心理師 juneberry’s blog

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父のこと #1

昨年、12月末に体調不良で急に入院した父は

12月に79歳になったばかりだった。母と二人で暮らしている。

 

年明けに胆道癌がわかり

十二指腸と膵臓切除の2月頃手術予定だったが

検査を重ねた結果、肝臓にも転移があり

手術は行わず肝臓癌への化学療法を行うとことだった。

 

2月の初めに

余命は半年から1年くらいと言われた、とのことを弟から聞く。

 

その頃から、新型コロナウィルスが猛威を振るい

抗がん剤治療をして在宅で療養している父に

会いにくい状態が続いている。

 

 

それからは何度か、玄関先で話した程度だったが

癌のことを、弟から聞いていると知っていて

 

「でも、まぁいい人生やったわ」

 

と二人の時に、ぶっきらぼうに言った。

 

その言葉が耳に残っている。

幸い、父は今も実家でとりあえず、元気にしている。

 

普通の年なら

弟や妹家族とも集まり

最後の1年をみんなで過ごす、なんてこともできたのだろうが

 

コロナ渦ではむつかしい。

 

うちには大学生と高校生の息子がいるので

息子が無症状者でも困る。

 

何かしたいけれど、特に何もできない。

日ばかりが過ぎて行き、特別な解決策もなく

今となっている。

 

 

父と私は、普段もそれほど仲良くもなく

どちらかと言うと

中高生辺りは、無視しているほどだった。

 

それでも

とにかく、後悔はしたくないという思いは強く

手紙を書いてみた。

 

会うと、特に何も話せなくなってしまうので

 

不器用な娘から父への初めての手紙

感謝の手紙を書いた。

 

7月から書こうと思って、なかなか書けず

 

便箋と封筒を買ってきたまましばらくは置いてあり

やっと8月末に郵送できた。

 

小さい頃を思い出し書いていると

ポツポツといろんな出来事が

思い出されてきた。

 

昔は、子ども目線で捉えていたことも

 

今、振り返ってみると

若かった父親の思いが伝わってきて

ありがたく思えた。

 

 

「同じ出来事でも、歳とともに感じ方が変わる」

 

 

いろいろな思いが、私の中で動き出した。

 

マイナスだった父のイメージはどこからきたのか?

 

なぜ、私は父を嫌いだったのだろうか?

 

手紙には、少しずつ書いたが

せっかく溢れてきた私の思いを

どこかに残したいと思った。

 

50歳を過ぎて

こんなことを考えるとは思ってもみなかったが

 

今、書くことで、私の父に対するいろいろな思いが

解決するような気がしている。