懐かしく思って読みました「麻酔」渡辺淳一
私が、Kindle本を耳読した本の感想を、ご紹介しています。 本選びの参考になれば、と思っています。
読み終えるまでの平均的な時間(5時間53分)
感想…
学生時代や独身時代は、渡辺淳一さんの本をよく読んでいたので、懐かしく思って選びました。
医師だっただけあり、医学のお話が面白かったと言う記憶だけが残っていました。今読んだら、どんな感じを受けるんだろうか、と少し楽しみに思って読みました。
部分麻酔での手術だったはずが、脳にまで麻酔が回ってしまった話。
医療過誤の疑いがある中、主治医の本心がどこにあるのか、本当は真実はどうなのか。考え方によって見え方が変わってくるところに面白さがあった。
結局、どんなに科学が進んでも、ふとした些細な人間の不注意から事故が起こることがなくならない。最終的に機械を操る判断をするのは人間で、その医師の慣れすぎた自分を責めている姿勢から、そうでなければならないと感じました。
家族の人間模様には、少し前の懐かしい雰囲気を感じるところがありましたが、科学を決して過信することなくというメッセージは、今の方が心に響くように思えました。
内容(「BOOK」データベースより)
「いつも旅のなか」角田光代
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読み終えるまでの平均的な時間(3時間25分)
感想…
小説の続きで、この本へたどり着きました。
小説のイメージとは180度違った角田さんのキャラクターが、滲み出た文章。とても面白かったです。
私はエッセイを読んだことがほとんどなく、先日、みうらじゅんさんのを読んで、衝撃を受けたばかりでした。
今まで、エッセイを読んでこなかったこと、本当に残念に思いました。心がつかまれました。
角田さんの文章の面白さ、その発想や比喩、表現が興味深く、情景が目に浮かぶ。
そして、ふっと笑えるような。とても気に入りました。
あの内容の作家さんは、こんなにもあっけらかんとした人間性なんだ…と言う驚きと、尊敬。魅力的で大ファンになりました。
内容(「BOOK」データベースより)
「嘘」北國浩二
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読み終えるまでの平均的な時間(6時間1分)
感想…
題名の嘘から、色々な嘘を想像をしながら読んでしまった。
父娘の姿を見ながら自分の事と重ねあわせるところもあった。
親子はどうしても意地を張ってしまい、どんどん凝り固まっていくところ理解できた。
許せない思いを、第三者を交えながら偏った視点なく見てみると、普通に見えたり。
父親が認知症であったことも、少し距離を置いて考えられる環境になったかも知れないと感じた。
また、父親が仏を掘っていると言うこと自体が意味するもの。許して欲しいと言う気持ちと人を許して、自分も許したいという思いだったんだろう。
認知症になって、まだ掘り続けた、その仏の多さに、許しへの思いの深さを感じた。
内容(「BOOK」データベースより)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1964年、大阪市生まれ。2003年、『ルドルフ・カイヨワの事情』で第5回日本SF新人賞に佳作入選、05年、同作を改題した『ルドルフ・カイヨワの憂鬱』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
SNSでゆるくつながる
SNSについて考えてみると
「メンタルの強化書」佐藤優
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読み終えるまでの平均的な時間(2時間27分)
感想…
仕事をシンプルにすると言う中にも
仕事を複雑化しないことと
そして、その中には、仕事の中の人間関係を複雑化しないと言うことが含まれていました。
結局、気持ちよく仕事をするためには、どうすればいいのかと言うところに答えがありました。
中でも一番印象的だったのは
いかに合わない上司であったとしても、組織の中での上司は後ろ盾がついているものには叶わないと言うところです。
それを踏まえて、どううまくやっていくか、と言うところしなやかに生きていく技でした。
全体を通してメンタルを強くするための話ではありながら
人間として何を大切にして生きていくか、と言うとても大切なことを教えてもらえました。
内容(「BOOK」データベースより)
著者について
1960年東京都生まれ。作家。元外務省主任分析官。同志社大学神学部卒業。同大大学院神学研究科修了後、85年外務省に入省。英国の陸軍語学学校でロシア語を学び、在ロシア日本大使館に勤務。北方領土問題など対ロシア外交で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕。09年、最高裁上告棄却。13年、執行猶予期間を満了し刑の言い渡しが効力を失う。同志社大学神学部客員教授、同大学特別顧問、名桜大学客員教授。著書に『国家の罠』(毎日出版文化賞特別賞)、『自壊する帝国』(大宅壮一ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞)など多数。
--このテキストは、tankobon_softcover版に関連付けられています。
「ジョハリの窓」としてSNSをみる
失敗や経験を、SNSで開放すると
「アラジン」小倉銀時
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読み終えるまでの平均的な時間(6時間14分)
感想…
この著者の作品2冊目。
テイストがまったく違っていていて、テンポもよくドキドキしました。
「マイハウス」が陰なら、「アラジン」は陽かな。別に陰陽に分ける必要はないんですが。
お互いの、手の込んだ騙し合いにドキドキしながらも、正義が勝つようなところが気持ちよかったです。サクッと読めました。
略歴
京都木屋町ー風俗店や闇金などが蝟集する雑居ビルの雇われ管理人である小日向。彼は日頃から悪知恵を働かせてはコツコツと小銭を貯めていた。そんなある日、一人の青年との出会いがきっかけで、小日向の秘められた企みが動きだす。騙し騙され、最後はあなたも騙される。小倉銀時の可笑しくも切ないピカレスクロマン!
物語として語る ナラティブ・アプローチを自分でしているような
2人の視点で今の時代に例えられて…「見仏記」「見仏記2仏友篇」いとうせいこう、みうらじゅん
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「見仏記」読み終えるまでの平均的な時間(3時間54分)
「見仏記2仏友篇」 読み終えるまでの平均的な時間(4時間32分)
感想…
「見仏記」
いとうさんが30代の頃に「見仏記」が出版されていました。
今まで仏を見る機会もなく、この本を読みましが、この2人の仏を見る視点に衝撃を受けました。
どういった思いを持って、仏を見てもいいのだが、一見ふざけたように見えながら、どこまでも真面目に見仏していて、まず、その姿がおもしろい。
仏を見る時に、昔の歴史だけをなぞり納得するのが、だいたい一般的な見仏だろうと思いますが、今の時代の事象と結びつけて、身近に感じることですんなりとイメージできることもいくつかあった。
大陸から仏がきたことを、来日するアーティストに例えてみた話はわかりやすかったのと、日本人の外のものへの憧れを持ちながら、それが中に居付くことはあまり望んでいないようなところ。その理論納得。
ちょっとふざけているように見えるが、あくまでも真剣に仏に向き合う姿に、すごく昔から、こんな面白い本があったんだ…と感じた。
「見仏記2仏友篇」
あまりにも面白くて、つい2冊目を手にとってしまいました。
いとうさんの思考と、みうらさんの思考は、若干の違いをもちながらも、その理論をぶつけて、お互いを理解し合いながら納得しています。
「見仏記」よりも、各地に仏が渡来した当時を思い浮かべ、その土地の文化的な内容に触れながら、2人の推測(妄想)がすすめられています。
それが面白くて、また、内容がとても興味深い。
2人はいつも「今の時代だったら」と言うような例えをしているけれど、それは面白くて、ちょっと不謹慎のように感じるところもあるけれど、昔は、今と違ってもっと自分たちの近くに存在していて
実際、その当時はそう言うものも含めて、みんな仏のファンだったように思えてきました。
ただの拝観者ではなく、「見仏記2」では、だんだんと2人がアポを取って、収蔵庫を開けてもらい拝ませていただくようになってきているところに、ご自分たちでも何になってきているのかと笑っておられた。ホントにどこへ向かっているのだろう。
調べてみると「見仏記7」までは出ていて、それ以外にもたくさんの仏に関する2人の本が出ているようです。
自分の趣味について、同じレベルで話せる知人がいることは、とても羨ましいと思いました。
内容(「BOOK」データベースより)
毎日のように驚いて、あきれて、感動して得た、私のパラダイム転機「なるほど、そう来る?フランス人」香田有絵
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読み終えるまでの平均的な時間(1時間14分)
感想…
とても新鮮でした。
私のイメージでは、プライドが高い、英語を話さない、権利を主張する哲学を持っている、くらいで、それぞれがつながらない感じでしたが、それぞれの根拠があり、フランス人の考え方がわかりやすく読めました。文化の違いの大きさを感じました。そして、フランス人マダムのかっこよさが素敵です。自分の思いを自由に表現すること、どんな考えでも間違いはない精神的な自由が見えました。
テレビのニュースでは伝わりきらないけれど、教科書で習って知っていた歴史や文化がつながってフランス人の奥行きが見えて、とても魅力的に感じました。
この本を読むと、日本人って、周りの目を気にするよねと言う思いと、まさに、私は典型的な日本人だなと言う思いに至りました。
Amazonより
仕事でミスをしてしまい、先輩に怒られました。 フランス人なら先輩に何と言うと思いますか?
本書には、あなたがビックリするような答えが書いてあります。
フランス人と結婚し、フランス在住歴10年以上になる著者が感じた、日本人とまったく違うフランス人の価値観。
著者の人生観を変えたフランス人のビックリする行動の数々に、きっとあなたも驚き、笑い、フッと心が軽くなるでしょう。
気楽に生きるためのヒントが盛りだくさん!
不完全とちゃんとすることと
私は、きちんとしたいという完璧主義でした。
立派な家は女の夢?「マイハウス」小倉銀時
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読み終えるまでの平均的な時間(3時間55分)
感想…
自分の城を持ちたいと思うのが、女の夢かなと感じました。
男の人が、家の名義人になることが多いが、実際に家にいる時間が長いのは、主婦の方で、女性の中での、実質的に自分の家の占める割合の大きさは男性よりも大きいのかも知れないと感じられました。
少し寂しいけれど、登場人物、それぞれの家に対する思い、立派な家があれば、きっと家族が良くなると言う思いは、どこかわかるような気がしました。
本筋とは全く関係ないけれど、
この本は、2003年の出版だと言うことだけど(2003年が昔なのか最近なのかも、意見が分かれるところですが)
小説の端々の生活模様や、生活の中での色々な常識がこの間に変わっているように感じられました。
時代や価値観の変化という感じかも知れないです。私には、バブルを引きずっているような、そういう懐かしい雰囲気を感じました。
商品説明
ホームヘルパーとして働く大崎和代は、無職の夫と、ひきこもりの長男を抱え、日々の生活に疲れ果てていた。そんな和代は、ある日、唐突に、一戸建ての購入を決意する。目をつけたのは、素人には落札が難しいとされる「競売物件」。裁判所の物件閲覧室で、堂々とした門構えの豪邸のファイルを目にした和代は、「これしかない」と確信する。あの家が手に入れば、日常から解き放たれると信じる和代。しかしその家には、今井昭子という女がいまだに住みついていた。
競売の段取りや、いかがわしい仲介業者たちなどの細部の描写は、体験者だけあってさすがに生々しいが、大阪弁を交えて展開していく物語は、どこか滑稽で、おかしみさえ感じさせる。しかし、ラストシーンが近づくにつれ、大げさに戯画化されたように見える2人の姿を、誰も笑うことはできなくなるに違いない。一見、被害者と加害者の関係に見える和代と昭子の抱える情念は、私たち日本人が共有する「家」への幻想でもある。奔走したあげく、「いつも通りのつまらない空」を見あげるしかない彼女たちの不幸は、読み手自身の背後にもぽっかりと口を開けているのだ。(中島正敏)
内容(「BOOK」データベースより)