心理師 juneberry’s blog

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父のこと #10好きなことをさせなアカン

 子どもが産まれてから、父と話をすることが増えた。 

いつも父は、孫のことを思い

「子どもには好きなことをさせなアカン」

と言う。

私は、3歳からバレエ、4歳からピアノを習い 
「習い事は10年続けないといけない」

という母の教えを守り
辛い気持ちを我慢して、やってきた。

 
小学校に入ると、合唱隊に入り
吹奏楽部に入ると、そこからフルートも習い…とまだまだ続いていく。

いつも習い事に忙しく、家ではお茶とお華を習い、
絵に描いたような教養を積み上げてきた。

私が5年生の時に「塾に行きたい」といったが
「小学校では必要ない」と却下された。

3つ下の弟は、翌年の3年生から塾へ行きはじめ
私には、なんとも納得のいかない感じが残った。

「バレエは続けても大学にはいかれへん」

と母に言われ、中1でやめることができた。 


でも、音楽系の習い事は、やめさせてもらえず 
後で思えば高校生の時には、円形脱毛症にもなっていたが
それらすべてが母の一存だったのかと

はじめて聴いたときには耳を疑った。


夫婦の中での情報共有はなかったのか。
と言うか、マイペースな父は子どもへの関わりがなかった
ということもあったのだろう。

 

父の
「子どもには好きなことをさせなアカン」

という言葉を出産後に初めて聴き
「なんという理解のある父親だったのか?」

と驚いた。

そんな風に考えているなんて

子どもの頃には、思ってもみなかったから。
どうせ、馬鹿にされているんだろうと思い込んでいた。

「好きなことでなかったら続かんやろ」って

その通り。

なんで、今までそんな父の思いを知らずに暮らしてきたのか
「ま、仕方ないけど」と思った。

すべてを含めて、仕方ないことだと思った。