心理師 juneberry’s blog

読みたい本が見つかる

2022年5月読書まとめ

ちょっとした資格試験のために、読書を絶って勉強していましたが、中途半端でダメでした。もう1ヶ月頑張ろうかな、と検討中。試験後から2、3日オーディブルを楽しみました。5月に読んだ本は6冊です。

5月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2186
ナイス数:65

レゾンデートル (実業之日本社文庫)レゾンデートル (実業之日本社文庫)感想
レゾンデートルの意味、読んでから知って納得できました。存在意味、生きがい。登場人物にそれぞれの生きがいとなる物事があって、そこから殺人が行われている。理由があれば殺人が許される訳では全くないが、その意味を理解することはできた。ただ、目的のための手段が段々と目的になってきてしまって…というところにこの作品の焦点があった。重い内容ではあるが、主人公から出るどこか爽やかな雰囲気からストーリー自体はとても読みやすく心地よかった。
読了日:05月01日 著者:知念 実希人
希望のステージ (講談社文庫)希望のステージ (講談社文庫)感想
闘病中の患者たちとステージでの発表という組み合わせに、ステージドクターが着く。南さんの作品はいつも、患者の気持ちを第一に考え医療がどうあるべきかを問いかけてくれる。終末期の患者だけではなく、闘病中の患者に対する医療の考え方に対しても同様なのだと感じた。一連の作品を読んでいると、これからの医療の向かうべき方向を示されたような気持ちになる。先進の医療が発達し、今まで、患者の気持ちを置き去りにしすぎたのかも知れない。責任問題が絡みながら、これらが一般化するまでにはちょっと時間がかかるのだろうか、とも考えた。
読了日:05月01日 著者:南杏子
幻夏 (角川文庫)幻夏 (角川文庫)感想
子どもの頃の思い出と、現在とを絡めながら、全貌が見えていく。子どもの頃の夏の数日間の思い出の中で、主人公が一緒に体験していたことが、始まりであり、そこですべてが終わっていたと。構成がとても面白くて、引き込まれていきました。主人公と一緒に、その時に何があったのかがわかっていく過程が面白かった。子どもの頃に最善だと思って乗り越えたつもりの壁が、そうでなかったとわかった時に、追い詰められた子どもの心がとても痛く感じられた。
読了日:05月30日 著者:太田 愛
変な家変な家感想
家の間取りから、想像されることから、それだけでと話が進んでいくのかと思っていたら、一つ一つの想像を裏切りながらの展開が面白かった。すべてが既に起こってしまったことであるところ、実際には体験していていないところにもかかわらず、読み進められながらドキドキした。
読了日:05月30日 著者:雨穴
六人の嘘つきな大学生 (角川書店単行本)六人の嘘つきな大学生 (角川書店単行本)感想
6人の大学生就職の最終面接グループディスカッションをめぐる事件?一人ひとりの人間性が出ながら、月と同じようにその人の一面しか見えていないと言う内容。 人の本質なんて、すぐに見抜けるはずがない。就職活動の中で社会人になる前の大学生たちが、戸惑いながらしっかりと今の壁を乗り越えようとしていた。腹黒さが見えるようだが、それぞれが真剣に向き合っていく中に。回想しながらの展開から、別の犯人が浮かび上がっていく。すべてのヒントが散りばめられているため、合点がいく結末も面白かった。
読了日:05月30日 著者:浅倉 秋成
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&Mシリーズ (講談社文庫)すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&Mシリーズ (講談社文庫)感想
とても面白かった。読み終わって知ったが、1996年発行の内容とは思えない内容だった。VRだけが今のものと比べると若干違和感があったがそのほかは、未来が見えていたような感じを受けた。本を書くということは、想像力が必要だが、その想像力の土台に実際の科学のエッセンスが入っているだけで、ここまでの作品になるということと、その精度によっては、未来を予想できると感じた。頭の回転のいい人の創造した作品という感じだった。
読了日:05月31日 著者:森博嗣

読書メーター