心理師 juneberry’s blog

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2021年12月の読書感想まとめ

12月の読書メーター
読んだ本の数:24
読んだページ数:6615
ナイス数:84

薄闇シルエット (角川文庫)薄闇シルエット (角川文庫)感想
女性の生き方について、物語を通じていろいろ考えました。 誰の人生も正解があるわけではないし「その人はその人になっていくしかない」この言葉が突き刺さった。女性って子どもを産むことや子育てすること、対等に仕事を考えないといけないようなところがあるような気がして…私の母親が専業主婦だったから、働いていることへの後ろめたさが私あったことを、改めて思った。 どう生きても、後ろめたさはないはずなんだけれど、心の奥に何かしこりがあるようなことを思い出しました。
読了日:12月04日 著者:角田 光代
三叉路ゲーム (文芸社文庫 あ 3-14)三叉路ゲーム (文芸社文庫 あ 3-14)感想
事件の全体像がわかるまでのドキドキ感と、ふとした時に、今までの点と点がつながる瞬間や、展開、テンポの良さが面白かったです。このゲームの裏にある人の醜い部分や、組織内にある忖度… 麻野さんの作品からは、小説なんだけれど、そう言うことがあるんだろうな、という思いで読んでしまいます。面白かったです。
読了日:12月04日 著者:麻野 涼
東京タワーが消えるまで (徳間文庫)東京タワーが消えるまで (徳間文庫)感想
ちょうど体調を崩しているときに読んだので、仕事で疲れている登場人物を俯瞰しながら、私は、働き方についても考えていました。仕事が楽しくて、一人で会社を設立したアラサー女子のパワフルさを見ながら、働き方って何がいいとは一概に言えないかな、という考えに、私は至りました。そして、支えてくれる人がいて働けるんだと強く感じました。
読了日:12月04日 著者:森沢明夫
壊れた人々壊れた人々感想
単純だけど面白いストーリーだった。小説通りの殺人事件が起こる展開だが、その中にも勘違いもあり…。
読了日:12月04日 著者:林麗子
癒し屋キリコの約束 (幻冬舎文庫)癒し屋キリコの約束 (幻冬舎文庫)感想
人の心の奥にある、幸せと不幸の違いや、ふつうに生きることが人生の正解か、無駄なエネルギーを使わずに生きることが正解か、等々…50代の私にも、心に響く言葉がたくさんありました。短所で人は愛される…なんかわかるような気がしました。確かに短所を隠している人は、小さく見えます。 そして、相手に「ありがとう」を言えたら、過去を受け入れました。という感情が芽生える。芽生えるから言えることでもあるけれど、奥深い…。 キリコの包容力とその生き方とがとても魅力的でした。
読了日:12月05日 著者:森沢 明夫
チェリーブラッサム (角川文庫)チェリーブラッサム (角川文庫)感想
山本文緒さんの作品を、いろいろ読んでいます。昔に少女小説を書かれていたとは、衝撃的でした。ご本人からのあとがきで、復刻させた経緯等も書かれていて、以前読んだ「カウントダウン」でも同様の気持ちになったけれど、なるほどな…と納得しました。小説家が成長していく過程を見られたように感じました。
読了日:12月05日 著者:山本 文緒
キラーシード“魔の種” (徳間文庫)キラーシード“魔の種” (徳間文庫)感想
遺伝子組み換え作物をめぐるミステリーでした。 問題が起こってしまった時の企業の隠蔽体質が恐ろしく感じました。食べ物に関して何かが起こった時、昭和の時代にはそれを隠蔽し子どもが障害を持つようなことがあったけれど、もう、今の時代にはそんなことは起こってほしくないと思ったことと、未知の世界には、色々な可能性があるので少し怖い気がしました。
読了日:12月12日 著者:麻野涼
おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)感想
大人が読んで、とてもわかりやすいお金の本でした。 銀行家についての説明も辛口でわかりやすかった。面白い。 あと、必要悪、玄人と素人、裏稼業について、現実と理想とを考えながら、中学生に説明してちょっと納得できる内容になっていた。私も正解はわからないけれど、一つの答えを出してくれていた。 あとはピケティの不等式についてもわかりやすい。子どもたちにも読ませてあげたいと思った。 ちゃんと、今の内容が反映されているおカネの本でした。
読了日:12月12日 著者:高井浩章
確信犯 (角川文庫)確信犯 (角川文庫)感想
登場人物に裁判官が多い物語。誰が確信犯なのか、最後まで考えながら読んだ。 憲法第七十六条三項が、何度も登場するのだが 「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、憲法及び法律にのみ拘束される」何度か読んでいると心に重く響いた。 裁判官が、揺れながらもその正義を貫く姿が見られた。
読了日:12月12日 著者:大門 剛明
時間は存在しない時間は存在しない感想
理論を読んでいると、わかりやすく書いてくれているので意味はわかるが、イメージすることは難しい。物理学者の頭の中はどうなっているのだろうか、と感じた。 あって当たり前と思っている時間の概念がないと言われると納得は難しいけれど、読んでいる時、その文章の中では、結構納得できる内容になっているのが不思議な感じがします。 (でも、説明はできません…)知らない分野でしたが、新鮮で面白かったです。
読了日:12月12日 著者:カルロ・ロヴェッリ
パッとしない子 (Kindle Single)パッとしない子 (Kindle Single)感想
痛快だった。私もどこかで、学校の先生に対して同様のことを感じたことがあるのかも知れないな… 一軍の子供たちと仲良くする先生がどうこうではないが、大人しい子の意見に重きを置かない先生は見たことがある。特に小さい頃、幼稚園ではそうだった。 大人になって、その気持ちもわからなくはないが、とにかく痛快だった。
読了日:12月16日 著者:辻村 深月
なるへそ (Kindle Single)なるへそ (Kindle Single)感想
面白かった。先入観なく読んだので、短いことにも驚いたが、池井戸さんの作品だということにも驚いた。落語から来た話なんだろうな…なんて思いながら読んでいた。 池井戸さんの作品は読んだことがなかったが、色々なメディアでの作品は見ていたので、この作品が意外に感じられた。
読了日:12月16日 著者:池井戸 潤
眠れるラプンツェル (角川文庫)眠れるラプンツェル (角川文庫)感想
山本文緒さんは、すごいと思った。 何がって、女性が感じる感覚、夫に、他の男の人に、周りの女性に… 悶々とした気持ちを、主人公に表現させてくれていて、私は共感するところが多かった。 すごいと言うか、山本文緒さんの作品と相性がいいと言うことかな。
読了日:12月16日 著者:山本 文緒
白昼の死角 (光文社文庫)白昼の死角 (光文社文庫)感想
どこまでが物語だろうか…と考えながら読み進めた。戦後の話だから、話し方も、常識もちょっと昔感覚ではあるが、半分は本当の話だということでとても興味深かった。 少し昔の時代は、知能犯にも人間味があるように感じられた。そう考えると、現代は人間味がない時代なのかも知れないとも感じる。とにかく人間関係も変わってきていると。 とにかく読みごたえはあった。
読了日:12月16日 著者:高木 彬光
サイレント・ブレス 看取りのカルテ (幻冬舎文庫)サイレント・ブレス 看取りのカルテ (幻冬舎文庫)感想
今までの感覚とは違う考え方をもらえた。患者もゴールがわかれば、そこからどう生きたいかを考えられる。そして終末期に必要なのはセオリーどおりの治療ではない。救うことだけを考える医療には限界がある。死は負けじゃない安らかに看取れないことこそ負けだと言う言葉。私たちにとっても新鮮な感覚であったが、死と戦う医師にとっては180度ひっくり返るような葛藤を感じながらストーリーが進んでいく。常識だったものが変わって行こうとしている現在、考えさせられる物語、そして、これは人間が望んでいることのように感じた。456
読了日:12月25日 著者:南杏子
キッド (幻冬舎文庫)キッド (幻冬舎文庫)感想
面白かった。とにかくドキドキする感じでテンポがいい。読んでいるとどんどん映像が浮かんでくるような感じだった。公安と警察、街中の監視カメラ、今の時代、プライベートはあるんだろうか?とちょっと不安になった。内容は大人向けであるが、どこか安心して読める本だった。
読了日:12月25日 著者:相場英雄
天国までの49日間 (スターツ出版文庫)天国までの49日間 (スターツ出版文庫)感想
いじめについて結構掘り下げられている作品だと感じた。いじめをやめようと言うキレイごとだけでなく、やめられない理由やその背景にあるものを若い視点で描かれていた。ストーリー的には一応丸く収まる感じだが、いじめの根深さを感じた。445
読了日:12月25日 著者:櫻井千姫
双子の悪魔 (幻冬舎文庫)双子の悪魔 (幻冬舎文庫)感想
推理していく感覚が楽しかった。表面的には差別意識を表していない人であっても、心の中でそういった意識を持っていると、それはその人たちに伝わっていると言うこと。それが全てのきっかけであるこのストーリーは、小説として見ればインパクトには欠けるが、実際の生活の中ではよくあることのように感じられた。そして、ラストは今までのヒントを合わせて読者が考える…と言う感じではあるが、犯人の意図が、まったく犯人の口から語られないところにちょっとモヤっとしたが、それも作品の一つのあり方と考えると、印象深い作品になった。 315
読了日:12月25日 著者:相場 英雄
魔女は甦る魔女は甦る感想
話の本筋ではないけれど、主人公の警官が部下に対して感じること、他人に対する知識欲や人間そのものに対する好奇心は教えるものではない。これは共感できた。推理していくことと、意外な犯人。思ってもみなかったことから、そこからの展開が長く感じた。559
読了日:12月25日 著者:中山七里
全然大丈夫じゃない: 誰もわかってくれない (文庫)全然大丈夫じゃない: 誰もわかってくれない (文庫)感想
全然大丈夫じゃない。 私なら離婚している… 夫婦の中で嫌なことを伝えられないのは、ツラい。全然大丈夫じゃない。夫婦のことは誰にもわかってもらえないから、自分でなんとかするしかないと思う。 面白かった。
読了日:12月26日 著者:石井和子
プラハからの道化たち (講談社文庫)プラハからの道化たち (講談社文庫)感想
推理の中にスパイが入ってくるので、とても複雑に入り組んだ内容だった。少し昔の社会情勢なので、ピンとこない部分があったのが、自分自身で残念だった。 要人を生かすために囮となって死んでいく人たちを見て犬死ではなく「外国の圧力にも屈せず祖国の独立と自由のための闘いに生命を捧げた男や女がいたという事実をわれわれの子孫が後世胸を張って世界の人に告げ得るかどうか」といった言葉に、当時東欧の国の国民が自由を望む力を強く感じた。
読了日:12月26日 著者:高柳芳夫
死の壁(新潮新書) 「壁」シリーズ死の壁(新潮新書) 「壁」シリーズ感想
養老先生の本を読むとそういう考え方もあるんだ…といつも納得できる。 現代は、常に変わらない自分がいると思い込んでいる人が多い。中世文学の「平家物語」「方丈記」では移り変わっていたと、そう言われると、私にはわかりやすかった。 解剖をされてた先生は、死体はモノではない、死体も人と考えるとのことだった。 とにかく、人は死を考えたくないと思うかも知れないけれど、その結果は変わらないと。本当にそうだと思った。
読了日:12月26日 著者:養老孟司
落花流水 (角川文庫)落花流水 (角川文庫)感想
山本文緒さんらしい女性視点から、そして物語の構成が面白かった。 親子3代にわたDNAを感じられる物語だった。人が家庭に求めるもの、家族に求めるものって何なんだろうかと感じる。女性中心にストーリーが展開されているところもよかった。他の登場人物がどう考えているのかはわからないけれど、自分を生きる3人の女性が描かれていた。
読了日:12月26日 著者:山本 文緒
カジュアル起業 “好き”を究めて自分らしく稼ぐ (マイナビ新書)カジュアル起業 “好き”を究めて自分らしく稼ぐ (マイナビ新書)感想
好きなことで起業され成功している人たちの経験談。自分の好きなことで起業できるなんて本当に羨ましく感じた。マーケティングだけから入る企業ではなく、自分の好きなものから入る起業は自分の中にも楽しい気持ち、その商品を愛する気持ちがあって自分のモチベーションも上がるということがよく伝わってきた。
読了日:12月26日 著者:箱田 高樹

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