が片付けられずに置いてあるものも、全く同じだとよくわかった。物と言うよりは、物ごとに思いを持っているうちは、片付けられないんだな… 。人の心理と片付けがすごく繋がっていると感じられた。
読了日:03月11日 著者:垣谷 美雨
心はどこへ消えた?心はどこへ消えた?感想
心理師の著者が、日々感じたことを心理師の目線を通して語ってくれている。心を表す方法は手紙や言葉や態度など色々あることにも気づかされた。「上の目」を持つことも客観視できるひとつの方法だと感じた。多くのクライエントの心の揺らぎを垣間見れる感覚がとても新鮮だった。固定化された自分の視点に気付かさせることが心理師の仕事だと感じた。
読了日:03月11日 著者:東畑 開人
人生ってなんだ (講談社+α新書)人生ってなんだ (講談社+α新書)感想
鴻上さんの本を初めて読んだ。とても深くて面白い。人が人間として考えていることを、俯瞰して描かれている。色々な人の人生を見ながら、演劇の世界で脚本を書いて、たくさんの人と仕事をしている人だからこそ、気負わずに描ける文章だなとつくづく感じた。エッセイの中に人の思考の様々な部分が詰め込まれているように感じる。また他も読んでみたいと思う。
読了日:03月12日 著者:鴻上 尚史
AI初心者のためのChatGPT 始め方/活用法: ChatGPTで仕事はどう変わる?我々はAIとどのように共存する?人工知能がもたらす変革とは 今から我々はどう動くべきかAI初心者のためのChatGPT 始め方/活用法: ChatGPTで仕事はどう変わる?我々はAIとどのように共存する?人工知能がもたらす変革とは 今から我々はどう動くべきか感想
ウワサのchatGTPについての概要を含めてわかりやすく解説されている。会話形式なので面白い。なぜGoogleが緊急事態宣言を発令するのかや、AIを活用するということの具体的なイメージを持つことができる初心者向けの本だった。私にとっては、使い方だけでなくその背景がわかりやすく描かれていたことが学びになった。これからは、AIをExcelのように活用できる人が重宝される時代になるのではないかと。
読了日:03月12日 著者:寺澤伸洋
香君 上 西から来た少女香君 上 西から来た少女感想
上橋さんの作品を初めて読んだ。あっという間に引き込まれた。自然の香りや身の回りの色々な香りから、また、人から出ているフェロモンのようなの香りが、感情によって変化する様子などがあり、今は空気として捉えているが、昔の人間がもしかしたら持ち合わせていた力かも…と思うところもある。とにかく、一人の少女が今後国の行末を含めてどのように関わっていくのか、とても興味深い。久しぶりに何も考えずに物語に入った。
読了日:03月12日 著者:上橋 菜穂子
怒鳴り親: 止まらない怒りの原因としずめ方 (小学館新書 435)怒鳴り親: 止まらない怒りの原因としずめ方 (小学館新書 435)感想
気楽な気分で選んだ本だったが、非常に重く、しっかりとした内容だった。私自身が、怒鳴り親だったなと思い出される部分とそこから抜け出す方法を考えていた頃が思い出された。また、親の生育歴や、愛着や発達の問題も絡んでくるところは、個々のケースによって異なるため、本当に判断の難しいところだとも感じる。子どもが小さい頃に家庭で気をつけておく事柄がピックアップされているので、その点ではとても有効だと感じた。
読了日:03月12日 著者:土井 高徳
くちびるに歌をくちびるに歌を感想
どんな話かな…と思ったら、Nコンの話しで「わたしが大好きな手紙」がテーマだった。自分もあの歌に思い入れがあったので、興味深く読めた。15歳ってホントに大人でもなく子どもでもなく、微妙な年齢だと感じる。自分ってなんなんだろう?と考え始める可愛い時期だと思っている。人生と言うには少し早いが、それぞれの違いを感じて成長していく時期を感じさせてもらえた。
読了日:03月13日 著者:中田 永一
終止符のない人生終止符のない人生感想
ショパンコンクールで闘った時の言葉、「敵は自分自身の中に潜む弱い心だ」が心に響いた。常に自信が漲っているように見えた反田さんの中にもそんな心があったのかとも思った。また、音楽家というだけでなく自分がマネジメントする側に立つことにも積極的で、コロナ禍でもその精神を最大限活かし、チャンスに変えている目の付け所やスピード感は、一起業家であると感じた。これからは、音楽の世界が当事者によるプロデュースやマネジメントで栄えてくる時代がくると感じた。
読了日:03月13日 著者:反田 恭平
カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)感想
久しぶりに王道の殺人事件を読んだ気分。昔読んだ怪人20面相やホームズを思い出した。上巻の最後の一言に心乱され、下巻がすごく楽しみになった。答えだけ教えられても解き方がわからないのは消化不良というか、欲求不満というか、面白い展開だと感じる。
読了日:03月15日 著者:アンソニー・ホロヴィッツ
旅行者の朝食 (文春文庫)旅行者の朝食 (文春文庫)感想
ひとつひとつの料理の説明も魅力的だが、それを取り巻く知識と、周りの人のやりとりがとても面白い。食というと自分の文化と繋がっていて、聞いていると美味しそうだけれど、実際に食べた時に自分がどう反応するのかがわからないから、また興味深くその時が楽しみに感じる。知らないことを体験するのは本当にいくつになっても楽しみに思う。実際の体験がないと、味覚の想像は難しい。だからこそ、すぐに食べられないものは、こういう本での想像が訳に立つのかと思った。
読了日:03月15日 著者:米原 万里
腹を割ったら血が出るだけさ腹を割ったら血が出るだけさ感想
少女趣味と言えばそれまでだが、その少女っぽいストーリーに年甲斐もなくキュンときた。全体的にストーリーが映像のように見えた。周りの目を気にして本心を出せずにいる若い子の気持ちが綴られ、それに共感できる人と、そうでない人の感覚の違いに傷つく主人公の気持ちに私は共感できた。
読了日:03月16日 著者:住野 よる
ウェルテルタウンでやすらかに R.I.P. werther townウェルテルタウンでやすらかに R.I.P. werther town感想
軽く楽しい本。自殺の名所、安楽死をテーマとして町おこし的なストーリー。考えが斬新だったので、もっともっと詳しく知りたかった気持ちが強くある。面白さの中にも人の生死について、何をもって安楽死なのか、周りの者が誇りと思える死を良し、とするのも確かによくわからないと感じた。物語の世界を、もう少し深く知りたく思った。
読了日:03月18日 著者:西尾 維新
そして誰もゆとらなくなったそして誰もゆとらなくなった感想
この本の中にも書かれていたが、小説と思ってよみはじめてしまった。軽い感じのエッセイだと感じた。「何者」くらいしかよんていなかったが、のクールな感じとはまったく違い驚いた。
読了日:03月18日 著者:朝井 リョウ
死神の精度 (文春文庫)死神の精度 (文春文庫)感想
以前に死神の浮力を読んだと思う。少し感覚が違った。一つ一つの物語に余韻が残されているところが私は良かったと思った。死神の仕事が何度も人間世界を行き来していることは理解していたが、あぁととても懐かしい感覚を持って終了する感じがまた良かった。
読了日:03月19日 著者:伊坂 幸太郎
誰かがこの町で誰かがこの町で感想
日本ぽくて怖い話だった。殺人事件を調べる系、久しぶりに読んでドキドキした。周囲からはみ出ることをとても恐ろしく感じるのは、日本を含めたアジアで見られる傾向だと感じる。もっと楽に生きればいいのに…と人ごとなら言えるが、実際、自分の身に降りかかってくるとどこまで実行できるか、私も自信がない。それほど、日本人の心の奥深くに鎮座する問題だと思った。
読了日:03月19日 著者:佐野 広実
よくがんばりました。よくがんばりました。感想
貧しく不遇な少年期を過ごし、縁を切った父親の死をきっかけに改めて故郷を訪れる。人が何をどう感じるか、というのはその視点に大きく左右されていて、全体像を知ると違ったモノが見えることもあると感じた。自分が捨てられない執着は自分がじんせいをかけて大切にしてきたもの。そして、そこまで大切にして来た自分を褒めてあげることで、手放す強さが湧いてくると。執着というとマイナスイメージがあるが、褒めてあげるという視点から見てみたいと思った。
読了日:03月20日 著者:喜多川 泰
ひとごと (角川文庫)ひとごと (角川文庫)感想
それぞれの短編が解決するわけでもなく、途中経過のような感覚がある。日常に流されているいろんな出来事、ひとつひとつに焦点を当てると、それぞれに大切なことがあると感じた。生活の周囲で見聞きすることひとつひとつに、いらんなストーリーがあると感じた。
読了日:03月20日 著者:森 浩美
鍵のない夢を見る鍵のない夢を見る感想
途中まで読んだ記憶があった。それぞれの短編に凝縮されている気持ちの重さに圧倒された。それぞれの主人公の表と裏の気持ちと言うか、体裁と自分の思いと言うか、相手との気持ちのすれ違いのようなモノからくるもどかしさを感じたことが共通点だった。好きな相手の考え方と自分の思いが異なる時に、こんなにも言えない人がいるのかな、ともどかしさを私は強く感じた。
読了日:03月20日 著者:辻村 深月
アイネクライネナハトムジークアイネクライネナハトムジーク感想
短編みたいだけど、繋がっている不思議な感覚だった。また、時代が前後していることになかなか気づけず、後でなるほど…となる箇所もあって、だんだんと物語の建て付けがわかってきた感じだった。さいとうさんも登場し、残念ながら私は楽曲が分からず、ピンと来なかったが、斉藤和義さんを知っていればもつと奥深く楽しめたんだろうな…とかんじた。
読了日:03月20日 著者:伊坂 幸太郎
エゴイスト (小学館文庫 た 42-1)エゴイスト (小学館文庫 た 42-1)感想
なるほど…エゴイストかと思った。自分がやってあげたいことをすすめていくことが、本当にその人にとって良いことかどうかは、わからないと確かに感じた。しかし、多かれ少なかれ、人は自分がやってあげたいと思うことを軸に人と接しているし、それがすべてエゴイストかどうかと言われれば、少し異なると感じる。でも、選択肢の少ない人に対して良いと思うことを提示することは、本当にその人が自立してその選択をしているかと考えると難しいとも感じた。良かれと思って…というのは自己欺瞞が潜んでいることもあるのだろうか。
読了日:03月21日 著者:高山 真
ペッパーズ・ゴーストペッパーズ・ゴースト感想
小説と現実の融合のような、その理由もわたし的には納得のできる物でなるほど面白いと思った。ニーチェの幸せについてがベースとなってそれぞれの解釈で幸せに向かってすすんでいく感じ。ファンタジーチックなところもあるが、心強い味方が現れ物語が進んでいくことに安心感を覚えた。立場立場でそれぞれ感じることが異なり、また個人によっても考え方が違うのは当たり前だが、自分と違った考え方には、まだまだもどかしさを感じる部分を感じてしまうと思った。
読了日:03月21日 著者:伊坂幸太郎
病院サバイバル―週刊東洋経済eビジネス新書No.414病院サバイバル―週刊東洋経済eビジネス新書No.414感想
コロナ禍で注目されるようになった医療職の働き方について、看護師の前残業や、人材不足に反して潜在看護師の多さ、医学部の地域枠、地方の国公立よりも都市部の私学医学部人気、そして医学部の偏差値上昇によって本当に困るのは患者だということ。医師のブラックな働き方については本当に深刻な問題だと感じた。
読了日:03月21日 著者: 
果つる底なき (講談社文庫)果つる底なき (講談社文庫)感想
池井戸さんの作品を久々に読む。正面からの殺人が登場するのは初めてかもと思った。金融機関とそのお金の動きと、出世競争に目が奪われた。大人の世界は怖いな…と今更ながら感じた。時代は変わったのだろうか。
読了日:03月22日 著者:池井戸 潤
全米トップ校が教える自己肯定感の育て方 (朝日新書)全米トップ校が教える自己肯定感の育て方 (朝日新書)感想
ソシオメーター理論が興味深く感じた。周りの評価などの社会性として、相手がどのように感じているかの自分なりの判断が自己肯定感だと言っている。なるほど…と納得。また利他的であること人に好かれること、人に優しくすることが大切。また、ソシオメーター理論の大切なところは、周りが実際にどう思っているかではなくて、周りがどう思っているかを自分がどう感じるかだと言うこと。利他的に行動していると周りがどう思っているのかと言う不安な気持ちが解消し、自己肯定感が上がり、最終的には周りがどう思おうと言うこととは別問題になると。
読了日:03月22日 著者:星友啓
冷血(上)冷血(上)感想
前半の加害者と被害者の日常生活を読みながら、これから起る事柄を予想してドキドキして怖かった。嫌ミスってこんな感じだっただろうか…と思いながら読み続けた。事件後の警察の動きに変わり、飛ばされた犯行部分が逆に自分の中で、クローズアップされてしまい、その様子を期待していた。すでに終わった事件となっているが、わからない部分が多く、怖さを感じてしまうところが、面白いと思えるところでドキドキが止まらない。下巻が楽しみ。
読了日:03月25日 著者:高村 薫
我らが少女A我らが少女A感想
過去の事件を中心にしながら、その周りを紐解いていく過程で、その事件に焦点が当たっているようでそうでなく、周りで起こっていた様々な事実がわかってくるところが面白い。私が一番興味深く感じたところは、ADHDや精神の手帳を持っている脳の機能障害のある人の頭の中を覗けた気持ちになったところ。薬を飲んで、だんだんとテンションが下がっていくところや、逆に薬が切れてきていろんな思考が登場し、飛び跳ねているところなどは、そう言う事なんだな…と感じられた。
読了日:03月25日 著者:髙村 薫
レディ・ジョーカー〈上〉レディ・ジョーカー〈上〉感想
高村薫さんの作品2作目にして、やっと焦点に慣れてきた。見えないところが知りたくなり、モヤモヤしたまま時代も超え、周りの登場人物が動いて、また複雑になる感じが面白い。下巻でどんな展開になるのかが楽しみ。
読了日:03月26日 著者:高村 薫
リセットリセット感想
年代も近くとっても共感でき、そういう意味で面白かった。時代が変わっていく中で、理想の女性像はあるけれど…そして、母親世代とのギャップ。理想だけ言われても結局、責任を取ってもらえるわけでもなく…なんか分かる…時代は確実に変わっていってるけれど、その速度がゆっくりだつたり、家庭内では変化していなかったりで、世代によってはしわ寄せが女性に集まっているところがあると思った。結局、家庭にはそれぞれの価値観とルールがあり、一斉にと言うわけには行かないと感じた。
読了日:03月27日 著者:垣谷 美雨
最高のオバハン 中島ハルコはまだ懲りてない! (文春文庫)最高のオバハン 中島ハルコはまだ懲りてない! (文春文庫)感想
面白いだけでなくて深い。ズケズケ言う、オバハンハルコのアドバイスの中に、すごく心理学的な視点があると感じた。自分が一番大切にしているものやありたい姿、自己概念を暴いていくところが、あっぱれと言う感じ。こんな人が周りにいたら、自分の視点だけでなく、どんどんと世界が広がって楽しいだろうなと思った。
読了日:03月28日 著者:林 真理子
死ぬならば、死にたいときに死ぬならば、死にたいときに感想
認知症を実体験できるようなストーリーだった。もしかしたら、自分がそうなることもあるような、その時にこんな気持ちになるような気がした。何もかもが理解できずに、わからなくなってしまえば、悲しむようなこともないが、まだらに認知症が出るとすれば、とても悲しいだろうと感じた。
読了日:03月28日 著者:辻堂 ゆめ
Iの悲劇 (文春文庫 よ 29-3)Iの悲劇 (文春文庫 よ 29-3)感想
どうしてもWの悲劇のイメージが強く、思っていた内容とまったく違っていて、それはそれで面白かった。田舎の公務員か都会の企業の勤め人か、と言う問いもありながら、現代の人々の生き様、幸せはそれぞれの価値観(思い込みかもしれないが)であるとも感じた。田舎へ移住する人たちのそれぞれの思いとちょっとした推理が、田舎の風景とともに心地よかった。
読了日:03月28日 著者:米澤 穂信
ストーンサークルの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)ストーンサークルの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
面白い。伝統的な推理小説、王道という感じだが新しい作品だというところがまた興味深い。ストーリーの奥深さと着々と真相に近づいていく感覚がホームズや、コロンボ的で懐かしく感じられた。謎が何層にも重なっていて、すぐに答えが出てこないところにも、早く次を読みたい気持ちを掻き立てられた。早速シリーズを読んでみたいと思った。
読了日:03月31日 著者:M W クレイヴン
掬えば手には掬えば手には感想
人の気持ちがわかるというのは、すごい力であるようだが、読み進めるうちに、実はそれほど不思議な力ではないように感じられた。自分がその人をどう受け止めるか、どう関わっているのか、どれだけその人に思いを馳せているのかが関係していると思えた。そして、相手の気持ちとして感じられたものを、その相手に返しているのかどうかは、周りが評価する大きな指標になっているとも感じた。結局、相手の本当の気持ちは聞いてみないとわからない、と当たり前に思った。面白かった。
読了日:03月31日 著者:瀬尾 まいこ

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