心理師 juneberry’s blog

読みたい本が見つかる

2022年7月読書まとめ

7月も現在流行っている感染症から、体調不良が続いて、読書を1週間は中断してしまいました。その割には、深い作品が多かったように思います。いい作品に出会った時には、本当に嬉しいです。今月は、いい作品が多かったです。

7月の読書メーター
読んだ本の数:34
読んだページ数:10948
ナイス数:225

ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫)感想
同級生の転落死から中学生の生活に少しずつ変化が出てくる。思春期の多感な時期の生徒たちが、友人の死に疑惑を持ちつつ、全体像はまだまだ見えず、少しずつ何かに巻き込まれていくドキドキ感があった。
読了日:07月03日 著者:宮部 みゆき
ソロモンの偽証: 第I部 事件 下巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第I部 事件 下巻 (新潮文庫)感想
次々と事件が起きるが、まだ点と点でわからない段階。そして、自分たちが知りたいことがわからないまま、大人たちが隠してしまう。多感な時期の中学生たちが、悶々とした気持ちを自分たちでどうにかしたいと考え始める。大人たちが最善と思って選択していることが、この年代の子どもたちにとっては、そうでないこともあると感じた。だから一般的に思春期は難しいのかも知れない。
読了日:07月03日 著者:宮部 みゆき
ソロモンの偽証: 第II部 決意 上巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第II部 決意 上巻 (新潮文庫)感想
翻弄されていた自分の学校の問題に聡明な中学生たちが立ち向かおうとし始め、1部では学校で大人たちが主体だったが、2部は生徒たちが主体となって今まで起こった事象に正面から向かっていく。学校のその立場で考えながら動いていたけれど置き去りになっていた生徒たちだったが、腑に落ちる答えが欲しいと思う気持ちは新鮮で生徒らしい。たくさんの人を巻き込みながら、自分たちで逃げ隠れできない状況を作り、ものごとへ向かう姿に、大人にはない中学生パワーを感じる。
読了日:07月03日 著者:宮部 みゆき
ソロモンの偽証: 第Ⅱ部 決意 下巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第Ⅱ部 決意 下巻 (新潮文庫)感想
中学生たちが学校裁判のために人から話を聞く中で、いろいろな人間関係や、そこでの違和感を知っていく。中学生にできる事は限られているようだが、大人の方が今の生活を当たり前だと思っていても、そこから踏み出さないことが多いなと感じた。そして、真実のために思いがけず検事役を引き受け、その検事役自体は半信半疑でやっていた登場人物だったが、次第に周りの人へその意気込みは伝播していくと感じた。核となる人がいれば、周りの人は、人によって変わっていくように感じた。
読了日:07月03日 著者:宮部 みゆき
ソロモンの偽証: 第Ⅲ部 法廷 上巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第Ⅲ部 法廷 上巻 (新潮文庫)感想
中学生の学校裁判中、白熱したやりとりが行われた。弁護側検事側双方とも、聡明な中学生たちから、中学生ならではの視点からの真実が解明されていく。展開の中に少しずつ違和感を感じる場面もあり、真相にはまだ遠い感じを受けた。ストーリーの進展とともに実際の真相はどうなのかを、並行して読み進め、ほんとに面白い。中学3年生から見た大人はどう見えているのか。大人に正義を求めている生徒たちの思いや、大人のようになろうとする姿、私たちにとって仕方がないと感じるところで、あきらめないところにそのパワーを感じた。


読了日:07月03日 著者:宮部 みゆき
ソロモンの偽証: 第Ⅲ部 法廷 下巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第Ⅲ部 法廷 下巻 (新潮文庫)感想
何となくわかってきていた結末だったが、初めに転落死した生徒の兄が感じていた感覚をすっかり忘れていたことに自分自身で驚いた。学校のことばかりに目が行ってしまっていて、初めに答えをもらっていたような感覚だった。次から次へと色々なことが起こり、それに翻弄されながら過ごしていたけれど、中学生たちが自分たち自身のこととして捉えられていた。思春期とひと言でまとめるのも少し軽々しいが、大人になる前の子どもではない時期の中学生って、秘めているものが大きいと感じた。
読了日:07月03日 著者:宮部 みゆき
[下巻] 犯罪者 下[下巻] 犯罪者 下感想
上巻からの続きで展開が楽しみでした。少しずつ仲間を増やしながら、そうなると裏切りがないか、私が疑いながらもチームが出来上がっていく。それぞれの危険の中での行動に緊迫感があった。USBの動画が、どこかにあるではと思いながら最後まで来てしまった。動画の存在が証明されず、最終のもしも仮に…と世間で騒がれている様子を引いた視点から見ている感じに当事者になった気持ちがした。 もしも私なら…できないことが多いけれど、こんなに正しいと思うことを突き詰められる人たちがいたらと思うと、尊敬と心強さでいっぱいでした。
読了日:07月08日 著者:太田 愛
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)感想
些細な人間関係の中にある、奥深い感覚とはまた違う感覚でした。私はこのプラトニックな感覚が好きでした。それぞれの価値観があって、人との付き合いがある。大きな展開のない物語だったけど、心の揺れや心の動きが(主人公)とても伝わってきました。
読了日:07月08日 著者:川上未映子
マチネの終わりに(文庫版) (コルク)マチネの終わりに(文庫版) (コルク)感想
物語が終わって欲しくない…と思いながら読んだ。昔「マディソン郡の橋」と同じ印象をもった。ただ、20代、学生時代だったので意味がわからず、日常ばかりで、面白くなかったという感想を持った。でも、今50代になって、色々な感情がわかってとても奥深い作品だなと感じた。昔読んだマディゾン群の奥深さも、学生の私にはわからなかったんだろうと感じた。人は、歳と共に感じることが変わってくると感じた。
読了日:07月08日 著者:平野啓一郎
乳と卵乳と卵感想
まくし立てるような関西弁が心地よく、また内容が言い当てているところが面白かった。あっけらかんとした母親と、思春期で多感で感受性の高い娘の中にある思いが少しずつぶつかる様子が、とても刺激的だった。次元が違う親子のようだったが、繋がっているところに温かさを感じた。大きなストーリーも面白かったけれど、ちょっとしたところどころにツッコミが入っているところも面白くて気に入った。
読了日:07月08日 著者:川上未映子
できないのはあなたのせいじゃない――ブレインロック解除で潜在能力が目覚めるできないのはあなたのせいじゃない――ブレインロック解除で潜在能力が目覚める感想
ブレインロックを仕方がないと思っていたけれど、解除すればいいと思えた。自分のせいではないと思い、人のせいにしていたところに気付かされた。私たちの思考が色々なところから縛られていることがわかりました。想像以上にしっかりした内容で何度も読み返したいと思います。
読了日:07月08日 著者:勝間 和代
流 (講談社文庫)流 (講談社文庫)感想
人はそれぞれ、自分の考えを信じながら、自分の家族を守り、生きているんだと感じた。しばらく推理ものばかり読んでいたので、最後まで犯人がわからないところに引っかかってしまった…私にとっては深すぎる作品だと思った。
読了日:07月09日 著者:東山彰良
罪の声 (講談社文庫)罪の声 (講談社文庫)感想
あまりにもよく知っていた事件で、小説として読めなかった。テープは当時ある電話番号で聞けたので、高校生だった私が聞いた。すごく衝撃的だった。同年代で関西京阪地域におられた方にとっては、とても刺激的な小説だと感じた。高校生ながら、この声の子はどう思ってるんだろうかと頭をよぎった。その子たちのその後が、小説通りかどうかはわからないが、とにかく犯罪に手を染めることは、家族など自分に関わる人たちの人生を狂わせてしまうことは確かだと思った。
読了日:07月14日 著者:塩田武士
64(ロクヨン) 上 (文春文庫)64(ロクヨン) 上 (文春文庫)感想
警察組織の複雑さを知った気がした。警視庁と地方と、キャリアとそれ以外と、職種の違い?が複雑に絡み合いながら、はいかイエスかしかない世界って、なかなか、一枚岩になるのは難しいな…すごい組織だと初めて感じた。企業よりも、それぞれの思いや立場を持った人が集まって、それが一つになることがあるんだろうかと、上巻を読み終わった時に感じている。
読了日:07月15日 著者:横山 秀夫
64(ロクヨン)(下) D県警シリーズ (文春文庫)64(ロクヨン)(下) D県警シリーズ (文春文庫)感想
上巻から続く、組織が一枚岩となっていないところをクローズアップした感じになっているが、それぞれの立場から県警を守りたいという気持ちは強く感じられた。 だいたいの推理小説は、主人公が謎を解き明かすことが多いが、推理のその上を行く人がいたところに驚きと、安心感とがあった。 大きな組織をまとめていき、さらに事件を解決していくとなると、想像もつかない統率力が必要なんだと感じた。側から見ると統制の取れた組織内でも、組織内にはいろいろな思いを持っている人がいるんだと感じた。面白かった。
読了日:07月16日 著者:横山秀夫
あの日あの日感想
科学的なことや真相はわからないが、当時記者会見から、その丁寧な対応にとても感心しました。その時、裏ではこんな思いをしていたと知るとともに、ツラいことから逃げずに信念を貫きたいという思いの強い人だと感じた。 そもそも、凡人の私にはSTAP細胞がどうであれ、日常にはさほど影響がなかった。小保方さんの可愛さにマスコミが乗っかっていたのは素人ながらにも感じていた。それが最も気の毒だったと思う。 この一冊からだけだが、内容やその表現の仕方や思考を垣間見えるだけでも、一般的な常識を持った聡明な人だと感じた。
読了日:07月16日 著者:小保方 晴子
小保方晴子日記小保方晴子日記感想
出版のために加筆修正はしているにしても、自分の信念を持っていて強い人だと感じた。潰れそうな時にも、自分のために料理を作っているところから、本当に料理が好きなんだと感じる。困難にぶつかった時の小保方さんの心の動きを見ることで、自分との考え方との違いを感じた。自分がいっぱいいっぱいの時でも、近しい人に対し自分の感情を曝け出して当たったりせず、自分の中に押しとどめているところが、あの会見で見えた彼女の姿の核の部分なんだろうと思えた。
読了日:07月17日 著者:小保方 晴子
ねじまき鳥クロニクル ―第3部 鳥刺し男編―ねじまき鳥クロニクル ―第3部 鳥刺し男編―感想
村上春樹さんは、初めてかも知れない。1部2部はわからないことばかりで、どんどん不思議な世界へ入っていく感があった。伏線があるのかと思いながら、その時には理解できないことをたくさん持ったまま読み進めた。最終的に全体的に思考の世界、精神世界では理解できたような気がした。現実世界で起こったことの意図は私にはわからなかったが、一つの作品の中でこれだけ内容の幅を広げて、全てに新鮮さを持っているところがこの作品の魅力だと感じた。抽象的だが、どこが得意という感じでもなく、全てが奥深く描かれている雰囲気が良かった。
読了日:07月18日 著者:村上 春樹
心に刺さる「物語」の力 ──ストーリーテリングでビジネスを変える (フェニックスシリーズ)心に刺さる「物語」の力 ──ストーリーテリングでビジネスを変える (フェニックスシリーズ)感想
外国人は確かにストーリーを語るなぁ、と読んでいて感じた。そのまま真似をするわけではないけれど、ストーリーを話すと人の心に入って行きやすいということは理解できた。外国でストーリーという言葉だけれど、日本では、その背景とか経緯というとしっくりくるように感じる。それをするための、それに至ったストーリーがある。そのことを周りの人に知らせる。すごく大切なことだと感じた。人の心を動かす方法だと感じた。
読了日:07月18日 著者:キンドラ・ホール
HSS型HSPの快適ライフ: 我慢と不快にさようなら (Natural Sky文庫)HSS型HSPの快適ライフ: 我慢と不快にさようなら (Natural Sky文庫)感想
ご自身の経験から自分で検証されて、HSS型HSPについて書かれていた。具体的な日常生活の中での不快や我慢とそこからの改善について、わかりやすく丁寧に書かれているので、私もそう言うところあるな、でもちょっと違う…と色々考えながら読み進められた。HSSの自分の割合を知って、全てに反映させていくことが、生き方につながっているということがよくわかった。同じような不快を感じている読者へ、一足先に快適ライフを送れるようになった作者からの暖かいメッセージがあった。
読了日:07月19日 著者:ありんこ
老後とピアノ老後とピアノ感想
とっても面白かった。あの時代にピアノをやっていた女子なら共感できることがたくさん。あの頃は、ピアノは本当に楽しくなかった。でも、この本で、音符や記号の一つ一つに作曲家の思いがあることや、その素敵な曲を知ってもらうために披露することを知って、ピアノがすごく魅力的に見えてきました。やっぱり、やらされているのではなくて、自分でやりたいと思って弾くのとでは、最終的に向かうところが全く違ってくると思った。私もやってみようかな、なんてちょっと思いました。
読了日:07月20日 著者:稲垣えみ子
崩れる脳を抱きしめて崩れる脳を抱きしめて感想
今回は、恋愛小説を書いているのかと、ちょっと残念に思いながら読み進めていた。爽やかなストーリーだけど、やっぱり推理のさらに上をいく感じが、サラッとすごいと思った。
読了日:07月20日 著者:知念 実希人
ある男 (コルク)ある男 (コルク)感想
人って、自分の性格や生き方だけでなく、その人を取り巻く環境の影響がとても影響するのだと感じた。 戸籍を取り替えるという意味、犯罪に使われるのではなくて、新しく生まれ変わって生きていくことで、自分の思うような生き方ができて幸せなのなら、それもありなのかもと思った。逆に、そうしなければ、自分らしく生きることができない。そういう私も自由に生きているようで、今まで生きてきたことで、色々なしがらみがあるのかと思うと、新しく生まれ変わってなりたい自分になるというのは、誰にでもある願望なのかも知れないと思った。
読了日:07月23日 著者:平野啓一郎
犬がいた季節犬がいた季節感想
ちょうど平成の時代を流行歌とともに振り返る…ようなところがあり、だいたい同年代だったので、懐かしく読めました。どんな動物でも敏感なので、犬に人のフェロモンがわかるなら面白いと思った。そうなのかも知れないとも感じた。
読了日:07月23日 著者:伊吹有喜
頭のよさとは何か頭のよさとは何か感想
とても面白かった。何について感想を書いていいのかわからないくらい全部が刺激的だけど、全部、当たり前のことを指摘してくれていて、それができていないのが、日本なのかなと思った。日本では「荒立てない」ような空気があって、そこを忖度する人も頭のいい人だし、だから海外へ出る人も頭のいい人だし。そういう時代を論理的に見える化してもらえた。「頭の良さは能力ではなく態度である」やってみないとわからないから、頭を柔らかく歳をとりたいと思う。刺激的な雑談だった。
読了日:07月23日 著者:中野 信子,和田 秀樹
死神の浮力死神の浮力感想
サイコパスに立ち向かう一般人、という読んでいてハラハラする設定だった。そこに、死神がついていたので、それだけ聞くと、なんと怖いストーリーという感じだが、面白く読めた。サイコパスや一般人の仕事を心理学的な視点からも捉えていて、納得できるところも多かった。でも、やっぱり、助けてくれる人がいなければ、良心のないサイコパスを一般人が相手にするのは怖いと思った。
読了日:07月24日 著者:伊坂 幸太郎
さくら (小学館文庫)さくら (小学館文庫)感想
途中で何がテーマなんだろうか…と思いながら読み進めた。家族、そして性について、包み隠さずに描かれていた。偏見のない家族がオープンに性について考える。とてもいい家族だと思った。ただ、結末は私にとって意外だった。幼い頃に無邪気に感じた物ごとを、大人になり逆の立場で、残酷な事実として感じる。私は、何とも言えない悲しさを感じた。
読了日:07月27日 著者:西加奈子
悪人 新装版 (朝日文庫)悪人 新装版 (朝日文庫)感想
映画で見たことがあったが、本で読むとさらに心が痛んだ。いい人の心が傷つくストーリー、私はちょっと苦手。できれば避けて通りたいと思ってしまうが、読んでしまう。読み手の心をグッと動かすストーリーは、素晴らしい。本当の悪人って、どういう人のことを言うんでしょうか。また、心にすごく突き刺さりました。
読了日:07月29日 著者:吉田 修一
ムゲンのi : 上 (双葉文庫)ムゲンのi : 上 (双葉文庫)感想
上下巻あるものは、上巻はどうしても謎がわからないところが多くて、ちょっと物足りない感じがする。その分、期待感もある。想像していたよりもスピリチュアルなストーリーに戸惑ってしまった。どう繋がっているんだろうというドキドキ感と楽しみがある。
読了日:07月29日 著者:知念実希人
ムゲンのi(下) (双葉文庫)ムゲンのi(下) (双葉文庫)感想
いろいろな点がたくさん出てきて、少しずつ繋がって線になっていくが、まさか、そこを覆すのか…という衝撃があった。面白い。人の心の奥の奥にあるものって、どんな人でもとっても傷つきやすいものなのかも知れない。それを、大人になるにつれて、いろいろな何かをかぶせて、守って、日常何事もなかったように生活しているんだと思った。ムゲンの世界の構造は、本当にこんな風になっているように感じられた。
読了日:07月29日 著者:知念 実希人
【電子限定特典付】伝え方の魔術 集める・見抜く・表現する【電子限定特典付】伝え方の魔術 集める・見抜く・表現する感想
とても分かりやすかった。プレゼンの仕方からYouTubeまで、それぞれの特性を生かしての説明で面白かった。以前から知ってはいたけれど、視覚優位だということをもっと活用して、プレゼンの、特に視覚で表現しようのないところなどに、逆に活用することが、人の心を動かす仕掛けだと思った。また、容姿を気にするよりも単純接触効果を狙って毎日動画を配信するなど、特徴がそれぞれであることに納得した。
読了日:07月29日 著者:及川幸久
生と死を分ける数学:人生の(ほぼ)すべてに数学が関係するわけ生と死を分ける数学:人生の(ほぼ)すべてに数学が関係するわけ感想
数学の統計だけでも知っていると、世の中で飛び交っているその数字の意味がよく理解できると感じた。知っているか、知らないかで生死を分けることがあるということだった。数字を聞いた時にどれだけ、リアルにその数字を感じられるか、だと思った。日常に数字に触れていない私なんかは、そうは言っても…と思いがちだし、トリックにもやられてしまいがち。
読了日:07月29日 著者:キット・イェーツ
鉄の骨 (講談社文庫)鉄の骨 (講談社文庫)感想
池井戸潤さんらしい、悪役が存在する痛快なストーリーだった。初めに読んだ作品が「なるへそ」だったので、らしいと言うのがやっとわかってきた。建設業界が談合をしている意味、何のために談合をしていたのかがよくわかった。でも、談合は資本主義でなく、平等という感じで、昔から建設業界は安定を求めているということだったんだ。すべてがそうでないと思うが、時代が変わっていく中、その流れに適応できない業界はなかなか発展していかないと思った。建設業界のこれからはどうなんだろうか。
読了日:07月31日 著者:池井戸潤
蟻の階段 警視庁捜査一課十一係 (講談社ノベルス)蟻の階段 警視庁捜査一課十一係 (講談社ノベルス)感想
このシリーズの初期の作品を何冊か読んだことがあったので、読んでみました。この作品では、それぞれのキャラがすっかり出来上がっていて、全く違ったイメージを持ちました。以前は、刑事同士の人間関係などにドキドキ感があったけれど、それはすでに定番になって、推理の方に力が入っている感じがしました。前者を期待していたので少し残念。
読了日:07月31日 著者:麻見 和史

読書メーター